


スーパーフリー事件(スーパーフリーじけん)は、2003年に発覚した組織的な輪姦事件。早稲田大学の元公認のサークル「スーパーフリー」のメンバーである大学生らは「ギャルは撃つための公共物だぜ」を合言葉に1999年秋から常習的に女子大生への輪姦をおこなっていたが、そのうち2001年12月19日の事件と2003年4月27日の事件と同年5月18日の事件のみが起訴され、早稲田大学以外にも東京大学、慶應義塾大学、明治大学、法政大学、学習院大学、日本大学といった名門大学の学生ら合わせて14人が準強姦罪で実刑判決を受けた。この事件は重大な社会的波紋を呼び、2004年の集団強姦罪・集団強姦致死傷罪の創設につながった。取調べにより多数の事件が判明したが、起訴されたのは以下の3つの事件であった。2003年の5月18日、被害者が警視庁麻布署に被害届を提出し、事件捜査のきっかけになった。6月19日、麻布署はスーパーフリーの代表者及び男子大学生メンバー4人を強姦容疑で逮捕。当初、容疑者らは「合意の上」と容疑を否認したが、6月22日にはスーパーフリーが解散し、6月30日東京地検は容疑者2名を強姦容疑で起訴。7月4日には東京地検はさらに2名の容疑者を準強姦罪で起訴する。7月9日には東京地検はさらに1名の容疑者を準強姦罪で起訴。8月21日には東京地検はスーパーフリーの代表者を含む3名の容疑者を準強姦罪で起訴した。2004年11月2日、代表に対し懲役14年の実刑判決が下る。被告人側は判決を不服として同年11月17日に控訴。2005年6月16日には最高裁第2小法廷(古田佑紀裁判長)に上告したが2005年11月1日付で棄却され、主犯を懲役14年の実刑とした1、2審判決が確定する。主犯を除く13人には懲役10年〜2年4ヶ月の実刑判決が確定した。スーパーフリーが強姦を始めたのは、少なくとも1999年秋にまでさかのぼることが東京地裁で認定されている。輪姦を活発に始めるきっかけとなったのは、第56回公判における主犯の証言によると、もともと明治大学のイベントサークルで輪姦が活発におこなわれていたところ、このサークルとスーパーフリーを掛け持ちしているスタッフ(未逮捕者)から「スーフリでもマワしをやりましょうよ」と提案されたことであったという。スーパーフリーのメンバーは10人弱の「鬼畜班」と約40人の「和み班」に分かれ、前者は強姦の実行を担当し、後者は被害者の酔い潰しやブロッキングといった強姦の幇助と被害者の丸め込みを担当していた。中には「鬼畜班」と「和み班」を兼ねているメンバーもいた。被害者を丸め込むにあたり、輪姦終了後に缶コーヒーをおごる、ファミリーレストランに連れて行く、無理やり笑顔を作らせて写真を撮る、などの事後処理行為がおこなわれていた。後で問題になったとき、和姦を主張するためである。女性を酔い潰すに際しては「スペシャルサワー(又はスーパーヤリヤリサワー)」と称する高アルコール飲料(アルコール度数96のスピリタスを各種サワーに混ぜたもの)が常用され、スーパーフリー内部ではこの酒が「ノーベル賞ものの発明」と称えられていた。泥酔した被害者が昏睡状態に陥り、吐瀉物にまみれ、死体のように全く反応しなくなっても輪姦は続行された。スーパーフリーのメンバーたちは、女性を強姦した後「俺たちにはヤクザがついている」と被害者を脅して口封じしていたが、事実、暴力団幹部の息子と繋がりのあるハコ屋(クラブでのイベントの予約利権を握るイベントサークルOB集団)がスーパーフリーのバックにいたことを小野登志郎が確認している。スーパーフリー主催によるほぼ全てのイベントで強姦がおこなわれていたと第17回公判で被告人の一人が証言しており、強姦の被害者の総数は400名以上にのぼると報じられた。2002年からは大阪・名古屋・札幌・福岡に支部を設立して全国制覇を狙い、これらの支部のスタッフを交えて輪姦をおこなうこともあった。主犯が逮捕された後に他の被害者たちが名乗り出て約30件の被害届を提出したが、起訴された事件はそのうち3件に過ぎなかった。公判では、輪姦に参加した事実を検察に把握されつつも逮捕起訴を免れ、その代わりに検察側証人として法廷に立ったメンバーも存在した(司法取引)。スーパーフリーのスタッフは、輪姦への貢献度やチケットの販売枚数に応じて「1軍」「2軍」「3軍(ボーイズ)」の3つの階級に分かれており、階級が高いメンバーはスーパーフリーの公式ウェブサイトに顔写真入りのプロフィールを掲載できた。1軍の支部長クラスには、チケットの売上だけで月70万円を優に超える稼ぎがあった。主犯は1000万円以上の年収があったともいわれる反面、月額30万円以上の債務をも抱えていた。東京スタッフの1軍と2軍(事件発覚の段階では合計17人)は全員が直接・間接に輪姦に加わっていたが、被害者の中には泣き寝入りした者や自殺した者もいたため、17人の全てが逮捕起訴されたわけではなかった。犯行に加わった者の一部しか逮捕されなかったことについて、小野登志郎は「誰が見ても、不条理感が残るだろう」と批判している。スーパーフリーは男性だけの組織ではなく、「ギャルズ」と呼ばれる合計50~60人程度の女性スタッフにも支えられていた。彼女らは男性スタッフがチケットを売りさばくのを助けると共に、自らの知人女性をイベントに連れてきて男性スタッフに「献上」し、輪姦のブロッキングを幇助し、被害者の宥め役を担当していた。それらの貢献への見返りとして、「ギャルズ」は芸能プロや女性誌への紹介、金銭的報酬といった恩恵を受けていたといわれる。この「ギャルズ」もまた逮捕を免れた。早稲田大学文学部教授会は、代表者であった当時28歳の学生を7月1日付けで退学処分にしたことを発表。同様に在学者から逮捕者を出した、早稲田大学の政治経済学部、教育学部の両学部もこれに続き、両教授会は7月8日付けで、在籍する学生の退学処分を発表した。早稲田大学の学生不祥事調査対策委員会は、2003年7月31日付で合計約1000ページに及ぶ教職員向けの「第一次報告書」を作成している。この事件を契機に強姦罪内に集団強姦などの条項が新設された。2003年には自由民主党衆議院議員の太田誠一が本事件について「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい。まだ正常に近いんじゃないか」と発言したことが問題となり、日本国内のみならずBBCやCBSなどにも報道される国際的なスキャンダルとなった。この直後、太田は第43回衆議院議員総選挙で落選している。さらに、早稲田大学OBでもある自由民主党衆議院議員の福田康夫が首相官邸内における番記者たちとの懇談の席上、太田発言について「太田さんは謝っちゃったんだね……。(略)だけど、女性にもいかにも「してくれ」っていうの、いるじゃない。そこらへん歩けば、挑発的な格好してるのがいっぱいいるでしょ」「ボクだって誘惑されちゃうよ」「そういう格好しているほうが悪いんだ」「男は黒豹なんだから」などと発言してレイプを擁護したと報じられ、物議をかもした。2012年に、東京都内在住の元スーパーフリー男性スタッフが、グーグルの検索結果でスーパーフリー事件に関連するサジェストワード(予測検索語)を表示され、名誉を傷付けられて就職が困難になったと申し立て、グーグルのアメリカ法人を相手取り、検索結果の削除並びに損害賠償約1300万円を求める訴訟を東京地方裁判所に起こしていたことが明らかとなる。2013年4月15日、東京地裁で小林久起裁判長は原告の主張を一部認め、表示差し止めと30万円の賠償を命じたが、就職が困難になったとの申し立てについては退けた。この判決に対し米グーグル本社は控訴した。また、同様の裁判で2013年5月30日に東京地裁の本多知成裁判長が、また2013年10月30日に東京高裁の井上繁規裁判長が、それぞれ原告の請求を退けており、司法判断が分かれた。東京拘置所に収監された主犯は暇を持て余して別の被収監者と文通しており、その文面の一部が週刊誌に報道された。それによると、主犯はなどと語っていたという。
出典:wikipedia
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