『キューポラのある街』(キューポラのあるまち)は、早船ちよの小説で、1962年(昭和37年)4月8日に公開された浦山桐郎監督の日本映画である。上映時間は99分。昭和34年(1959年)から1年間、雑誌『母と子』に連載され、昭和36年(1961年)に弥生書房で単行本化され、昭和37年(1962年)に日本児童文学者協会賞を受賞した。財団法人大阪国際児童文学館(現・大阪府立中央図書館国際児童文学館)の「日本の子どもの本100選」に一つとなった。鋳物の街でキューポラ(鉄の溶解炉)が多く見られた埼玉県川口市を舞台とした青春ドラマ。主人公ジュン(吉永小百合)の周りで起こる貧困や親子問題、民族、友情、性など多くのエピソードを描いている。脚本は浦山の師である今村昌平との共同執筆であり、日活の助監督だった浦山の監督昇格デビュー作である。ブルーリボン賞作品賞受賞作品。主演の吉永も今作でブルーリボン賞主演女優賞などを受賞し、大きく飛躍するきっかけになった作品である。監督の浦山も、この作品で第3回日本映画監督協会新人賞を受賞した。撮影は前年の1961年(昭和36年)12月24日より開始された。本映画は、在日朝鮮人の北朝鮮帰国運動を肯定的に描いている、として批判されることがあるが、朝日新聞・毎日新聞・読売新聞・産経新聞などが率先して、帰還事業を歓迎した製作当時の社会情勢を考慮すると、やむを得ないとして弁護する意見もある。1965年、続編となる『未成年 続・キューポラのある街』(監督:野村孝)も公開されている。続編も日本に残った日本人妻を、主人公ジュン(吉永小百合)が説得して朝鮮民主主義人民共和国に渡らせるなど、北朝鮮帰還運動を肯定的に描いている。中学3年の石黒ジュン(吉永小百合)は、鋳物工場の直立炉(キューポラ)が立ち並ぶ埼玉県川口市の鋳物職人の長女である。何事にも前向きで、高校進学を目指すジュンだが、父・辰五郎(東野英治郎)が工場を解雇されたため、家計は火の車で、修学旅行に行くことも諦めていた。自力で高校の入学費用を貯めようと、パチンコ屋でアルバイトを始めるジュン。担任教師の助力で修学旅行にも行けることになった。しかし、ようやく再就職した父親は、待遇が不満で仕事をやめてしまった。絶望したジュンは女友達と遊び歩き、危うく不良少年たちに乱暴されかけた。全日制の高校進学を取りやめて、就職を決断するジュン。北朝鮮への帰還問題で苦悩する朝鮮人の一家や、貧しくとも力強く生きる人々との交流を通じて、ジュンは、自立して働きながら定時制で学び続けることに意義を見出したのだった。本作を原作とするテレビドラマが、1962年11月6日にフジテレビの『シャープ火曜劇場』で放送された。
出典:wikipedia
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