ロンド ハ長調は、フレデリック・ショパンが1828年に作曲した作品。生前には発表されず、遺作としてショパンの死後の1855年に出版された。初めはピアノ独奏曲として書かれたが、作曲後すぐに2台ピアノの作品に編曲された。ショパンが知人のティトゥス・ヴォイチェホフスキへ宛てた同年9月9日付の手紙では、マゾフシェ県のサンニキ()で編曲を行ったこと、知人のモーリッツ・エルネマン(Moritz Ernemann)とブッフホルツ(Buchholtz、ピアノ製造業者)の家で演奏したらかなりうまくいった、と報告されている。その後、エルネマンが不在になったらしく、同年12月27日付の同じくヴォイチェホフスキ宛の手紙では、この曲は『孤児』となっていたが、1ヶ月で演奏をマスターしたユリアン・フォンタナが『義父』となった、と報告されている。この事実は、エルネマンが「生みの父親」、つまりショパンへ編曲を勧めたのではないか、という示唆を与えるものとなっている。ショパンの死後、この編曲版にはフォンタナにより、遺作として作品番号73が与えられた。ピアノ独奏版は1954年になってパデレフスキ版として初めて出版された。ここでは独奏版と2台版の両方を比較しながら記述する。Allergo maestoso、4分の4拍子-4分の2拍子。走句と和声的な部分の対比からなる24小節の序奏を経て、音階の上昇と下降を基調とした主題が現れる。明確に2つのエピソード主題を持つ。移行部ではイ短調となり、3連符の急速なパッセージとなり、そのままイ短調のエピソードへと流れ込む。ホ長調の経過句を経て、物悲しい旋律の第2エピソードへと続く。再現部はロンド主題が変ホ長調へ展開され、転調を経て、やがてエピソードが次はホ短調で再現される。3回目の再現は今までより短くなっている。コーダは3連符を基調としており、華やかに終結する。演奏時間は約9分。基本的な内容はほとんど変わらないが、対比するパッセージを分奏させたり、主題に装飾を加えたり、内声部の充実が図られている。それにより、平面的だった独奏用に比べて立体感が増した。最も大きな変更点は第1エピソード主題における対旋律の追加である。独奏用では単なる3連符のパッセージに過ぎなかったものに旋律が浮かび上がる仕掛けになっている。
出典:wikipedia
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