ハイブリッドバスとはハイブリッドシステムを搭載したバス。1990年代に制動時のエネルギーを回収して効率を高め、加速時のエンジンの負荷を下げる事で有害排出物の低減を目的として各社で開発された。蓄圧式ハイブリッドと電気式ハイブリッドがそれぞれ開発されたが最終的に普及したのは電気式だった。1990年代の開発当時は鉛蓄電池を使用しており、まだパワーエレクトロニクスが開発途上の段階で、大電力半導体素子の開発には半導体メーカーの協力が不可欠で自動車会社各社は電気自動車の試作の経験はあったものの、電気関係の経験が浅かったため、電気式ハイブリッドシステムの開発には困難が伴い、事実、日野自動車のHIMRは開発が難航した。そのような状況下で蓄圧式ハイブリッドは当時の既存の技術を活用する事が可能で技術的なハードルが電気式ハイブリッドよりも低かったので当初日野自動車以外のメーカーが導入したが、蓄圧式では効果が限定的で機器配置の自由度が低く、低床化に対応できない事から2000年代以降、電気式ハイブリッドが実用化の水準に達すると電気式ハイブリッドが主流になり、蓄圧式ハイブリッドは廃れた。1994年からは正式発売された。エンジンは通常のHT/HU2M系と同じM10U型を用いていた。当初改造扱いのため、「U-HT2MLA改」と型式末尾に「改」の文字が入り、型式指定を受けた後はU-HT2MLAHとなった。1995年にHIMRは平成6年排出ガス規制適合に併せ第二世代へ移行し、中型用エンジンを用いたバスに変更された。(ダウンサイジングコンセプト)従来の大型車と共通のM10U型エンジンから、中型車用のJ08C型 (240ps) に過給器を取り付け使用している。そのため、エンジンは垂直シリンダー型となり、型式もKC-RU1JLCH(ホイールベース4.8m)/RU1JMCH(同5.2m)/RU1JPCH(同5.67m。足利工業大学のスクールバス用として1999年に1台のみ納入)となった。なお、関東バスでは全国で唯一、富士重工7Eの車体を架装したHIMRを2台所有していた(2008年7月までに除籍、1台が岩手県交通に移籍後2010年12月廃車済)。また、阪急バスでは全国で唯一、HIMRに西日本車体工業製の車体(58MCおよび96MC)を架装している。ブルーリボンシティへの移行から1年3ヶ月後の2001年9月、HIMR車もラインアップされた。エンジンは前モデル (KC-) に引き続きJ08C-1M型(TI付、240PS)を搭載するが、型式が再びHUに戻された。本モデルよりワンステップバス化(フロア高555mm)され、さらに、内板色、シート配置、室内灯、握り棒等にノンステップバス標準化仕様がいち早く採用された。型式はWB4.8m車がHM-HU1JLEP、WB5.2m車がHM-HU1JMEPである。2005年1月、ブルーリボンシティHIMRはノンステップバスへと進化し、セレガRとともにHIMRから「ハイブリッドバス」へと名称変更した(現在は「ブルーリボンシティ ハイブリッドシリーズ」となっている)。バッテリーをトヨタ・プリウスのニッケル水素電池(4基)に変更、インバータユニットを小型化し、これらを屋根上へ搭載することにより、前輪から中扉間のノンステップ化が実現、CNGノンステップ車をヒントに屋根上にバッテリーを搭載した。エンジンは7,700ccのJ08E-1M型(TI付、240PS)に変更され、平成17年新長期排出ガス規制に適合している。ハイブリッド車以外のブルーリボンシティが生産中止となった後も、ジェイ・バス小松事業所で2015年中頃まで生産されていたほか、エルガハイブリッドとは異なり、メーカーオプションを適用すればツーステップ仕様車も入手可能であった。なお、2006年生産分から国土交通省2005年以降標準仕様ノンステップバス認定制度に適合(標準仕様ノンステップバス認定ステッカーが緑色になっている)し、さらに、灯火器具の保安基準の変更によりボディ側面に反射器が取り付けられ、リアコンビネーションランプの位置がバンパー直上に変更されている。車内は後部を段上げとしてワンステップ車同様中ドアより後ろは5列を確保、ACG-車とBJG-車では最後列の座席中央に大型の肘掛けが備わって4席となる(通常は5席)。また、2007年7月18日には、平成27年重量車燃費基準に適合した車種へとマイナーチェンジされた。型式は重量車燃費基準達成以前のWB4.8m車がACG-HU8JLFP、WB5.2m車がACG-HU8JMFP、重量車燃費基準達成以降のWB4.8m車がBJG-HU8JLFP、WB5.2m車がBJG-HU8JMFPである。三菱ふそうからは1993年に蓄圧式ハイブリッドであるMBECSが低公害車として発表された。1995年にアイドリングストップ機構と酸化触媒マフラーを装着してKC-MP237/637系となり、1997年には2代目エアロスターにも設定された。運転席の計器板上部にエネルギー蓄積度を表すレベルゲージが増設されている。エンジンはU-MPが6D22型(225PS)、KC-MPが6D24型(240PS)である。同様の蓄圧式ハイブリッド車はいすゞ・キュービックの"CHASSE"と日産ディーゼルUAシリーズの"ERIP"が存在するが、期待していたよりも省エネルギー効果が低かったこと、ハイブリッド機構の小型・軽量化や移設が難しく低床化に向かないこと、中期安全ブレーキ規制への適合も難しいなどの理由で開発を中止、現在はハイブリッド機構を停止、撤去した事業者が多い。導入事業者は東京都交通局・横浜市交通局・川崎市交通局・神奈川中央交通・名古屋市交通局・大阪市交通局・京都市交通局・神戸市交通局・濃飛乗合自動車・名古屋鉄道など。型式は以下のとおり。1996年12月にはMBECS-IIIが追加された。なお平成6年規制(KC-車)のMBECS-IIIはわずか9か月程度しか製造されず、翌1997年8月には平成11年規制対応(KL-車)となった。型式はエアサスがMP737系、リーフサスがMP337系となり、KC-車、KL-車ともMP737K/MP337Kがホイールベース4.8m、MP737M/MP337Mがホイールベース5.3mである。なお、2000年5月23日に平成11年排気ガス規制に伴いディーゼル車のエンジン関係の改良が行われたが、蓄圧式ハイブリッドMBECS-IIIは生産中止となった。末期の車両は、前扉がワンステップ、中扉がツーステップの車両が存在する。日産ディーゼルからは1995年に改造扱いで蓄圧式ハイブリッドであるERIP(エリップ)が登場した。KC-UA460系に設定され、基本的な構造は三菱ふそう・エアロスターの“MBECS”やいすゞ・キュービックの“CHASSE”に準じた。ハイブリッドシステムの主要機器はボルボグループのボルボ・エアロ製だった(当時資本関係はない)。ハイブリッド機構搭載による重量増で燃費が悪く、軽量化ができない、思ったほどの排出物低減効果が感じられず、路線バスで並行して要求されていた低床化に対応できないなどから、1999年に製造が打ち切られた。導入した事業者は少数にとどまり、東京都交通局・横浜市交通局・大阪市交通局・会津乗合自動車のみだった。いすゞからは1996年に蓄圧式ハイブリッドであるCHASSE(シャッセ)が登場した。基本的な構造は三菱ふそう・エアロスターのMBECSと同様のパラレル蓄圧式ハイブリッド。8PD1エンジン(240PS)を採用し、機械式AT"NAVi"を搭載していた。しかしハイブリッド機構が1700kgと重く、効果も減速時・発進時に限られることから重量増の割に満足できるものではなく、加えて構造上低床化が不可能だったことから合計16台しか製造されず、1998年(平成10年)で製造が打ち切られた。半数以上の14台を購入した東京都交通局では、2006年(平成18年)3月までにハイブリッド機構を停止し撤去した。この際に行灯部分に蓋をしたり、側面後ろ側の「CHASSE」表記を消去した。東京都交通局以外の導入例は横浜市交通局(横浜市営バス)と川崎市交通局(川崎市バス)に各1台である。N尺車は製造されていないが、設定はあった。型式は以下のとおり。蓄圧式ハイブリッドである"MBECS"に代わって開発された電気式ハイブリッド車。2000年の東京モーターショーで参考出品される。日野・ブルーリボンシティハイブリッド (HIMR) と異なりシリーズ式ハイブリッド機構を採用、エンジンはエアロミディの6M61(直列6気筒・8201cc)を搭載して走行用モーターの発電機に徹し、動力源とエネルギー吸収に電動機を用いる。2002年6月にドアを3扉から2扉に変更したプロトタイプ車、シリーズ式電気ハイブリッドバスHEV(通称電気バス)の試験運行が遠州鉄道にて開始され、2002年のサッカーワールドカップ輸送(掛川駅 - エコパ)にも使われた。2004年(平成16年)2月23日からシリーズ式電気ハイブリッドバスHEVが正式発売され、試験運行を行った遠州鉄道と、名古屋鉄道(現名鉄バス)が導入した。またデモカーは名鉄バスに貸し出され、愛知万博のシャトルバスとして使用された後、岐阜乗合自動車が購入した。関東八都県市・近畿圏LEV-6「優」指定低公害車。遠州鉄道に2台、名鉄バスに2台、岐阜乗合自動車に1台ずつ購入された(試験運行に伴う貸与を除く)が、2012年の遠州鉄道を皮切りに順次廃車され、既に全廃されている。開発初期の車両は、総電圧:648[V]最大容量:24[Ah]モータ最高出力:150×2 (300)[kW]モータ最大トルク:360×2 (720)[Nm]であったが、エネルギ密度などの観点からバッテリーの総電圧は612[V]に、モーターの最高出力は90kW×2基に変更となる。発電用エンジン回転数は1700[rpm]と固定しており、これは6M61型エンジンの最大トルク539 [N-m] /1700rpmを発揮する値となる。このエンジンには補機に当たる冷房用エアコン・コンプレッサやブレーキなどのエア・コンプレッサが一体型になっており、またその他の補機は電動モータでの駆動になっている。このほか、後輪にはブリヂストン製超偏平シングルタイヤ(435/45R22.5 動荷重半径:0.4699[m])を採用し、後輪部の通路幅が拡大された。各部品の製造会社は、バッテリは旧日本電池(現GSユアサ)、モータとVVVFインバータはシーメンス、モータ減速機はFLENDERとなっている。ディーゼルノンステップモデルであるKL-MP37JMの改造扱いであるため型式はMP37JM改となっている。2007年9月26日に発売を開始した。平成17年排出ガス規制および、平成27年重量車燃費基準に適合。基準値に対し、粒子状物質 (PM) および窒素酸化物 (NOx) の10%低減に成功している。発電用ディーゼルエンジンはローザの4M50系(直列4気筒・排気量4,899cc)を採用し、回生ブレーキを装備している。これらにより、低燃費および高い静粛性を実現している。エアロスター エコ ハイブリッドは以前のエアロスターHEVとは違い、増速機を介して発電用モーターに動力を伝達している。発電用モータは回転数3,917rpmで40kWを発電する。この技術はダイムラー社にも提供されており、シターロGハイブリッドに用いられている。ノンステップバス専用車で、ホイールベース4.8mがBJG-MP37TKF、同5.3m車がBJG-MP37TMFとなる。一部諸元は、総電圧634V、最大電流容量22Ah、モータ最高出力79×2 (158)kW、モータ最大トルク355×2 (710)N・m、発電機増速比2.448であり、モータ減速比が変わるがアクスル減速比は変わらない。発電用エンジン回転数は1,600rpmと固定しており、これは4M50型エンジンの最大トルク530N・mを発揮する値となる。エコハイブリッドのエンジンには補機がなく、すべての補機を電動モーター駆動にしてエンジン起動回数を減らしている。このほか、後輪には引き続き超偏平シングルタイヤ(435/45R22.5 動荷重半径0.4699m)が採用された。運転席まわりの計器類は、PKG-MP35系とほぼ同様であるが、回転計が主バッテリー残量計になり、ディーゼル車では省略されているバッテリー電流計が装備され、逆に油圧計は省略された。各部品の製造会社は、バッテリーは日立製作所、モータとVVVFインバータはシーメンス、モータ減速機はFLENDERとなっている。ポスト新長期規制を適合させずに、2010年9月末をもって製造を中止した。両備バスには、車体の屋根にバス用としては世界初の太陽電池パネル(三洋電機製)を設置して、太陽電池からの電気を車内のLED照明に使用し、同じくバス用としては世界初の「マルチアングルビジョン」モニター(富士通テン製)を運転席に設置した車両(BJG-MP37TMF改、愛称:SOLARVE(ソラビ))がある。東京モーターショー2011にて電気式ハイブリッドであるエルガハイブリッドが出展された。出展車は試作車扱いでLV234L3である。従来のハイブリッドノンステップバスでは、ハイブリッドシステム用バッテリーが屋根上設置だったが、エルガハイブリッドは最後部の非公式側の2席分にバッテリーを搭載している。このため、座席が30席→27席へと減小している。ディーゼル車と同形式の6HK1-TCC (191kw/260PS) エンジンを搭載しており、トランスミッションは、AMT(自動変速式マニュアルトランスミッション)を採用している。ブルーリボンシティハイブリッド同様、パラレルハイブリッドシステムを採用している。2008年9月30日にもプロトタイプ(試作)のハイブリッドも開発しており、エアロスターエコハイブリッドと同様のシリーズハイブリッドシステムを採用している。このため6HK1型エンジンではなく4HK1-TCS(154kw/210PS)エンジンを採用している。ハイブリッドバッテリーは屋根上設置している。CNGと同様のカバーを採用しているため、CNG車と識別するのが困難である。東京モーターショー2011モデルが発売に至った。2012年8月9日、エルガハイブリッドが東京モーターショー2011参考出品車とほぼ同等の仕様で発売開始された。最後部の非公式側の2席分にリチウムイオンバッテリー(346V)を搭載しているため、座席定員がL尺、N尺ともに各3名分減っている。ディーゼル車との外観上の相違点は、このリチウムイオンバッテリーによる非公式側最後部の窓の閉塞以外ほとんどなく、車高もディーゼル車と同一のため、これまでディーゼル車で運用されてきた路線にも車高を気にすることなくそのまま投入できるメリットがある。ハイブリッドシステムは米・イートン社製のパラレル式を搭載しており、ディーゼル車と同形式の6HK1-TCC型 (191kw/260PS) エンジンとHB1型モータ (44kw/60PS) が組み合わされ、トランスミッションは、同じくイートン社製の6速AMT(自動変速式マニュアルトランスミッション)を採用している。それ以外の基本的な仕様はディーゼル車と同様。2012年9月に市販1号車が阪急バスに納入されたのを皮切りに、様々な事業者に導入されている。2015年1月29日に車両の軽量化で定員が1名増などの改良が施された。型式は以下のとおり。2015年4月よりQSG-に移行された。
出典:wikipedia
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