999号(スリーナインごう)は、『銀河鉄道999』『銀河鉄道物語』に登場する架空の列車。また『銀河鉄道999』に登場するメカ(車両)についても同様に解説する。999号は、銀河鉄道の運行列車の中では最速の特急列車(銀河超特急)として設定される。999号を牽引する動力車はC62形蒸気機関車と同じ外見をしている。客車はスハ43形、またはオハ61形、また原作やテレビアニメ版の一部ではモハ51系電車を模している。基本的に客車の数は決まっていないが、概ね9両から15両で構成され原作の後半と劇場版では、最後尾に展望車が連結されている。TV版では車種を問わず最後尾まで同じ外観の車両が使用されている。また作品中では999号はしばしば外部の攻撃を受け、損傷した車両をその場で切り捨てたりしているが、物語が進むにつれ編成がだんだん短くなっていくということはない。銀河鉄道シリーズに出てくる999号以外の列車の多くがモダンや超次元、未来系の形をしているのに対し、この列車だけが旧式の蒸気機関車列車を模倣している理由について、メーテルは「二度と帰らないお客のためには、こんな演出も必要」と説明している。また、999の停車駅で昭和30年代の日本の町並みがそのまま残っているような星では銀河鉄道の存在が公にされていない場合があり、そうした星ではまだ蒸気機関車が現役であることから999はその外見をカモフラージュとして利用している。999をはじめとする銀河鉄道の車両は、停車駅である惑星の上空を走行しているところを地上から見上げると、アニメでは空中を光の帯となって飛び去っていくように見える場面が随所に見られる。機関車は機関士や機関助士の乗務を必要とせず、機関車自身に組み込まれた人工頭脳が各種の判断を行い、走行する。また蒸気機関車のボイラー内部に当たる部分に各種の機械設備が内蔵されており、焚口戸にあたる部分から中へ入ることが可能で、乗客はパスを持っていれば自由に入ることができる。人工頭脳により乗客や車掌、銀河鉄道の指令とも会話可能なほか、メーテルらには「機関車さん」と呼ばれることもある。緊急時には、石炭をボイラールーム(同「知力燃料室」)にくべて機関を発動させる事も可能で、このときは車掌と鉄郎が協力して手動運転する。客車にも宇宙空間での増解結に備えて自走能力が備わっているが、あくまで補助用のもので基本的には動力集中方式である。牽引機はC62形蒸気機関車をベースとしている。プレートには原作版や劇場版では48号機、TV版は50号機と描写される。また、エターナル編では多数のコンバージョンがつかず離れず併走しており、緊急時には複数の機関車が合体して出力を上げることがある。人工知能には外宇宙の遺跡から発見された技術が採用されている。この人工知能は「銀河鉄道の規則に則り、正確に999号を運行するために存在する」とされているが、その割には鉄郎に対し咄嗟に嘘をつく(『C62の反乱』)、車掌と喧嘩した挙句すねて乱暴な牽引になる(『心やさしき花の都』)、自分の行動に後から疑問を抱き車掌に諭される(『ヤーヤボールの小さな世界』)など、感情的になる姿がしばしば見られる。TVアニメでは鉄郎の知人を助ける為に空中戦に介入したこともある(『キリマンジャロの鳥人』)。またプライドが高く、銀河鉄道で最も速いことを誇りとしており、劇場版2作目で幽霊列車(原作では機械超特急)に初めて進路を譲らされた際には、大きなショックを受けていた。声優はTVアニメ版・山田俊司→戸谷公次、劇場版第2作『さよなら銀河鉄道999』・柴田秀勝、劇場版第3作『エターナル・ファンタジー』・山寺宏一。1年に1往復されており(『銀河鉄道大時刻表』では4年に1度)、地球 - アンドロメダ間を結ぶ列車の最上位に位置づけられている。終着駅の駅名は原作・劇場版2作目では「大アンドロメダ」、TV版では「惑星プロメシューム」、劇場版1作目では「惑星メーテル」である。往復列車であり、時刻表にもそのように案内されているが、上り列車(アンドロメダ発)は実際には旅客の取り扱いを行っておらず、実質的には回送状態である。ただし、メーテルだけは特例で乗車しているほか、作中での終着駅崩壊後の上り列車では鉄郎や避難する他の乗客も乗車できた。エターナル編では終着駅の消滅ということもあり地球 - エターナル間に変更されている。途中で地球も破壊されてしまうが、廃止の手続きは取られておらず実質の運行区間は大テクノロジア - エターナル間に短縮、休止扱いとされている様子。エターナル編の第一話冒頭にて、車掌がメーテルに「なぜ行き先を変更して地球に降りるのか」と質問したことから、その運行にはある程度メーテルの意思が反映されているようである。松本作品においては、発表時期により解釈・設定が変更されているところもあるので、注意を要する。牽引する機関車はC62形である。同形式は実際に特急に用いられた日本国有鉄道最大の蒸気機関車であり、49両がD52形のボイラーを流用して製造された。また、作者が晩年の山陽本線、常磐線でのシーンが情緒的という思い出も深くあることから、このC62が選ばれた。車号に関しては、漫画原作では実在した48号機とされた。そのプレートを原作者松本零士がコレクションとして所有していたためである。汽笛の音も、日本の蒸気機関車らしい音色で設定されている。なお、この48号機は現役当時は常磐線にて平機関区に配置され、日本における蒸気機関車最後の定期特急仕業となるブルートレイン「ゆうづる」牽引の栄誉を授かった1機だった。テレビシリーズでは実車の最終番号(49号機)に続く架空の50号機とされており、OPでは毎回汽笛と共にヘッドライトを灯す際に「C62 50」というナンバーが堂々と映るシーンから始まる。劇場版製作では国鉄(当時)とのタイアップも成立し、上野駅 - 烏山駅間に臨時列車として999号(EF65形1000番台牽引による12系客車(どちらも車体裾に「999」のロゴ入り))が走ったこともあって、ミステリー列車的な999号にふさわしい番号を、ということで4に関連する組み合わせの48号機に戻された。またTVスペシャル3作品のOPの前半にはSLやまぐち号を牽引する蒸気機関車C57 1の映像にアニメ版の999号のマークを合成したものが使用されている。原作版、アニメ版、劇場版それぞれのC62形は全て微妙に異なっている。アニメでは999号が実際に動輪を動かすため、その動きにも作品ごとに特徴がある。実際のC62の動きとして正しいのは1.と思われる。C62は動力逆転器(加減リンクと向心棒を動かす為に逆転機ハンドルが逆転棒の先で圧縮空気で作動するアクチュエーターと繋がっており逆転機ハンドルでそれを制御することにより釣りリンク腕と釣りリンクを経由して向心棒を動かし加減リンクも動かす)を装備しているため、乗員は比較的楽に出力を制御できたからである。ただし毎週放映のテレビアニメという性質上、実際の映像はセル画枚数の抑制もあり、必ずしも上出来とはいえない。2.はC58形等の中型機で起こしやすい現象だったが、C62で無縁だったとはいえず、おかしくはない。また、劇場版ということで描写を細かく行っており、質はもっとも高いと言えよう。3.は、缶圧(蒸気、ひいては水と燃料)の無駄である上、動輪を傷める結果になるため絶対にやらない。1.および2.の描写は、テレビ版および劇場版第1作・第2作の製作スタッフがかなりの年齢になるまで、現役で稼動している蒸気機関車を見て育っている世代であり、中型 - 大型の蒸気機関車の動きを知っていたからで、アニメ製作に当たっては製作スタッフが実際に梅小路蒸気機関車館に動態保存されているC62 2号機(通称「スワロー・エンゼル」)を取材したと言われる。それに対し3.の描写は、近年の作品のスタッフはほとんどが蒸気機関車を知らないか、知っていても小学校低学年程度までという世代であり、大型蒸気機関車の動きを知らなかったためである。999号はメーテル曰く「演出」としてC62形蒸気機関車の形状を模したものであり、実際には「高度な科学技術で作られた超近代化宇宙列車」なのであるから、必ずしも実際のC62同様に動く必要はないともいえる。とはいえ停車駅の構内では通常の駅同様に線路があり、緊急時など垂直に離着陸する場合を除き惑星内の軌道への進入時には動輪を使用している。宇宙空間の空間軌道上でも基本的に走行中は動輪も駆動しており、また空転で引き出しが出来ない描写もあった。TV版および劇場版第2作では急減速時に車輪から火花が散っている。原作ではトラブルに見舞われたとき、「シリンダーが動かない」「ピストンが動かせない」と機関車が悲鳴を上げる場面もあった。111 - 888までのゾロ目の8種類の列車はTVアニメ化時に設定され、オープニングやアイキャッチでも111 - 999が登場する映像が何種類か作られている。また999も含めた9種類の列車の先頭車と999を除く後尾車の側面(設定画上では999にも)には、数字部分のみ異なる共通のマークが付いている(111・555・777には、マークがなくマークがある位置に3桁の数字のみが描かれた設定画もあり、999にも3桁の数字の後ろにGのマークが描かれた設定画もある)。また、9種類の列車編成も設定画として描かれており客車も車種(郵便車や救急・医療車等)によって1両ごとに外観が異なっているが、アニメでは後尾車を除き(999では後尾車も)すべて同じ外観の客車になっている。また888号の最後尾車両には2種類の設定がある。走行路線や愛称も設定されているが、アニメでは111 - 888の同型車両が設定された路線以外にも、複数の路線で使用されているように描かれている。このため原作と異なり、TVアニメで999号とすれ違う列車は、ほぼ111 - 888のいずれかであり、補助機関車にも444の機関車の重連および666の機関車が設定されている。ただし例外的にこれ以外のデザインの列車も登場している。第1話ではアニメオリジナルデザイン(原作アンドロメダ編の列車同様車輪がない)のどれにも属さない列車が描かれている。第30話ではC62よりも旧式の外観をした幽霊列車(劇場版第2作とは別物、詳細は後述)が登場している。第81話では惑星ヘビー・メルダーのステーションに何種類もの列車が停車している光景が描かれている。下記の表にも記しているように、各列車には「スリー・ワン号」「スリー・ツー号」などの車両自体の愛称の他に「エメロード1号」「ビオナス2号」など走行路線の行先などにちなんだの愛称も設定されている。しかし劇中ではこれらの愛称は用いられず、「スリー・ワン」「スリー・ツー」などと呼ばれている。また路線もマゼラン連絡線の666が999とすれ違った例外を除けば、大銀河本線も含めてこれらの路線名が劇中に登場したことはない。また、アニメのスポンサーであるポピーから「スタートレインシリーズ」として商品化されており(111、333、444、666、888は機関車のみ。222、555、777、999は機関車・客車・戦闘車の3両ずつ)、バンダイも111、666、888を除き、プラモデルでキット化している。Nゲージ鉄道模型では999(TV版、劇場版とも)がマイクロエースから製品化されている。タイトーからはアミューズメント景品のスーパーメカニクスで、TV版と劇場版の999号が商品化された。ちなみに999関連では他にもアルカディア号(髑髏艦首版)、クイーン・エメラルダス号も商品化されている。設定は他の媒体とほぼ同じく大銀河本線を走る銀河超特急であるが、銀河鉄道の管理する1000本の列車には含まれないとされている。OVAでは地球からエターナルへ向かう途中の999号が登場するが、オリジナルと比べると全体的に性能が落ちている。
出典:wikipedia
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