フードファディズム (food faddism) とは、次のような意味を持つ言葉である。1952年のマーティン・ガードナー(Martin Gardner)の著書"In the Name of Science"にすでにfood faddismという概念は紹介されている。1980年にその日本語訳本が出版された(『奇妙な論理』市場泰男(訳)、社会思想社、1980年。早川書房、2003年1月。ISBN 978-4150502720。)が、そこでは市場泰男は「食物のあぶく流行」という翻訳表現をあてた。「フード(food)」とは食品のことである。「ファディズム(faddism)」とは、一時的な流行を熱心に追いかけること、流行かぶれ、あるいは流行傾れ、一時的流行・「のめり込み」という意味である。米国では以前からあった概念である。日本に「フードファディズム」を紹介した最初期の人は、食品安全委員会リスクコミュニケーション専門調査会専門委員である群馬大学教授の高橋久仁子で、1998年頃のことだといわれている。1991年、高橋はその年に出版された "Nutrition and Behavior" を読み、"food faddism" という概念を認識し、その後この本を翻訳し『栄養と行動』として出版した。フードファディズムの対象として取り上げられるものは、いわゆる健康食品、ダイエット食品から砂糖、化学調味料、水道水と幅広く、身体の良いとされるもの、逆に害になるとされるものなど様々であるフードファディズムに陥らないようにする方法、解決策は、食と健康に対するしっかりとした知識を身に着けることである。 フードファディズムを見てみぬふりをするわけにはいかないのは、健康被害という実害や、詐欺という実害があるからだと指摘されている。『栄養と行動』によると、食事や栄養の影響を検証する唯一の方法は科学的研究による立証であるため、研究にも再現性や客観性が求められ、また結果の偏りを最小にする被験者が多い研究や、偏見的な見方を排除するための二重盲検法のような方法をとっているかということも重要である。1990年代より、医学領域において普及し始めた「根拠に基づく医療」(EBM、 evidence-based medicine) の態度はこのような客観性を目的としている。こうした動きを受けて栄養学の領域でも、EBMが提唱されている。ハーバード大学公衆衛生学部の栄養学部の教授が最新の科学を反映させ企業や団体の影響を受けずにつくった「健康な食事ピラミッド(healthy eating pyramid)」は、健康に悪い影響を与える精白された穀物、赤肉・バター、砂糖がたくさん入った飲食品を控えるということが分かりやすく図示されている。「本当に健康に影響するのか」の根拠が曖昧なまま、特定の食べ物・栄養の影響を熱狂的に信じるフードファディズムの一因には、健康食品などの企業・業界や自称健康食品専門家が、自分たちに都合のいい情報や研究データだけを流す傾向があることが考えられる。また御用学者と呼ばれる特定の業界に偏った意見を述べる学者もいる。一般化されない偏った根拠を元に不安を煽るということがある。食品業界によるロビー活動を告発したマリオン・ネスルによれば、健康への貢献に対して優れた食品とそうでない食品があるが、食品会社は良い食べもの、悪い食べものはない、自社の商品は悪くないと思わせようとしているということもある。企業や業界はあらゆる商品を満遍なく扱っているわけではないので、自分の利益を増やすためにおのずと一方的に偏ったデータや情報だけを流す傾向がある。直接的にではなく間接的にであるにせよ、自社の製品さえ摂れば健康になれるといった印象を生む文言をちりばめたコマーシャルや資料を作成する傾向があり、それがマスコミや他の媒体を経由して人々のもとに届けられている。まだ合理的な判断のできない子供など、宣伝の内容をそのまま信じこむ人々もいるために、フードファディズムが生まれる傾向がある。このリストにあるのはフードファディズムとして判断されるものであって、実際に科学的な根拠に基づいたリスクがあるかどうかとは無関係である。
出典:wikipedia
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