『ゴッドファーザー』(原題: " )は、1972年に公開されたアメリカ映画。監督はフランシス・フォード・コッポラ。マリオ・プーゾの小説『ゴッドファーザー』の映画化作品。公開されると当時の興行記録を塗り替える大ヒットになり、同年度のアカデミー賞において作品賞・主演男優賞・脚色賞を受賞した。1990年にはアメリカ国立フィルム登録簿に永久保存登録された。第二次世界大戦が終わった1945年。イタリア系アメリカ人のコルレオーネ家はニューヨーク市郊外の高級住宅街の一角を占める。屋敷では主人であるドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の娘コニー(タリア・シャイア)の結婚祝賀宴が豪勢にとり行われていた。ガソリン配給優遇措置を受けるためのステッカーが貼られた高級車が敷地外に並び、太陽の下では故郷を同じくするイタリア人が老いも若きも陽気に歌い踊っている。一方、邸の隅にある書斎では昼にもかかわらずブラインドが降ろされている。花嫁の父はかすかに寂しげな表情を浮かべ古い友人たちを迎え入れる。葬儀屋でドンに娘の名付け親(ゴッドファーザー)になってもらっていたアメリゴ・ボナセーラは、ドンに代理の復讐を求めてきた。ドンはアメリゴに「自分は殺し屋ではない」と説明し、かつ長年自分のところに寄り付かなかったことを責める。だが「(マフィアであるドンに)借りを作ることが怖かった」と心情を吐露するアメリゴを寛大に許し、友情に従い誠実に対応した。この謁見を、ドンのコンシリエーリ(相談役)であるトム・ヘイゲン(ロバート・デュヴァル)は部屋の隅で無表情のまま見つめている。宴の中、海兵隊大尉の制服に身を包んだ三男のマイケル(アル・パチーノ)が、恋人のケイ(ダイアン・キートン)を伴い久しぶりに帰宅する。初めてマイケルの家を訪れたケイは彼の兄弟たち、大柄で快濶な長兄ソニー(ジェームズ・カーン)、大人しい次兄のフレド(ジョン・カザール)、それに血は繋がらないが兄弟同然に育った弁護士のトムを紹介される。突如現れた人気歌手ジョニー・フォンテーン(アル・マルティーノ)に目を丸くしてマイケルに種明かしをせがむ。マイケルはドンが非合法な手段によりこの歌手を救った過去を明かした。ドン・コルレオーネ、即ち彼の父が組織暴力のトップ「ゴッドファーザー」であることを率直に伝える。ソニーもフレドも組織の幹部であり、トムはコンシリエーレ(consigliere;顧問、相談役)として官房に携わっていたのだ。驚くケイに対しマイケルは、彼らは家族として重要な存在だが、自分はその家業には無縁であると誓う。ドンもまたマイケルが堅気の生活を送ることを望んでいた。自分の道を歩こうとするマイケルはケイと恋人同士の時間を過ごす。賑やかなマンハッタンの街中をデートする2人。ラジオシティ・ミュージックホールを過ぎようとした時スタンドで売られている新聞を見たマイケルは驚愕する。そこにはドン・コルレオーネが襲撃され重傷を負った記事が載っていた。この瞬間からニューヨーク五大ファミリーの一つとして地下帝国で栄華を誇ったコルレオーネ家の運命は悲劇の暗転を繰り返すこととなる。映画『ゴッドファーザー』の歴史は、マリオ・プーゾの小作品『マフィア』の映画化権を、パラマウント映画が買い取ったことから始まった。プーゾは『マフィア』を大幅に加筆して小説『ゴッドファーザー』を書き上げ、パラマウント映画から脚本の執筆も依頼された。原作はベストセラーとなり、映画化への期待も高まっていた。パラマウント映画は監督として、イタリア系のフランシス・フォード・コッポラを選んだ。当時のコッポラは批評家からの評価は高かったが、興行的にはまだ成功を体験していない、いわばマイナーな監督であった。コッポラは原作者のプーゾと組んで脚本を執筆していったが、その改稿が進む中で徐々に物語の中心が父ヴィトーから息子マイケルに移っていった。主人公であるヴィトー役には、プーゾが想定したマーロン・ブランドが起用された。ブランドは当時既に大物俳優であったが、落ち目と見られており、さらにわがままで現場をかき乱す俳優だと思われていたので映画製作者たちは敬遠した。ブランドは同作品の企画を知り、ヴィトー役に自分を売り込むため、自分のイメージ・フィルムをコッポラに送った。原作のヴィトーのブルドッグのような人相に見せるため口に綿を含んで顔を変え、渋みの演技が行えることを強調した。この努力が功を奏し、彼は見事ヴィトー役を獲得することが出来た。この時ブランドが結んだ契約条件は、出演料ゼロ、ロイヤリティーとして興行収入の数%を上限150万ドル付で支払う、ブランドの撮影中に起きた損害は全て自腹で負担させる、というものであった。さらに製作者側はマイケル役に当時若手のロバート・レッドフォードを起用しようとした。しかしコッポラは無名のアル・パチーノこそが適役と言って譲らず、もめにもめたすえにイタリア系(母方の先祖はシチリア島出身)のパチーノの起用にこぎつけた。この配役は結果的に成功だった。また、当時若手であったコッポラをサポートするために、スタッフにもトップクラスの人材が集められることとなった。コッポラは彼らとの綿密なミーティングを重ねた。撮影中はコッポラの作家主義によりトラブルも多かったが、結果的には最高の結果を残すこととなった。その中でも撮影監督であるゴードン・ウィリスと美術を担当したディーン・タラボリスの功績は大きかった。当初、コッポラは映画を125分の作品として編集したが、パラマウントは「こんな作品は予告編にしかならない。もっと長くしろ」と要求。コッポラは「普通はもっと短くしろと言われるものなのに長くしろなんて普通じゃない」と反論したが、結局177分の大作として公開された。コッポラは黒澤明監督作品である『悪い奴ほどよく眠る』(1960年9月15日公開)の、結婚披露宴から始まるという展開に感心して、本作でも採用した。1972年3月15日に全米で映画が公開されると爆発的なヒットとなり、『ジョーズ』(1975年)に破られるまでのハリウッドの興行収入記録を打ち立てた。批評家たちからも映画の内容を絶賛され、同年度の第45回アカデミー賞で作品賞を獲得した。続編の『ゴッドファーザー PART II』もアカデミー作品賞を受賞したため、今日に至るまで正編と続編でアカデミー作品賞を獲得した唯一の例としても有名。マーロン・ブランドはヴィトー役での年齢を重ねていく演技が絶賛され、アカデミー主演男優賞を獲得した(ただし、受賞は拒否)。アル・パチーノやジェームズ・カーン、ロバート・デュヴァルなど共演した俳優たちも、この作品によって一気にスターダムにのし上がった。2006年には『ゴッドファーザー』の世界観をモチーフにした同名のビデオゲームが、エレクトロニック・アーツより発売された。コッポラは本作を製作中にヒット作『フレンチ・コネクション』を鑑賞しており、その出来栄えを高く評価し、「同じマフィア映画でも、『ゴッドファーザー』は暗くて退屈で悲しい映画だ。男が座って会話する場面ばかりだ。『フレンチ・コネクション』のようにヒットすることはないだろう」と語っていたという。その後「本作が成功したのは私の力ではない。多くの優秀なスタッフに恵まれたからだ」と謙虚なコメントをしている。公開当時にはあまり知られていなかったマフィアの世界を一般に知らしめ、現在に至るまでそのステレオタイプを確立した映画である。マフィアを題材にした作品として抜群の知名度を誇るため、他の映画やテレビドラマ、ゲームなどでパロディにされることも多い。作中でしばしば繰り返される印象的なセリフ「奴が決して断れない申し出をする」(原文:I'm gonna make him an offer he can't refuse)は特に有名であり、ブランドの特徴的な話し方と共にしばしば物真似の対象となっている。2005年にはアメリカ映画協会選定の名ゼリフランキングの第2位に選出された。また、カクテルのゴッドファーザーはこの映画から名付けられたものである。『ゴッドファーザー』の第1作と第2作で「マフィアの暴力を間接的に礼賛している」として、映画の人気とは対照的に知識人たちから批判を受けたことをコッポラは告白している。評論家選定の映画ベスト100などのリストで、必ずと言っていいほど上位に名前が挙げられる作品である。以下は日本でのランキング
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