数学の結び目理論の分野において、ジョーンズ多項式 (Jones polynomial)は ヴォーン・ジョーンズが1983年に発見した多項式不変量である。明確に言うと、ジョーンズ多項式は向き付けられた結び目 または 絡み目の結び目不変量で、整数を係数とする formula_1 の ローラン多項式 で与えられる。ジョーンズの発見以来、後述のように数学・物理学のさまざまな話題との関係が発見され議論されている。正則表示 の形で与えられた、向き付けられた絡み目 "L" をとる。これに対してカウフマン()の ブラケット多項式 (formula_2 で表す)を用いて ジョーンズ 多項式 "V(L)" を定義しよう。 ここでブラケット多項式は整数を係数とする不定元 "A" の ローラン 多項式であることに注意する。まず、formula_3多項式(正規化ブラケット多項式とも呼ばれる) formula_4 を定義する。ここで "w(L)" は "L" の与えられた表示でのねじれ数を表す。ある絡み目の表示のねじれ数は、正の交差の個数(下の図の "L")から負の交差の個数("L")を引いたものである。ねじれ数自身は結び目不変量ではない。"X(L)" は結び目不変量である、なぜなら "L" の表示を三種類の ライデマイスター移動で変化させても "X(L)" は変わらないからである。ライデマイスター移動 II、III に対する不変性はブラケット多項式がこれらの変形に対して不変であることから従う。ブラケット多項式はライデマイスター移動 I によって formula_5 倍だけ変化することが知られている。ねじれ数はライデマイスター移動 I で丁度 +1 または -1 変化するので、上記で与えた "X" 多項式はこの変形に対して変化しないように定義されている。"X(L)" にformula_6 と代入することで ジョーンズ 多項式 "V(L)" が得られる。結果として ジョーンズ 多項式は整数を係数とする formula_1 を不定元としたローラン多項式になる。ジョーンズによるジョーンズ多項式のもともとの定式化は彼の作用素環の研究に由来する。ジョーンズ のアプローチにおいて、それはある代数(統計力学における Potts模型 のようなある種の模型に由来)への組み紐の表現のある種の "トレース" から生じた。絡み目 "L" が与えられたとせよ。J.W. アレクサンダーの定理によると、"L" はある組み紐("n" 本の紐を持つとする)のトレース閉包である。"n" 本の紐を持つ組み紐の群 formula_8から、formula_9 を係数とする テンパーリーリーブ代数 "TL" への表現 formula_10 を定義しよう。また formula_11 とする。組み紐の標準的な生成元 formula_12 を formula_13 に写すとする(formula_14 はテンパーリーリーブ代数の標準的な生成元)。これが表現になることは簡単に確かめられる。"L" から得られる組み紐群の語 formula_15 をとり、formula_16 を計算する("tr" は マルコフトレース)。この量はブラケット多項式 formula_17 を与える。このことは カウフマンが行ったように、テンパーリーリーブ代数をある図式の代数とみなすことによって得られた。このアプローチの利点は、他の代数への表現で同じように不変量を考えられることである。実際、量子群の "R"-行列と線形表現や岩堀-ヘッケ代数の表現を使った数多くの不変量が定義され考察された。ジョーンズ 多項式は、次の二つの関係式によって特徴付けられる。
出典:wikipedia
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