フレデリック・マイケル・リン（Frederic Michael Lynn, 1952年2月3日 - ）は、MLBの元選手。ポジションは外野手（中堅手）。アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身。のMLBドラフトニューヨーク・ヤンキースから3巡目で指名を受けるが契約せず、南カリフォルニア大学に進学。のMLBドラフトでボストン・レッドソックスから2巡目に指名を受け入団。9月5日のミルウォーキー・ブルワーズ戦でメジャーデビュー。9月15日の同カードでメジャー初安打を本塁打で飾るなど、打率.419・2本塁打を記録。は開幕メジャー入りを果たし、6月18日のデトロイト・タイガース戦で3本塁打・1三塁打・1単打の計5安打を放ち10打点、リーグ記録の16塁打。前半戦で打率.342・16本塁打・71打点を記録し、オールスターゲームに初選出される。最終的にリーグ2位の打率.331・21本塁打・105打点、いずれもリーグトップの47二塁打・103得点・長打率.566・OPS.967の大活躍で、同じくルーキーでチームメイトのジム・ライスと共に「Gold Dust Twins」と呼ばれ、チームの地区優勝の原動力となる。ワールドシリーズ3連覇中のオークランド・アスレティックスとのリーグチャンピオンシップシリーズでは打率.364を記録し、チームは3連勝で8年ぶりのリーグ優勝。シンシナティ・レッズとのワールドシリーズでは第6戦で先制の3点本塁打を放つなど活躍を見せるが、チームは3勝4敗で敗退し57年ぶりのワールドチャンピオンはならなかった。オフに史上初めてMVPとルーキー・オブ・ザ・イヤーを同時受賞し（後にのイチローが2人目となる）、ゴールドグラブ賞も獲得した。は打率.314を記録するが、本塁打は10と前年から半減した。は故障で出遅れ、復帰後も調子が上がらず打率.260に終わる。は前半戦で打率.331を記録。後半で調子を落としたが打率.298・22本塁打の成績。チームは一時ヤンキースに最大14ゲーム差を付けたが9月に逆転され、シーズン最終戦で同率に並んだもののワンゲームプレイオフで敗れて地区優勝を逃した。は前半戦だけでそれまでの自己最多を位更新する24本塁打・75打点を記録するなど好調で、最終的にいずれもキャリアハイの打率.333・39本塁打・122打点・177安打・出塁率.423・長打率.637・OPS1.059を記録し、首位打者のタイトルを獲得。MVPの投票でも4位に入った。は5月13日のミネソタ・ツインズ戦でサイクルヒットを達成するが、8月28日を最後に故障で離脱し、12本塁打・61打点に留まった。少年時代を過ごした西海岸でのプレイを望み、1月23日にジョー・ルディ、フランク・タナナら3選手との交換トレードで、1選手と共にカリフォルニア・エンゼルスに移籍。1981年は50日間に及ぶストライキでシーズンが中断され、再開後は打率.131・0本塁打と極度の不振に陥り、打率.219・5本塁打とキャリアワーストの成績に終わった。は打率.299・21本塁打・86打点と復活し、チームの3年ぶりの地区優勝に貢献。ブルワーズとのリーグチャンピオンシップシリーズでは打率.611・1本塁打の大活躍。チームは2連勝後に3連敗を喫し後一歩でリーグ優勝を逃したが、活躍が評価されて史上初めて敗退チームからシリーズMVPに選出された。は9年連続でオールスターゲームに選出され、3回に史上初（現在でも唯一）の満塁本塁打を放ち、オールスターMVPを受賞。9月8日を最後に離脱するが、22本塁打を記録した。オフにフリーエージェントとなり、12月11日にボルチモア・オリオールズと契約。は23本塁打・68打点を記録するがキャリアワーストの100三振。は前半戦で打率.316を記録するが、後半戦で失速し打率.287・23本塁打・67打点。は4年連続の23本塁打を記録。20本以上で同じ本塁打数が4年続いたのは - のケン・ボイヤー以来で、現在でもこの2例のみ。はチームが開幕21連敗と出足から大きく躓き地区最下位に低迷。8月31日に後日発表の2選手を含む3選手との交換トレードで、地区優勝を争っていたタイガースに移籍。ポストシーズンの出場資格を得るには、8月31日中にチームに合流（滞在先へ移動）しなくてはならず、すぐに遠征先のアナハイムから飛行機に乗ってタイガースの遠征先シカゴに向かったが、飛行機が遅れて到着は9月1日の午前0時を過ぎていた。このため出場資格を失うが、メジャーリーグ選手会が「選手が合流しようと努力しているのに、資格を奪うのはやりすぎ」と訴え、当時のピーター・ユベロスコミッショナーが出場を許可したが、チームは9月に入って失速し地区優勝を逃した。9月25日の古巣オリオールズ戦では9回に代打逆転満塁本塁打を放った。は9月4日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦でブレット・セイバーヘイゲンから通算300本塁打を記録するが、打率.241・11本塁打に終わる。オフにフリーエージェントとなり、12月6日にサンディエゴ・パドレスに移籍。初のナショナルリーグでのキャリアとなったは開幕戦で本塁打を放つが、その後は控えに回ることが多くなり、同年限りで現役引退。故障がちなこともあり、1978年以外は150試合以上に出場したシーズンは一度もなかった。通算306本塁打は、中堅手としてはウィリー・メイズ、ケン・グリフィー・ジュニア、ミッキー・マントル、デューク・スナイダー、デイル・マーフィー、ジョー・ディマジオ、ジム・エドモンズに次ぐ記録である。MLBオールスターゲームでの通算本塁打は4本で、スタン・ミュージアル（6本）に次ぐ歴代単独2位。

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