『私を野球に連れてって』(わたしをやきゅうにつれてって、)は、アメリカの古いノベルティソング。1908年に作曲され、以来野球文化圏の野球ファンの愛唱歌となっている。MLBの試合においては、この歌を7回表終了時に歌う習わしがある。この時にはスタンドの観客は立ち上がって歌を歌い、同時にちょっとした背伸びや運動をして観戦で固まった身体をほぐす。これを「セブンス・イニング・ストレッチ」(Seventh inning stretch、7回でのストレッチ)と呼ぶ。また、延長14回まで試合が長引いた場合は、14回表終了時にも歌われる。「セブンス・イニング・ストレッチ」などとも言われるのは、1910年にワシントンで行われた公式戦開幕試合でウィリアム・ハワード・タフト大統領が7回の攻撃時に背伸びをして立ち上がったのを見て、ファンがそれをまねしてこの楽曲を歌ったことからとされる。歌の内容はケイティ・ケイシー(Katie Casey)という野球狂の女性が、彼氏のショー観劇の誘いも断って「野球に連れてって」と頼むというもの。歌詞は、1908年に作られたものと1927年に作られたものとで2つ存在しており、1927年に作られたものでは、歌詞に登場する女性がケイティ・ケイシーからネリー・ケリー(Nelly Kelly)という名前に変わっているが、実際の球場でよく歌われるコーラス部分には歌詞の変更はない。歌詞の中に、球場で販売されることの多いクラッカー・ジャックとピーナッツが登場する。1949年には、この歌を元にした同名の野球ミュージカル・コメディ映画(日本未公開。『私を野球につれてって』のタイトルでDVDが発売されている)がMGMで製作されている(バスビー・バークレイ監督、主演ジーン・ケリー、フランク・シナトラ、エスター・ウィリアムズ)。映画の中でケリーとシナトラが、この曲を歌い、また、曲に合わせてタップダンスを披露している。日本でも東京ドーム、千葉マリンスタジアム、ほっともっとフィールド神戸でのプロ野球試合で、マスコットのダンスと共に演奏されているほか、かつて東京ドーム、阪神甲子園球場及び広島市民球場では日本語歌詞の付いた楽曲が流されていた。その他の球場でも、試合の合間などにオルガン等などでよく演奏されている。2015年3月13日からは、東京ドームの最寄駅である東京メトロ南北線の後楽園駅で発車メロディ(スイッチ制作)として用いられている。1999年には大友康平が訳詩でカバーしたシングルをリリースし、前述の東京ドームの日本語版の演奏に使用された。2015年に遊助が「Take me out to the ball game〜あの・・一緒に観に行きたいっス。お願いします!〜」として日本語カバーしたが、この曲の歌詞は訳詞ではなく、遊助が独自に日本語歌詞をつけたものである。作詞者ジャック・ノーワース(Jack Norworth)、作曲者アルバート・フォン・ティルザー(Albert Von Tilzer)は、20世紀初頭のヴォードヴィル業界で活動していた音楽家コンビである。この歌はノーワースの妻ノーラ・ベイズが歌い、ヴォードヴィル・ショーとレコードからヒット、楽譜は当時のベストセラーになった。ところがここに信じがたい逸話がある。作詞者のノーワース、作曲者のティルザーは、実は共にプロ野球の試合を見たこともなく、ティルザーに至っては野球のルールもろくろく知らなかった。ノーワースが野球試合開催の広告をニューヨークの地下鉄車内で見かけ、野球場の最寄り駅に到着するまでの間にその場の思いつきで作詞した代物だったのである。ティルザーが初めて野球観戦に出かけたのは、作曲の実に20年後だった。
出典:wikipedia
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