株式会社ゼンリンは、日本最大手の地図制作会社である。住宅地図を唯一全国展開する。紙媒体の地図やGISなど電子地図の製作・販売のほか、Google マップやYahoo!ロコをはじめとする地図検索サービスにもデータを提供している。国内外のカーナビゲーションにもデータを提供し、日本国内市場の8割を占める。大分県宇佐市出身の大迫正冨(1921年6月16日 - 1980年5月23日)は、若くして中国大陸に渡り華北交通に勤務していたが、太平洋戦争の敗戦により、1946年2月、家族と共に故郷の宇佐市に引き揚げた。1947年には別府市で様々な事業を手掛けるが失敗し、1948年4月に引揚者有志と共に「観光文化宣伝社」を創業。専務取締役として出版部門を担当した。同社は別府市内で宣伝や観光案内などの事業を行ったものの半年ほどで解散し、正冨は出版部門を引き継いで翌1949年「華交観光協会」を設立。観光客向けに名所旧跡を紹介する小冊子「年刊別府」(1949年6月16日発行)を制作する。正冨は調査や編集全般を自ら指揮し、巻頭には脇鉄一別府市長が序文を寄せた。こうして販売された「年刊別府」であったが、利用者から好評を博したのは本編よりも巻末付録のカラー印刷の詳細な市街地図であり、市役所を始め、旅館や商店から地図への掲載要望が相次いだ。「年刊別府」に手応えを感じた正冨は、翌1950年に社名を「善隣出版社」と改め、2冊目となる「観光別府」(1950年4月15日発行)を制作する。「観光別府」では付録の地図情報が一層充実し、施設や店舗の記載が増えるなど、住宅地図に近いものとなった。これら2冊の成功や、江戸時代の古地図や戦前の町内案内図、さらには住民からの徴税に頭を悩ませていた学友で熊本国税局の新保實生との交流から着想を得、正冨は一軒一軒の建物の情報が記載された地図の制作に思い至る。別府市内で調査を実施し、1952年6月に「別府市住宅案内図」として販売された。これが商店をはじめ官公庁など各方面で好評を博し、発行地域は別府市以外へと広がっていった。1954年3月には販路拡大を目指して福岡県小倉市下到津(現在の北九州市小倉北区)へ移転し、「住宅案内図」の名称も「住宅詳細図」へと改めた。しかし、正確な測量なしの製図では信頼性が低いことが課題となった。大迫は幼馴染で建設省の技官であった友人から国が撮った航空写真の存在を知り、これを活用することで地図の精度を向上させた。以後、九州から自社による拡大、同業他社の事業継承や合併などを経て、北方領土と小笠原諸島以外の全国に調査エリアを拡大し、住宅地図の出版に至った。この住宅地図調査の最大の難関は秋葉原の電気街の小口商店だったという。また広大な北海道は地元の消防団員が協力した。電子地図サービスは連結子会社のゼンリンデータコムにより提供されており、Google、Yahoo! JAPAN、MSN、NAVITIMEなど、主要ポータルサイトに電子地図サービスを提供している。
出典:wikipedia
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