研磨布紙(Coated Abrasive)は、研磨材を布や紙に接着した工具である。金属・木材などの研削・研磨に使用される。シート状に裁断したものは、サンドペーパー、紙やすり、などとも呼ばれる。一般的な研磨布紙の断面が図1である。まず、黒い粒々が研磨材である。そして図の下の層が背中の布や紙で、基材(Backing)と呼ばれる。中間の層が、研磨材を保持する下引き接着剤層(Make Coat)で、上の層が、研磨材をこぼれにくくし、製品の柔軟性(曲げたときに折れにくいこと)を高めるための、上引き接着剤層(Size Coat)である。英語版ウィキペディアのSandpaperのページに、『13世紀の中国で、天然の研磨材を天然ゴムで貼り付けて使った』との記載がある。そのころは、接着剤を塗ったシートの上に研磨材を振りまく手作業だったのだろうが、現在の研磨布紙のほとんどは、流れ作業で製造されている。すなわち、ロールに巻いてある基材をほぐして送り出し、下引き接着剤を塗布し、接着剤の面が下向きになるように繰り出し、その下の「研磨材を散布した平面」との間に静電圧をかけ、研磨材を跳び上がらせて下引き接着剤層にめり込ませ、接着剤を硬化させ、上引き接着剤を塗布し、硬化させ、ロールに巻きとる。そのロールを、用途に応じ、シート、帯などに、裁断する。外部リンクの工程図が分かりやすい。綿布、合繊布、クラフト紙のほか、ヴァルカナイズド・ファイバー()、ポリエチレンテレフタラート(PET)、不織布なども、使用される。基材の厚さは、日本工業規格では、坪量(一定面積当たりの質量)で規定しているが、 それらをマイクロメートルで言えば、薄い方から、布は約340µmと約460µmと490µm、紙は約95µmと約140µmと約190µmと約270µmである。日本工業規格『JIS R 6111 人造研削材』が定める人造研磨材と、ガーネットなどの天然研磨材と、ダイヤモンドなどが、使用される。人造研磨材は、褐色電融アルミナ、白色電融アルミナ、電融アルミナジルコニア、黒色炭化けい素、緑色炭化けい素などである。研磨材の性状については、当該のページに詳しい。粒度は、『JIS R 6010 研磨布紙用研磨材の粒度』に、約2mmから約10µmまでの、28段階が定められている。膠と合成樹脂とが使用されている。炭酸カルシウムなどの充填剤が配合されることもある。使用されるおもな合成樹脂は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂である。膠(glue)を「G」、樹脂(resin)を「R」であらわし、図1の「下引き接着剤層」「上引き接着剤層」の順に、G/G、R/G、R/Rなどと記号し、レジンオーヴァーグルーなどと呼ぶ。膠は柔軟性に富むが、耐熱性・耐水性にとぼしく、湿式の環境で作業する耐水研磨紙(『JIS R 6253』)用には使えない。空砥ぎペーパー等の名称で市販される紙基材を用いた研磨紙には、研磨剤層にステアリン酸亜鉛等の金属石鹸を添加することで、乾燥状態で使用した場合でも目詰まりが生じにくいようになっている。各項目の末尾の括弧書きは、それぞれのJISが定める最大の寸法である。研削・研磨作業とともに研磨材がしだいに減耗して、無くなるまで使えれば、天寿を全うしたことになるが、そこまでやると作業効率が著しく低下するため、ある程度研磨材が失われた段階で交換される消耗品である。作業条件によっては、研磨材が抜けこぼれてゆく。目こぼれという。また、たとえば、研削面で粘土をこすったりすれば、べったりと付着して研磨材の刃先を隠してしまう。目詰まりという。軟らかい金属や樹脂分の多い木材は、研磨布紙の目詰まりを起こしやすい。メーカー側では、研磨材の分布をまばらにするとか、潤滑剤を塗布するとかの目詰まり防止対策を講じているが、使用者側にも、研磨材の種別を含む研磨布紙の選択や、作業条件の検討が、必要である。これらのJISは、出典に記載したハンドブックに収録されている。各研磨布紙メーカーのホームページ、および
出典:wikipedia
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