『WXIII 機動警察パトレイバー』(ウェイステッドサーティーン きどうけいさつパトレイバー)は、『機動警察パトレイバー』の劇場公開アニメ作品第3弾である。2001年製作の日本映画。上映時間100分。日本公開は2002年3月30日。同時上映は『ミニパト』のシャッフル上映(1〜3話の内のどれか一作)。漫画版の「廃棄物13号」をモチーフにした作品である。しかしパトレイバーの映像化作品、特にテレビシリーズやOVAシリーズでは、人が死ぬ、およびケガをするシーンを極力避けるという方針だったこともあり、映像化が難しい部分だといわれていた。劇場版前作『機動警察パトレイバー 2 the Movie』までのProduction I.G、押井守の手を離れ、高山文彦の総指揮により製作された作品であるが、作画監督に黄瀬和哉が引き続き参加することで、画面上の統一性はある程度引き継がれている。企画は1993年に始まり、当初はOVAシリーズとして公開される予定だったが、フォーマットを劇場作品に移し、制作開始よりおよそ9年弱の年月を経て公開へと至った。製作は当初トライアングルスタッフが請け負ったが、同社の解散に伴いマッドハウスに移された。内容は、従来の劇場版パトレイバーの特色であるリアルタッチの世界観を引き継ぎつつも新たに構築されたスピンオフ作品といった趣で、従来主人公であった特車二課の面々は脇役となり、事件を追う刑事たちが主人公となっている。背景を支える世界観の構築には相当な注意が払われており、パトレイバー世界のガイドラインに倣った緻密な設定と画面演出が組まれている。また、演出面においてもキャラクターの細かい仕草や動作などを丹念に描き、そこにセリフでは敢えて語られない伏線を張るなど、観客に集中力を要求する手法が使われている。それまでパトレイバーの年代設定は西暦表記が用いられてきたが、今作では「昭和75年」という表記が用いられている。これは、本編公開時点で現実の年代がパトレイバーの年代設定を追い越してしまったことに対する処置として、本作の作品世界に『現実と異なる歴史を歩んだパラレルワールド』としてのニュアンスを持たせた設定である。だが、それは同時に従来の各シリーズに対してもある程度の距離を置くための物として機能している。非公式ながら劇場版1作目と2作目の間に位置する世界観を想定して製作が進められたとのスタッフの証言もある一方、実際には劇場版1作目、2作目とTV版の登場人物や設定などが随所に混在し、この劇場版3作目はどの時間軸にも繋がっているとも、繋がっていないともいえる。ただしこの曖昧な位置づけはあくまで製作側が意図したものであり、公開時のコピーである「この作品はパトレイバー3ではなく、第三のパトレイバーである」からも、そのことがわかる。また出渕裕が、SF作家の間で一次期流行った『終わらない昭和』を企画当初から採用しており、西暦表記の裏で実は昭和だったとも語っている。全体のテーマを含む方向性を総監督の高山が構築し、監督の遠藤は現場や実作業における文字通り監督を務め、スーパーバイザーの出渕裕、脚本のとり・みきらと共に従来のパトレイバーシリーズとの橋渡し的な役割にも尽力した。出渕は本作品についてアニメで怪獣もののテイストを試してみたかったがオリジナル企画では通らないためパトレイバーにしたと述べており、怪獣映画の可能性についての提言であると同時に自身が子供の頃に好きだったジャンルへの恩返しであると位置づけている。従来のシリーズでキャラクターデザインを担当した高田明美はゆうきまさみと共にキャラクター原案として名を連ね、今回はテレビシリーズの作画を担当していた高木弘樹が抜擢されている。作業的には高田、ゆうき、出渕らヘッドギアのメンバーが提出した人物・衣装のラフデザインを高木の手で統括し、「従来の劇場シリーズの雰囲気はもたせつつ、あまりハードな方向に振らないように」をコンセプトにクリンナップするというものだった。しかしおよそ9年の間に本作の作業状況が変化していく過程で、高木が現場を離れなければならなくなったことと、後に黄瀬和哉が作画監督として加わった経緯などから、完成した画面上のキャラクターは黄瀬の個性が色濃く出ている。メカデザインに関しては従来の劇場版シリーズ同様カトキハジメ、河森正治、出渕の3人が担当。しかし、本作に登場するメカニック設定の多くは過去のテレビ、劇場版シリーズのものを多数流用しているので(一部のキャラクターに関しても同様)、新規に描き起されたものはカトキによる水中レイバー群とインフラ関係、河森による車両が主なものである。これまでメインメカデザインを担当した出渕は、本作においては一歩退いた立場で関わり、総監修的な役割で指示を出したという。このことから、メカデザインのスタッフに関してはカトキを筆頭にクレジットされている。ある日、東京湾に輸送機が墜落する。その後湾岸の各所で何者かによってレイバーが襲撃される事件が連続して発生。警視庁城南署の刑事、久住と秦は各所で聞き込み捜査を進め、墜落事件の後に巨大なハゼが釣れていたこと、墜落した輸送機の貨物コンテナに不審な点があること等を突き止める。その後、6月8日の雨の夜に若者の集うディスコクラブ「バビロン」で車に乗ったカップルの惨殺死体が発見される。時を同じくして近隣にあるバビロン工区の水上コンテナ備蓄基地で突如警報が作動し、停電と共に内部の職員と連絡がとれなくなる事態が発生。近くを走行中のパトカー(城南4)に偶然乗っていた久住と秦は、警備員の通報を受けパトカーに乗る警官らと共に現場に急行。施設内部へと分け入る。しかし、そこで彼らが遭遇したのは廃棄物13号(WXIII)と名付けられた異形の怪物だった。※各登場人物の詳細は機動警察パトレイバーの登場人物を参照。劇中の設定は昭和75年(西暦2000年)の春から夏にかけて。冒頭からラストシーンまで約四ヶ月あまりに渡る物語である。本編では時間の流れがスピーディーに編集されており、登場人物の口からも時節を詳しく語らない演出方法を採っているが、登場する新聞記事や事件資料、また本作の関連商品の解説等から、当然の事ながらスケジュールが綿密に設定されている事がわかる。※原作では泉野明達と13号が基地で遭遇したのを1999年7月と設定している。判りやすさを考慮し西暦で表記。本編には第二小隊のメンバーの他にも、『パトレイバー』の他のシリーズからのゲストキャラがモブシーンに多数登場する。
出典:wikipedia
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