第88回全国高等学校野球選手権大会智辯和歌山対帝京(だい88かいぜんこくこうとうがっこうせんしゅけんたいかいちべんわかやまたいていきょう)とは、2006年8月17日に行なわれた第88回全国高等学校野球選手権大会の準々決勝、和歌山代表・智弁和歌山高校と東東京代表・帝京高校との試合である。共に強打が持ち味の強豪校で、「東の横綱」とも呼ばれ下級生の3本柱で勝ち上がってきた帝京高校、「打倒田中将大」を掲げ徹底的に打ち込んで甲子園に乗り込んできた智弁和歌山高校が準々決勝でぶつかった。序盤から、智辯和歌山高校は帝京高校の高島祥平・垣ヶ原達也の2投手に対して馬場一平の2本塁打、廣井亮介と上羽清継の本塁打攻勢で打ち崩し、7回を終えて8 - 2と6点のリードを奪う。これに対し、帝京高校は8回表に塩沢佑太の2点本塁打で8 - 4と4点差に迫り、7回途中から登板した大田阿斗里が智辯和歌山高校打線を抑え、9回の攻撃に望みを繋ぐ。9回表、4点を追う帝京高校の攻撃は九番打者の投手・大田から。この大田に代打の沼田隼を送るも凡退。一・二番打者が安打と死球で出塁するが、主将の三番打者・野口直哉が三振し二死一・二塁となる。ここから中村晃、塩澤、雨森達哉、我妻壮太の4連打で1点差と迫り、1年生の杉谷拳士が三遊間を破る2点打で逆転、さらに、この回2度目の打席の沼田が3点本塁打。結果、帝京高校は6連打で8得点を挙げ、8 - 12と逆転する。その後、智辯和歌山高校は投手を2番手の竹中孝昇から松本利樹に交代。松本は次打者を1球で仕留める。9回裏、正規の投手が尽きた帝京高校は、中堅手の勝見亮祐をマウンドに送った。勝見は前年夏はエースであり、前田三夫監督も秘密兵器として位置づけてはいたが、公式戦の登板は同年の秋季都大会準々決勝以降一度も無かった。智辯和歌山高校は、上羽、廣井が連続四球を得た後、橋本良平が3点本塁打を打ち、11 - 12と1点差に迫る。続く亀田健人も四球を選ぶと、帝京高校は遊撃手の杉谷を登板させた。しかし、杉谷は松隈利道に初球で死球を与えてしまい降板。帝京高校はさらに普段は打撃投手の岡野裕也をマウンドに送る。岡野は馬場を左飛に打ち取るが、代打の青石裕斗の中前適時打で同点に追いつき、さらに楠本諒が四球を得て一死満塁。主将の古宮克人もフルカウントから四球を選び、押し出しとなって智辯和歌山高校が13 - 12のスコアでサヨナラ勝利した。勝利投手は9回表の最後に登板した智辯和歌山高校の松本で、敗戦投手は13失点目の責任を負う帝京高校の杉谷。ともに投球数は1であった。後年、勝見はこの結果について「試合に負けたのはすべて僕の責任。僕が平常心で投げてさえいれば、あんなことにならなかった」と、東京スポーツの取材で語っている。土壇場での逆転が2度起きたという点では、この試合は1979年の箕島高校対星稜高校と共通している。箕島高校対星稜高校は「奇跡は二度起きた」と称するのに対し、この試合は「魔物は二度笑った」と言われている(翌日の朝日新聞に掲載された)。
出典:wikipedia
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