電気感受率（でんきかんじゅりつ、）は、誘電分極の起こりやすさを示す物性値である。感受率、電気的感受率などとも言う。分極率とも呼ばれることがあるが、電気感受率はマクロな量であるのに対し、分極率はミクロな量である。電気感受率と分極率との間にはクラウジウス・モソッティの関係がある。外部から電場"E"を掛けられると一般の誘電体には誘電分極"P"が生ずるが、この"P" は"E" に比例する。その関係をのように書き表した時の比例係数χが電気感受率である（εは真空の誘電率）。通常ギリシア文字のχで表現するが、磁化率にも同じ文字を使う場合があるので区別のためχとすることもある。ε"E"と"P"は共に電束密度の次元（[QL]）を持つので、χは無次元量であり単位系に依らない（ただし"P"=χ"E"のように誘電率を介さず、直接にPとEを結ぶ係数を電気感受率χと定義する流派も存在し、この場合のχは誘電率と同じ次元を持つことになる）。物質中における電束密度、電場、分極の間にはの関係があるので、上記した"P"の定義"P"=χε"E"を代入すれば以下のように整理できる。そして誘電率εの物質中における電束密度と電場の関係は、一般に"D"=ε"E"と書き表される。よって二式を比較するとである。即ち、物質の誘電率とは、換言すれば真空の誘電率を (1+χ) 倍したものであることが分かる。また比誘電率ε（その定義はε=ε/εである）を用いて表せばなので(1+χ)=εとなる。

出典:wikipedia