EBNF(Extended Backus–Naur Form)とは、文脈自由文法を表現するメタ文法記法であり、コンピュータのプログラミング言語や形式言語の形式的表現として使われる。バッカス・ナウア記法 (BNF) の拡張であり、拡張バッカス・ナウア記法とも呼ばれるが、ABNF(Augmented Backus-Naur Form)も同じ訳語となるため、区別するためあえて EBNF としている。ニクラウス・ヴィルトが最初に開発した。EBNF の標準化されたものとして ISO-14977 などがある。プログラムのソースコードは、終端記号で構成される。終端記号は、具体的な文字や数字や記号で構成される。EBNF は、非終端記号に対応する記号列を指示する生成規則によって定義される。この生成規則では、非終端記号 "digit" が左辺に定義されている。バーティカルバーは、その前後にある終端記号や非終端記号のいずれかが選択されることを示す。また、終端記号は、終端文字を引用符で囲んである。従って、"digit" は "0" または "digit excluding zero" のどちらかであり、後者は "1" か "2"、あるいは "9" までのいずれかになる。生成規則は、終端記号や非終端記号の並びを含むこともでき、それらはコンマで区切られる。省略可能かつ繰り返し可能な部分は、中括弧 { … } で表される。この場合、 "1" も "2" も "10" も "12345" も natural number(自然数)として正しい文字列となる。つまり、中括弧で囲まれた部分はゼロ回以上の任意の回数繰り返すことができる。省略可能な部分は大括弧 [ … ] で表される。この場合、integer(整数)はゼロ ("0") か、natural number であり、natural number にはオプションでマイナス符号を前置することができる。EBNF はこれらの他に、繰り返し回数を指定したり、一部生成規則の適用を除外したり、コメントを挿入したりといったことができる。ISO 14977 で標準化された EBNF では、拡張を可能とする2つのファシリティが述べられている。第一は EBNF 文法の一部として、疑問符で挟まれた任意のテキストを EBNF 標準の解釈範囲外とするものである。例えば、空白文字は以下のような規則で定義できる。第二は、EBNF では括弧を識別子(終端記号や非終端記号)に続けて配置することができないという事実を利用する。次の表現は EBNF としては正しくない。そこで、このような記法を EBNF の拡張として利用する。例えば、LISPの文法における function application は次の規則で定義される。BNF では、オプションや繰り返しを直接的に表現できないという問題があった。そのため、中間的な規則を定義したり、空(何も生成しない)とオプションの選択型の生成規則を定義したり、再帰的な規則で繰り返しを表したりしていた。同様の記法は EBNF でも利用可能である。オプションは EBNF では次のように表される。これを BNF スタイルで次のように表すこともできる。または繰り返しは EBNF では次のように表される。これを BNF スタイルで次のように表すこともできる。EBNF は次のような BNF の欠陥を排除している。EBNF はこれらの問題を次のように解決している。他にも様々な拡張がされているが、定義できる言語の範囲という意味では BNF に比べて「強力」というわけではない。実際、EBNF で定義可能な文法は、基本的に BNF でも表現できる。ただし、その場合 BNF での表現は非常に大きくなってしまう。EBNF はISOが "ISO/IEC 14977:1996(E)" として標準化した。BNF に何らかの拡張をしたものを EBNF と呼ぶこともある。例えば、W3C は XML の文法記述に "独自の" EBNF を使っている。代入文しかない単純なプログラミング言語を EBNF で定義した例を以下に示す。この場合、文法的に正しいプログラムは次のようになる。この言語は容易に制御構造や数式や入出力命令を持つように拡張できる。そうすると、小型の実用可能なプログラミング言語の仕様が完成する。標準的な表記で使うよう提案されている文字を以下の表に示す。1. 以下のような慣例が使われている。2. EBNF で特別な意味を持つ文字とその優先順位は次の通り(上の方が優先順位が高い)。3. 通常の優先順位は以下の括弧のペアで変更される。以下の例は、様々な繰り返しの記法を示したものである。この規則群から生成される終端文字列は以下のようになる。
出典:wikipedia
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