ミソプロストール(Misoprostol)はプロスタグランジン製剤の1つ。PGE誘導体。胃粘液や重炭酸イオンの分泌を促進するほか、壁細胞に直接作用してヒスタミンやガストリン刺激による胃酸分泌を抑制する。腸管の蠕動運動を促進させ、小腸からの水・Naの吸収を阻害し、下痢を起こす。子宮平滑筋に作用し、子宮収縮作用を持つ。非ステロイド性抗炎症薬(以下:NSAIDs)は、COX-1、COX-2の経路阻害により解熱鎮痛効果を発揮するが、その副作用の1つに胃粘膜のプロスタグランジン濃度低下による粘膜防御機能の低下があり、胃潰瘍と十二指腸の発生が増えるという副作用がある。この薬剤はNSAIDsの長期服用による胃潰瘍・十二指腸潰瘍の予防治療に用いられる。日本では、科研製薬株式会社より、「サイトテック」の商品名で1996年12月より販売されている(処方箋医薬品)。効能効果は「非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与時にみられる胃潰瘍及び十二指腸潰瘍」とされ、単純な胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍には保険では使用できない。1日800µgを4回に分けて内服する。NSAIDs投与に起因する消化性潰瘍の予防効果は、少量のプロトンポンプインヒビター(以下;PPI)に匹敵する効果を持つことが分かっているが、PPIと比較して、下痢等の副作用が多いこと、1日4回という頻回の投与が必要な事、投与可能期間の制限などの様々な制約が保険収載に対して課せられたこと、などより、この薬効の目的では殆ど使用されなくなった。妊娠の継続を望む妊婦には使用できないが、中絶・死産・分娩の際には下記の目的で使用される(日本では以下の用途は全て未認可)。この目的で使用するときの投与経路は、経口、経腟、経肛門的投与が選択出来る。同様の薬効をもつオキシトシンなどと比較して、安価で保管も簡便(常温で保管可能)なために、途上国などで重宝される。ミフェプリストンやメトトレキセートを使用した薬剤による妊娠初期の人工妊娠中絶のときに、中絶胎児の排出目的で使用される。この用途は日本以外の先進国で認可されており、ミソプロストールの最も使用される用途となっている。分娩誘発作用を持つ。また子宮頸管の熟成作用も認められている。この子宮頸管の熟成作用は、しばしばこの目的で使用されるオキシトシンには無い作用である。このためにオキシトシンと組み合わせて使用することで、EUなど一部の国では分娩誘発の目的で認可されている。しかし薬効については疫学的知見が不足しており、アメリカや日本では、分娩誘発の目的での使用は認可されていない。日本でも分娩誘発等を目的に使用されることがあるが、認可されていない目的外使用であるとして、新生児に重篤な副作用が発現する事があるとして警告されている。早期の子宮内胎児死亡の処置のために使用されることがあるが、その用法容量については更なる検討が必要とされている。カナダではこの用途で数か所の病院で使用されている。産後の子宮収縮の促進により、産後出血を抑制することが出来る。経口投与で使用すると、オキシトシンより効果が劣るために、この用途では直腸内への投与が効果的で、副作用も少ないとされる。医療資源の乏しい地域では、出産時にミソプロストールを無作為に使用した群と使用しなかった対照群では、ミソプロストール使用群の方が妊婦死亡率が38%低かったことが知られている重大な副作用として添付文書に記載されているものは、ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)である。その他、下痢・軟便(4.8%)、腹痛(2.0%)等が発現する。
出典:wikipedia
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