エンブレイス(Embrace)は1990年代中頃に結成されたオルタナティヴ・ロック・バンド。バンドはイギリスの西ヨークシャー地方のブリグハウス()とブラッドフォード()出身。6枚のスタジオ・アルバムがリリースされている。バンドの中心となるのはヨークシャー出身のダニーとリチャードのマクナマラ兄弟。地元の新聞に広告を出してメンバー募集を呼びかけ、1990年、この2人にマイク・ヒートン(ドラムス)が加わる。その時からエンブレイスと名乗り活動をスタートした。転機が訪れたのは1993年。リーズで開催されたハイネケン・ミュージック・フェスティバルにおいて自分達の音楽性に絶望し、今までのレパートリーを全て排除し、再スタートを切ることを決意する。翌1994年にスティーブ・ファース(ベース)が加入。バンドは、1996年10月にハット()と初めての契約を結ぶ。アメリカのレコード会社であるDGC()とも契約。1997年2月にフィアス・パンダ()とワン・ショット契約でデビューシングル『All You Good Good People』を発表。1997年5月にハットからリリースされたシングル『Fireworks』が全英シングルチャートで34位、7月の『One Big Family』が21位という滑り出しを果たす。この頃から、Vフェスティバル()をはじめイギリス国内の主要フェスティバルに数多く出演するようになる。その後、10月に再レコーディングして発表された『All You Good Good People』が全英シングルチャートで8位を記録する。翌年初めのブリット・アワード新人部門にもノミネートされた。そして1998年6月にデビューアルバムである『The Good Will Out』をリリースし、全英アルバムチャートで1位を獲得する。このアルバムがリリースされた後にミッキー・デイル(キーボード)が正式にメンバーとして加わる。また、前年に続いてこの年も、世界最大級の規模を持つグラストンベリー・フェスティバルに出演している。2000年に2ndアルバム『Drawn From Memory』、翌年2001年には、コールドプレイの1stアルバム『Parachutes』などの制作に携わったケン・ネルソン()をプロデューサーに迎えた3rdアルバム『If You've Never Been』をリリース。全英アルバムチャートにおいて前者が8位、後者が9位を記録。ともに売り上げがデビューアルバムを大幅に下回り、またバンドとレーベル側との意見の食い違いが無視できないほど大きくなっていた。こうした理由から、これまでのシングル曲を収録した『Fireworks: The Singles 1997-2002』のリリースを最後にハットから契約を解除される。その後、レーベル契約が無いままライブ活動を行っていた時期もあった。2000年のT in the Parkに出演した時からエンブレイスに対して強い関心を持っていたというインディペンディエンテ()からアプローチを受け、2002年の秋に同レーベルと契約する。前作のツアーを終えてからは、メディアにもほとんど情報を発信せず、公の舞台から姿を消すことになる。この頃、私物を売り活動資金に充てたり、塗装や溶接といった仕事で身を養っているメンバーもいた。そして、2004年9月に、3年間の歳月をかけて作り上げられた4thアルバム『Out of Nothing』をリリースする。プロデューサーは元キリング・ジョークのユース。メンバーは自分達のアルバムの中で最高の出来である語り、見事に全英アルバムチャート1位と復帰を遂げる。このアルバムはイギリスでダブル・プラチナムを記録している。この作品の先行シングルである『Gravity』は、コールドプレイのボーカルでダニーの親友クリス・マーティン(Chris Martin)から提供された楽曲であり、全英シングルチャート7位にランクインした。2人は2000年にブラックプールで開催されたライブで、コールドプレイがエンブレイスのサポートを務めていたのをきっかけに親しくなったという。また、このアルバムがリリースされる前に開催されたVフェスティバル2004では、身内の不幸で出演をキャンセルしたジェットに変わり、急きょ出演が決まった。翌年も同フェスティバルに出演。2005年、5月に地元リーズのミレニアム・スクウェアで6000人の観客を集めてライブを行っている。このライブの模様はDVDとなり、『A Glorious Day Live in Leeds』というタイトルでリリースされている。同年10月には、アルバム未収録曲などを集めたB面集『Dry Kids: B-Sides 1997-2005』を発表。 長い年月をかけて作られた4thアルバムとは打って変わり、アルバムの作曲からレコーディングまで、わずか1週間余りで済んだという5thアルバム『This New Day』を2006年3月に発表し、全英アルバムチャート1位を獲得。なお、このアルバムの先行シングル『Nature's Law』は自身のシングルで最高位となる全英シングルチャート2位を記録した。この作品発表後のUKツアーも大反響だったため、前作のツアー同様にイギリス各地で追加公演が行われた。また、この年イングランド・サッカー協会からドイツ・ワールドカップにおけるイングランド代表公式応援歌レコーディングの依頼を受け、バンドはこれを快諾。制作活動の後、同年6月に公式応援歌『World At Your Feet』をリリース。全英シングルチャートで3位を記録。バンドが解散を考えていた時期である。2007年から2010年にかけて、バンドの活動を休止しており、メンバー達はそれぞれソロ活動を行っていた。ダニーはDJに取り組み、マイクはドラムのスクールを開設した。ミッキーはサイドプロジェクトとしてTalk To Angelsを結成し、活動。2011年にバンドとして活動を再開し、アルバム制作のためのスタジオワークを行う。2014年4月に、セルフタイトルアルバム「Embrace」をリリース。デビューしてから5枚のスタジオ・アルバムが発表されているが作品の中心となっているのは、ダニーが特に好むミディアム~スローテンポでバラード調の楽曲である。シングル・カットされたナンバーにはこうした作風のものが多く、バンドが自信を持っている音楽性である。デビューアルバム『The Good Will Out』では、こういったスタイルの楽曲の他にヘビーでラウドなギター音を利用したアップテンポな曲もみられ、ハードなナンバーはダニーの弟であるリチャードが好んでいる。このデビューアルバムの作風からしばしば、オアシス・フォロワーとも言われた。2ndアルバム『Drawn From Memory』では、レゲエ、ディラン、メタル、ファンクなどあらゆる音楽分野からヒントを得たといい、1stアルバムとは違う方向性を試した実験的な作品になっている。4thアルバム『Out Of Nothing』では、ピアノ音、ギターノイズ、コーラス、オーケストレーションなどを効果的に織り交ぜ、躍動感のある作品に仕上がっているとメンバーは語る。コールドプレイのクリス・マーティンから提供された『Gravity』をはじめ、バラードを中心に構成されている。また、バラードのナンバーが多いためか2006年ドイツ・ワールドカップにおけるイングランド代表公式応援歌をエンブレイスが歌うことが決まった際に、ニュー・オーダーのピーター・フック(Peter Hook)に「こっけいだな。お涙頂戴のバラードで戦いに挑むってわけだ。(サッカー場にいる)観客は誰も一緒に歌わないだろうよ」と言われた。その他
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。