Powers of Tenは1968年に作られた教育映画、および書籍の名前である。家具デザインで有名なチャールズ・イームズとその妻、レイによって脚本が書かれ監督された。IBMの資金協力に寄っている。タイトルのPowersとは「力」の意味ではなく「べき乗」という意味であり、「10の力」ではなく「10のべき乗(10)」という意味である。最初、どこかの公園に寝転がっているピクニック中の男性の姿を真上からとらえている映像から始まる。正方形に区切られた映像は縦・横が1m×1mの範囲を見せている。10秒かけてカメラが上空へ上がっていき、その範囲は10m×10mとなる。次にはやはり10秒かけカメラはさらに上空から100m×100mの範囲をとらえる。このようにしてその範囲を拡大していき、ついには宇宙の果てともいうべきところまで後退する。今度は1分で元の1m×1mの世界へ戻り、逆方向……つまりカメラが人物に寄っていく。10秒かけて0.1m(10cm)×0.1mの世界へ(映像では手の甲がアップになる)。さらにどんどんミクロの世界へ突入していき、最終的には陽子や中性子の世界にまで入っていく(この時代にはまだ素粒子という考え方は一般には知られていない)教育映画として非常に評価を受け、日本国内でも学校教育で使われた。まだCGが存在しない時代、実写からアニメーションへの滑らかな移行技術は見るものを驚かせた。「Powers of Ten」にはカラー版とモノクロ版(パイロット版)が存在する。一般に見られているのはカラー版であり、舞台はシカゴであるが、パイロット版の舞台はマイアミであり、一部作りが雑になっている。両者のもっとも大きなちがいは、パイロット版にのみ、地球時間とカメラ時間(運動している観測者の系の時間)を表す時計があることである。この時計は、カメラが加速しながら後退していくとやがては光速に近い速度で動くことになり、特殊相対論の効果によってカメラ時間と地球時間がずれる(地球時間では長時間経過する)ことを表すものだった。カラー版を制作するとき、「これ以上の要素を入れると理解するのが難しくなる」との判断でこの時計は外された。このパイロット版は現在発売中のDVDに収録されている。新潟県立自然科学館がオリジナルのナレーションを日本語で吹き替えたものを制作し、過去に同館の天文コーナーで展示していた。また葛飾区郷土と天文の博物館ではその音声だけを館内の階段ホールで流していた時期があった。いずれも現在では終了している。
出典:wikipedia
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