エホバの証人(エホバのしょうにん、)は、キリスト教系の宗教組織である。ものみの塔聖書冊子協会などの法人が各国にあり、ほぼ全世界で活動している。世界本部はニューヨーク市ブルックリン区に置かれている。2016年秋までには同州へ本部機能の移転を完了させる予定である。聖書は主に新世界訳聖書を使用する。基本信条を否定する立場を取っているため正統教会などからは異端とみなされている。日本においては、キリスト教系の新宗教に分類される。統治体、地帯区、支部、巡回区、各会衆という構造になっており、各々に監督や長老といった管理監督責任を担う信者が存在する。施設については、前述の世界本部のほか、ものみの塔教育センターをニュージャージー州パターソンに、ものみの塔農場をニューヨーク州オレンジ郡ウォールキルに有する。また、世界96ヶ所に支部事務所が、239の国や地域に約11万の会衆が存在する。歴代会長3名を含む統治体成員5名からなる「新世界訳聖書翻訳委員会」により翻訳された新世界訳聖書を使用する。かつてはキリスト教会と同様、一般に入手可能な聖書を使用していた。例えば、英語圏ではジェイムズ王欽定訳 (KJV) とアメリカ標準訳 (ASV) を、日本では舊新約聖書(日本聖書協会文語訳)を使用していた。2014年の公表値によると、エホバの証人の全世界での伝道者数は約820万人である。日本においては2014年度時点で平均21万5,292人、最高21万5,703人であるという。旧約聖書にみられる唯一神エホバを崇拝の対象とする。原文に近い聖書写本には、神の固有の名として神聖四文字語と記述されており、YHWHもしくはJHVHに相当する。しかしながら、子音字のみで母音がないため古代イスラエル人がどのように発音していたか定かではない。「エホバ」という発音は、欽定訳聖書(1611年)やアメリカ標準訳(1901年)などでJehovah(発音記号:dʒɪhóʊvə)、また日本でかつて広く使用されていた舊新約聖書文語訳(日本聖書協会)でヱホバ(旧仮名遣い)として使用されてきた。これに対し、学術的にはヤハウェ、ヤーウェなどの表記・読みがなされ、学説ではヤハウェであろうとする説が有力である。教義には共通する点もあるものの、基本信条など中核をなす部分で相容れない。エホバの証人は聖書に基づいた教義であるとする一方、他のキリスト教会などからは「異端」もしくは「キリスト教ではない」「輸血拒否により命を軽視している」「聖書を改ざんしている」などと批判もある。エホバの証人は国旗敬礼、国歌斉唱を行わない。国旗への敬礼、国歌斉唱は、国家崇拝に該当すると判断している。また国旗・国歌は偶像であり、これへの敬礼は偶像崇拝であるとする。「戦いを学ばない」「剣を取るものは剣によって滅びる」という聖書の記述を理由に兵役を拒否する。兵役が義務化されている国々で問題視されることがある。国家はそれに対してエホバの証人を投獄するのが一般的である。近年では、良心的兵役拒否が人権の一つとして認識されるようになってきたことから、社会奉仕活動への参加を義務付けることによって、兵役の義務の代わりとする事例も増えている。場合によっては投獄ではなく、「兵役」か「処刑」かのどちらかの選択を迫られることもあったが、その場合にも処刑されることを選んだという(エホバの証人とホロコースト参照)。政治的中立を主張している。王国政府のみに対する全面的支持の表明などを根拠とし、この世の政治活動に直接関与すべきではないという姿勢をとっている。血を避けるべきとするいくつかの記述が聖書中にある。エホバの証人は、これらを輸血禁止の意味に解釈している。(キリスト教からは教派を問わず異論がある)また、代替治療として無輸血治療を望み、自己輸血や血液分画の使用については各人の良心に基づいて決定するとしている。米国ウェストバージニア州で、星条旗への忠誠の誓いを拒んだ女性信者の姓にちなむ行政訴訟。1943年6月14日、米最高裁判所はエホバの証人の子弟を放校する権利は教育委員会にはないという判断を下し、勝訴が確定した。1985年6月6日、小学生の男児(当時10歳)が神奈川県川崎市高津区で交通事故に遭い、両親が輸血拒否したことにより死亡したとされる事件。裁判所から略式命令が下され、児童の両親は無罪、運転手が業務上過失致死罪で起訴され罰金15 万円の有罪となった(川崎簡略式 昭和63.8.20)。この事件で、法曹、宗教、医療の各界で大きな論争を引き起こした。 必須科目であった剣道の科目を履行しなかったことで退学または留年処分になったことの是非が争われたケースで、1996年3月8日、日本の最高裁判所は、学校側が主張する剣道の必須性を退け、格闘技を拒否された場合の代替措置を用意しなかったことは、学校側の落ち度であると指摘し、退学または留年処分は不当であるとの判決を下し、勝訴が確定した。2012年6月13日、カリフォルニア州のアラメダ上級裁判所(一審裁判所)で行われた裁判で、当協会は約800億円相当の協会の資産の凍結を命じられ、賠償金280万ドル(22億円)の40%を支払うように命じられた。判決によると、エホバの証人の男性信者が当時9才だった少女に1年の間性的虐待を加えているという通報を知りながら、罪を立証するには2人ないし3人の証人が必要との教理(コリントの信徒二13:1)が結果的に警察へ通報を妨げることになり、長老たちが決定した組織的な隠蔽であり違法との判決に至った。その後、エホバの証人側は同州控訴裁判所(二審裁判所)に控訴の後、原告側と和解した。なお同様の事件が、イギリスや、オーストラリアでは1600人以上の被害の隠蔽など、多数報告され、国による調査や告訴がなされている。兵役や国家に対する忠誠の拒否などで処罰されたものある。エホバの証人は「"彼らはその剣をすきの刃に、その槍を刈り込みばさみに打ち変えなければならなくなる。国民は国民に向かって剣を上げず、彼らはもはや戦いを学ばない"」(イザヤ書2章4節)という聖書の記述に従ってであるが、当該国の軍事当局から見れば従軍拒否などはあくまでも法令違反とされる場合がある。代表的な事例として、ナチス・ドイツにおいて兵役を拒否したためにより強制収容所に送致され多くが処刑された出来事などが挙げられる(エホバの証人とホロコースト)。現代でも一部の国々で同様の事例が存在する。日本においては指定されていないが、いくつかの政府はカルトまたはセクトと分類しているケースがある。例として以下の政府・議会報告が挙げられる。映画・『あかぼし』朴璐美主演。ものみの塔をモデルにしたカルト宗教にハマっていく母子を描いた作品。
出典:wikipedia
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