宇佐美 徹也(うさみ てつや、1933年1月29日 - 2009年5月17日)は、日本のスポーツライター。栃木県立佐野高等学校卒業後、一般企業に就職するが、野球記録に対する情熱が断ちがたく、パシフィック・リーグの記録部長だった山内以九士のもとを訪れ、内弟子として修業。実力を認められて、1956年にパ・リーグ記録部に採用される。1964年、山内が定年退職した機に自身もパ・リーグを退職し、報知新聞社に入社。記録部長・編集委員を歴任。1977年、それまで収集・分析したデータの集大成として『プロ野球記録大鑑』(講談社)を刊行。以後、同書の増補改訂版など多くのプロ野球記録に関する書籍を執筆し、山内や千葉功と並んで「記録の神様」とも称される。1988年、日本野球機構コミッショナー事務局入り。BISデータ本部初代室長に就任。従来の手集計による公式記録をコンピューターで集計するシステムの構築に尽力した。宇佐美自身は元々コンピューターが嫌いで、「それが元で報知新聞社も定年であっさり辞めた」のだが、BISデータ本部でコンピューターを使った仕事に携わる中でその威力に感服して愛着が湧くようになったと語っている。1994年にBISデータ本部室長を辞任後もコミッショナー事務局に留まり、1998年に退職。1978年より、毎年実業之日本社から『プロ野球全記録』を発行していたが、2004年版を最後に病気療養のため、発行していなかった。2009年5月17日、急性呼吸不全のため死去。76歳。いち早くセーブ記録に着目し、大リーグを参考に日本独自のセーブルールを考案。1974年にプロ野球の公式記録に導入されるきっかけとなった。その一方、後年に連続セーブの記録のためにセーブのつかない場面での登板を回避するリリーフ投手の姿勢を痛烈に批判している。上記の例が示す通り、数字の上で従来の記録を上回っても内実が伴わない記録や、「作為的に狙って作られた記録」「自チーム選手にタイトルを取らせるためのライバル選手への敬遠」等には批判的であった。1984年に阪神タイガースの福間納が、1961年に稲尾和久が作ったシーズン登板記録(78試合)を上回りそうになった時には、阪神の監督だった安藤統男に「稲尾の記録は400イニング以上を投げて作られたもので、中継ぎ登板だけで形だけの記録を作るべきではない」という趣旨の手紙を送っている。これが功を奏したかは不明ながら、福間の記録は稲尾に1試合少ないセリーグ記録(当時)の77試合に留まった。2001年に広島東洋カープの菊地原毅がワンポイントリリーフ中心に登板を重ねて稲尾と並ぶシーズン最多登板記録を達成した時にも「ただ数で並んだだけで、稲尾と比べればお話にならない」と断じた。また、首位打者争いの際、終盤の消化試合で打率1位と2位の選手が所属するチームが対戦する時「試合の勝敗も無視して打率1位の自軍選手を出場させず打率2位の相手選手を強引に全打席敬遠」という首位打者狙いの戦法については「(タイトルを)何としてでもとりたいし、とらせてやりたい気持ちもわからないではない。しかし、プロ野球選手は入場料を払って見に来たお客さんに最高のプレイを見せる義務がある。休んでまでタイトルを取ろうとする選手など減俸ものだし、休ませたりする監督など最低でどちらもプロとはいえない。そもそも折角の見せ場を自ら摘み取るようなことをして果たして興行といえるのか、そのような行為を『温情』という言葉で美化しているマスコミに至っては何をか言わんやだ」と切り捨て、その結果として生まれた松永浩美の11打席連続四球や、落合博満の1試合6四球のような記録に対しては「先人たちが汗と努力で築き上げた偉大な記録がこのような形で作られたものに取って変わられてしまうのは何とも悲しい限り」と著書で述べている。特に勝敗がセ・リーグ優勝チームを左右する試合でもあった1982年10月18日の大洋対中日戦で、大洋ベンチが打率1位の長崎啓二を出場させず、打率2位の中日・田尾安志を勝敗を度外視する形で全打席敬遠したことについては「明らかに敗退行為に当たり、マスコミやコミッショナーもこの事を殆ど問題提起しなかったのは不思議でならない」「巨人はこの試合の取り消し、再試合を要求するべきだった」と痛烈に批判している。また、記録については作られた環境(同時代の他の選手からどれだけ突出していたか等)を考慮して評価すべきであるとの立場を取った。この観点からアメリカ・メジャーリーグで1961年にロジャー・マリスがベーブ・ルースの持つシーズン本塁打記録を上回った際に当時のフォード・フリックコミッショナーが、試合数の違いを理由に両方を併記した措置を「名裁定」と評価していた。著書では時代の異なる選手の力を評価するための尺度を様々に考察している。
出典:wikipedia
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