ヘスペリデス()は、ギリシア神話に登場する美しいニンフたちである。「黄昏の娘たち」という意味。ヘスペリデスは複数形で、単数形はヘスペリス()。ヘーシオドスの『神統記』では夜の女神・ニュクスが1人で生んだ娘たちとされるが、一般的にはアトラースの娘として知られ、プレイアデス、ヒュアデスがプレーイオネーとの娘たちとされるのに対し、ヘスペリデスはヘスペロスの娘であるヘスペリスとの間に生まれた娘たちであり、母の異なる姉妹関係になる。ヘスペリデスは世界の西の果てにある「ヘスペリデスの園」に住んでいる。その近くでは、父アトラースが天空を背負って立っている。「ヘスペリデスの園」にはヘーラーの果樹園があり、ヘスペリデスは果樹園に植えられた黄金のリンゴの木を世話して、明るい声で歌を歌っている。リンゴの木は、ゼウスとヘーラーの結婚の祝いとしてガイアが贈ったものである。しかし、ゼウスがこのリンゴを採っては恋の贈り物としてばらまいてしまうため、ゼウスの手が届かないように、アトラース山の頂にある果樹園にヘーラーが移し植えたとされる。木の世話をしているヘスペリデスがリンゴを盗んでいるのを見つけたヘーラーは、百の頭を持つ竜(または蛇)・ラードーンに木の周りをぐるぐる巻き付かせ、番をさせることにした。「ヘスペリデスの園」は、主にペルセウスのメドゥーサ退治の伝説、ヘーラクレースの11番目の功業の物語の舞台となった。ヘーラクレースが持ち帰った黄金のリンゴは、エウリュステウスが彼に返したため、アテーナーがヘーラクレースから受け取って再び元の場所に戻したという。ヘーラーの持ち物を本来の場所以外のどこに置くことも違法とされたからである。彼女たちは、3人あるいは4人、それ以上の7人説ともいわれる。ウェルギリウスによる『アエネーイス』第4巻の注釈の中でセルウィウスは、ヘーシオドスによればヘスペリデスは夜の女神・ニュクスの娘たちであり、アイグレー(Aegle、輝き・明るい女)、エリュテイア(Erytheia、紅・赤い女)、牛の眼のヘスペレトゥーサ(ox-eyed Hesperethusa、夕焼け女)の3人姉妹で構成されている。アポロドーロスによればヘスペリデスは多くが日没に関係した名前を持ち、前述の3人姉妹の中のヘスペレトゥーサからヘスペリアー(Hesperia、夕方の女)へ名前を変更し、アレトゥーサ(Arethusa)を加えた4人の姉妹としている。まったく異なる説として、リパラー(Lipara、柔らかい光)、クリューソテミス(Khrysothemis、黄金の秩序)、アステロペー(Asterope、閃光)、ヒュギエイア(Hygieia、健康)があり、さらにゴルゴーンがヘスペリデスの園に住んだとされることから、混同されてゴルゴーンのメドゥーサ、さらにはハルピュイアイのマプサウラー(突風)を加えるものもある。普段は3人の美しい姉妹を描いた場合が多い。明らかになっているヘスペリデスたちの名前は下表参照。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。