千夜一夜物語のあらすじ(せんやいちやものがたりのあらすじ)では、千夜一夜物語のあらすじを記述する。夜数と物語名は『完訳千一夜物語』(豊島与志雄ほか訳、岩波文庫、マルドリュス版の翻訳、ISBN 4-00-327801-1 ほか全13巻)に準拠。昔々、インドとシナを支配する王に二人の息子がいた。兄のシャハリヤールと弟のシャハザマーンはそれぞれの国を治めていた。あるとき兄は弟に会いたくなり、使いをやって呼び寄せた。出発してすぐ兄への贈り物を忘れた事に気付いたシャハザマーンが宮殿へ取って返すと、妃が一人の奴隷と浮気の最中であった。彼は妃と奴隷を殺してから兄の国を訪れたが、傷心のためひどく塞いでいた。しかし兄の留守の間、シャハザマーンは兄の妃が二十人の男奴隷と二十人の女奴隷を相手に痴態の限りを尽くすのを目撃し、自分に起きた出来事はこれに較べればましだと思って元気を取り戻した。帰ってきたシャハリヤールは弟がすっかり明るくなったのを見て理由を尋ねた。弟が目撃した事を聞き、さらに自分の眼でそれを確かめると、シャハリヤールは衝撃のあまり弟と共に宮殿を後にして流浪の旅に出た。ある海辺の一本の木の下で二人が休んでいる時に魔神がやってきた。二人が木に登って見ていると、魔神は頭の上の櫃から非常に美しい乙女を出し、その膝枕で眠り始めた。木の上の兄弟に気付いた乙女は二人に自分と性交するよう言い、しなければ魔神を起こして二人を殺させると脅した。怯えた二人は言うとおりにした。済むと乙女は、自分は婚礼の夜に魔神にさらわれきて今に至ること、しかしこれまで魔神が眠っている隙に570人(最新のマフディー版では98人)の男たちと性交したこと、なんとなれば女が何かをしたいと思えば何者もそれを抑える事など出来ないことを語って聞かせた。魔神でさえ自分達よりも酷い不貞に遭っていることに驚嘆した二人はそれぞれの都へ帰っていった。宮殿に戻った兄のシャハリヤールはまず妃と件の奴隷達の首を刎ねさせた。そして大臣に毎晩一人の処女を連れて来るよう命じ、処女と寝ては翌朝になると殺すようになった。三年もすると都から若い娘は姿を消してしまったが、それでも王は大臣に処女を連れて来るよう命じた。この大臣には娘が二人いたが、恐怖と悩みにやつれた父を見て、姉娘のシャハラザードは自分を王に娶合わせるよう父に言った。王のもとに参上したシャハラザードは妹のドニアザードを呼び寄せた。王とシャハラザードの床入りが済むと、ドニアザードはかねて姉に言い含められたとおり姉に物語をねだった。古今の物語に通じているシャハラザードは国中の娘達の命を救うため、自らの命を賭けて王と妹を相手に夜通し語り始めた。千夜一夜の始まりである。ある旅の商人がナツメヤシの種を捨てたところ、鬼神(イフリート)が現れ、「その種が当たって鬼神の子供が死んだので、その商人を殺す」と言った。商人は、身辺整理をしたら必ずここに帰ることを誓い、国に帰り身辺整理をして、鬼神の所に戻ってきた。すると、「羚羊(カモシカ)をつれた老人」と「2匹の猟犬をつれた老人」と「牝騾馬をつれた老人」が通りかかり、鬼神に対して「不思議な話を聞かせるので、商人を許して欲しい」と願い出た。鬼神は3人の話を聞いて、それに感心し、商人を許すことになった。ある商人は、妻との間に子ができなかったので、妾を取ったところ、すぐに男の子が生まれた。妻は嫉妬し、妾と男の子を魔法で牛に変えてしまった。商人は妾の牛を知らずに殺してしまい、男の子の牛も殺しそうになるが、牛があまりに泣くので思いとどまった。牛飼いの娘が、牛の正体を見破り、牛を男の子に戻し、商人の妻を魔法で羚羊(カモシカ)に変えた。商人の息子は、牛飼いの娘と結婚した。男3人の兄弟がいて、父親の遺産を相続した。末の弟は地元で商売を続けたが、兄2人は隊商と旅に出て、一文無しになって返ってきた。弟は兄に金を与え、地元でいっしょに商売をするが、すぐに兄2人は隊商と再び旅に出て、一文無しになって返ってきた。再度、弟は兄に金を与え、地元でいっしょに商売をした。3人は、今度はいっしょに旅に出ることにした。旅の途中で、末の弟は、ぼろを着た女に出会い、結婚した。3兄弟は大儲けして返ってくる。しかし、兄2人は弟の妻に嫉妬し、弟と妻を殺そうとするが、弟の妻は実は女鬼神で、逆に兄2人を魔法で猟犬に変えてしまった。ある商人が旅から帰ったところ、妻が黒人奴隷と浮気している現場を発見した。妻がそれに気づき、魔法で商人を犬に変えてしまった。犬になった商人は肉屋に拾われるが、その肉屋の娘が正体を見破り、人間の姿に戻してくれた。商人は肉屋の娘から魔法を教わり、浮気した妻を魔法で牝騾馬に変えた。ある漁師が網を打つと、スライマーン(ソロモン王)の封印がある壷が取れた。漁師が壷を開けると、サクル・エル・ジンニーという鬼神が現れた。鬼神が漁師を殺そうとすると、漁師が「本当にこの小さな壷に入れるのか」と聞き、鬼神が壷に入ったところを、再度封印してしまった。鬼神は封印を解くように懇願するが、漁師は「イウナン王の大臣と医師ルイアンの物語」を語り断った。しかし、鬼神は再度懇願したため、漁師は封印を解き、鬼神はお礼に、不思議な魚が取れる湖を漁師に教えた。漁師はその湖で魚を取り、王(スルターン)に献上して多額の褒美をもらった。王の料理人が魚を料理しようとすると、調理場の壁から乙女が出てきて、魚を黒こげにし、壁の中に消えて行った。王は不思議に思い、漁師から湖の場所を聞き、調査に出かけたところ、湖の畔の宮殿に住む故マームード王の子であるマサウダ王に出会った。以前、マサウダ王は、妻が黒人と浮気しているところを見つけ、黒人を殺そうとしたが、逆に妻の魔法にかかり、下半身を石にされて動けなくなり、国民は魚にされ、国は湖にされていた。王は話を聞くと、黒人を殺し、黒人のふりをして、マサウダ王の妻に魔法を解くように命じ、魔法が解けると女を殺した。王には子供がいなかったので、マサウダ王を養子にして、都に帰り幸せに暮らした。ルーム人(ローマ人)の国ファルスのイウナン王はらい病にかかり、誰も治せなかった。そこにルイアンという医師が来て、「馬に乗って槌で玉を打てば治る」と言い、実際王の病気は治った。王はルイアンを重用したが、それに嫉妬した大臣がルイアンを中傷し、殺すように進言した。それに対し、王は「シンディバード王の鷹」の話をし、ルイアンを庇う。これに対し大臣は「王子と食人鬼の物語」をし、王にルイアンを殺すことを決心させる。王はルイアンを呼び出し殺すことを告げるが、ルイアンは王に一冊の本を献上し「私を殺したら、この本を開いて読めば、私の首はどんな問いにも答えるでしょう」と言った。王は驚き、ルイアンを殺す前に本を読もうとするが、本の紙は張り付いていて、容易にページをめくることができず、王は指をなめながらページをめくるが、実は本には毒が塗ってあり、毒をなめた王は死んでしまった。ファルスの王シンディバードは、ある時、家来と共に狩に出て大きな羚羊(カモシカ)を見つけ「これをやり過ごした者は命がないぞ」と宣言した。ところが羚羊は、王の頭上を飛び越えて逃げてしまい、王は自分に死刑を宣告した形になってしまった。その時、王の鷹が羚羊に追いつき、クチバシで眼を潰して羚羊を動けなくし、王は羚羊を捕まえることができた。王は、木の幹をつたう水を見つけ、杯に取って鷹に与えるが、鷹は杯を倒して飲まなかった。今度は馬に与えるが、鷹はそれも倒して馬に飲ませなかった。王は怒り、鷹を殺すが、王が水と思っていた物は、毒蛇の毒であったことを知り後悔した。ある王子が狩に出たとき、大きな獣が見つかり、お供の大臣は王子に追いかけるように言った。王子は砂漠の奥深くまで獣を追って行ったが、結局見失ってしまった。すると、そこで王子は隊商からはぐれたインドの王女を見つけ、これを助けて馬に乗せ帰ろうとした。帰る途中、王女は用を足しに行きたいと言い、王子は馬を休めた。王子は王女の後をこっそりつけて行き、王女は実は女食人鬼で、王子を食べようとしていることを知った。戻ってきた王女に王子は「私には敵がいる」と言うと、王女は「神に祈れば敵は消える」と答えた。王子が神に祈ると、王女は消えてしまい、王子は助かった。王子は、大臣が獣を追うように言ったことがこの危険の原因と考え、大臣を死刑にした。バグダードのある荷かつぎ人足の所に、美しい乙女ファヒマが来てこれを雇い、市場で買った豪華な料理や菓子を大きな館まで運ばせた。館には、上の姉ゾバイダと中の姉アミナがおり、荷かつぎ人足は雄弁の才能を気に入られ、客として迎えられ、4人は全裸で戯れた。すると、3人の托鉢僧()が訪ねて来て、さらに、商人に変装した教王(カリーファ)ハールーン・アル・ラシード、大臣ジャアファル・アル・バルマキー、御佩刀持ちマスルールの3人組が訪ねて来た。全員が「汝に関わりなき事を語るなかれ、しからずんば汝は好まざることを聞くならん」と誓うと、客として迎えられる。食事が済むと、上の姉ゾバイダは2匹の牝犬をムチで打ちはじめた。次に、中の姉アミナは琵琶を弾き詩を歌い、感極まって服を破ってしまうが、体にムチの痕があるのが見えた。客たちは、不思議に思い、誓いにもかかわらず、姉妹に質問してしまった。すると7人の黒人剣士が現れ、客を全員縛ってしまった。そこで、客たちが身の上話をすることになり、「第一の托鉢僧の話」「第二の托鉢僧の話」「第三の托鉢僧の話」が語られた。乙女たちは話に感動し、客全員を許し解放した。翌日、宮殿に帰った教王は、3人の乙女と3人の托鉢僧を呼び出し、乙女たちに話をさせ、「第一の乙女ゾバイダの話」と「第二の乙女アミナの話」が語られた。教王は、女鬼神を呼び出し2匹の牝犬を2人の乙女に戻し、ゾバイダとこの2人の乙女を3人の托鉢僧と結婚させた。中の姉アミナは教王の息子アル・アミーンと結婚させ、末の妹ファヒマは教王自身と結婚させた。荷かつぎ人足は侍従長に任命した。彼らは、教王の庇護の下、幸せに暮らした。私はある国の王の息子で、父王の弟は別の国の王で、私はその国に遊びに来ていた。ある夜、弟王の王子に頼まれて、王子とある女と3人で墓場まで行き、王子と女が地下階段を下りたら、階段に蓋をして分からないように土で埋め、そのことを秘密にするように言われ、その通りにした。しかし、私は秘密を守ることが負担になり、自分の国に帰ろうとした。ところが、自分の国では大臣が反乱を起こして父王を殺しており、私は捕らえられてしまった。以前、私は大臣の目を誤って矢で潰しており、その復讐として大臣に左目を潰され、さらに処刑されることとなった。しかし、父王の恩を知る者により逃がしてもらった。私は、弟王の都に行き、弟王に全てを話した。弟王は、地下階段を見つけ、下りていくが、王子といっしょにいた女は実は王子の妹であり、近親婚が許されないため地下に食料を蓄えそこで暮らそうとしたものであったが、地下の寝台で神の怒りに触れて抱き合ったまま炭になっている2人を発見した。そのとき、自分の国の大臣の軍が弟王の国に攻めてきて、これを滅ぼした。私は托鉢僧()となり、バグダードに逃げることとなった。私はある国の王子であったが、インドへ向う旅の途中、盗賊に襲われ、一人見知らぬ町に逃げ延びた。国に帰ることができず、木こりとして生活するが、ある日、森で斧が地中に埋もれた銅の輪にひっかかり、それを掘り上げると、地中に繋がる階段が現れた。それを下りると、豪華な広間に通じ、寝台に美しい乙女がいた。乙女はインドの黒檀島の王アクナモスの王女で、12歳の時、結婚式の前夜、魔王の息子ラジモスの息子ジオルジロスにさらわれて、以来20年間ここに監禁されて、10日に1晩、鬼神ジオルジロスの相手をさせられていた。私は鬼神の不在を良いことに王女と交わるが、結局鬼神に見つかってしまい、王女は折檻の末殺され、私は猿にされて、ある山の頂に捨てられた。猿になった私は、山の頂から転げ落ち、海岸に着き、通りがかった船の船長に拾われた。船がある港に入ったところ、猿になった私は紙に見事な筆跡で詩を書いたので、港の王は驚き、王は船長から猿になった私を買い取り、宮殿で飼うことにした。宮殿では姫君が私の正体を見破り、私を元の姿に戻そうと、鬼神ジオルジロスと激しい魔法の戦いを始めた。戦いで火と火がぶつかり合い、鬼神ジオルジロスと姫君は焼け死に、王は顔の下半分を焼かれ、私は左目を焼かれて失うが、人間の姿に戻ることができた。姫君を失った悲しみに、王は私に去るように言い、私は托鉢僧()になって、バグダードに来た。私はある国の王子であり、父王カシブの死後、王となった。あるとき領地を巡る船の旅に出たが、嵐で進路を失い「磁石の島」に船は引き寄せられ分解し、私は「磁石の島」に打ち上げられた。すると声が聞こえ、「足元を掘ると弓と3本の矢が見つかるので、それで島の頂上にいる銅の馬に乗る銅の騎士を撃て。すると銅の騎士は海中に落ちるので、弓と矢を足元に埋めよ。島は沈むが、銅の男を乗せた船が通りかかるので、その船に乗り10日の旅の後、救いの海に至る。しかしアラーの名を唱えてはならない。」と告げられた。私はその通りに行動したが、10日目に思わずアラーに感謝の言葉を捧げてしまい、その瞬間銅の男は私を海に投げ捨てた。私はある無人島に漂着した。私が見ていると、船が来て、土を掘って地中に埋めた階段を開き、食料と美しい少年をその中に残し、階段を再度埋めて、船は去っていった。私は、土を掘り返し、階段を降りたところ、少年は豪商の息子で、占い師から「磁石の島が沈んで40日後に、カシブの息子に殺される」というお告げを聞たので、ここに隠れに来たと話してくれた。私は少年といっしょに地下で暮らしたが、予言の日、私の持った包丁が少年の胸に刺さり、少年は死んでしまう。そこへ少年を迎える豪商の船が来たので、私は隠れた。海を見ると、引き潮で島と陸が繋がっているのが見えたので、私はそこを渡って陸に逃げた。陸には巨大な真鍮の宮殿があり、そこに左目の潰れた10人の奇妙な若者と一人の老人がいて、老人に左目の理由を聞くと「羊の皮をかぶり露台にいると、ロクという巨鳥が羊と間違えさらって遠い山の上まで連れて行くので、そこで逃げ出し、歩いて黄金の宮殿まで行けば分かる」と言われた。言われたとおりにして黄金の宮殿に入ると、美しい40人の乙女たちがいて、非常な歓待を受け、40人と順番に夜を共にした。ある日、40人の乙女は「40日間宮殿を離れるが、庭の奥の銅の扉だけは開けてはならない」と言い、私だけを残し出かけてしまった。私は40日目に銅の扉を開けてしまうが、中に馬がいて、それにまたがると馬は空を飛び、真鍮の宮殿まで来て、私を落馬させ、そのはずみで私の左目が潰れてしまった。私は、10人の奇妙な若者と一人の老人と別れ、托鉢僧()となり、バグダードまで来た。私には、同じ父母から生まれた2人の姉と、父は同じだが母が異なる妹アミナとファヒマがいた。父が死んだとき、財産を姉妹で分け、私は姉2人といっしょに暮らしたが、姉2人はそれぞれ結婚し、商売の旅に出、夫が破産し離婚されて帰って来た。私は、姉2人を養ったが、1年後再び姉2人はそれぞれ結婚し、商売の旅に出、夫に捨てられて帰って来た。再度、私は姉2人を助け養うが、1年後、今度は3人で船旅に出た。船は進路を失うが、住民がみな石になっている町にたどり着いた。私は宮殿の奥に入り込み、生きている若者を発見し尋ねると、若者は「この町の者は皆、ナルドゥンの神の信者であったが、アラーの神の怒りに触れ、全員石にされたが、イスラム信者である王子の私だけが助かった」と話した。私と若者は、バグダードに帰り結婚することを約束した。しかし、姉2人は嫉妬し、帰りの船から若者と私を海に投げ捨て、若者は水死した。私は、ある島に打ち上げられた。ふと見ると、アオダイショウがマムシに追いかけられていたので、石をマムシに投げてマムシを殺した。アオダイショウは実は女鬼神で、女鬼神は助けてくれたお礼に、私を船の宝といっしょにバグダードまで連れて行き、姉2人を牝犬に変え、毎日この2匹の牝犬を300回ずつムチでたたくように言って去った。私は、父が死んだ後、裕福な老人と結婚したが、すぐ夫は死に、多額の遺産を相続した。ある日、私のところに醜い老婆が来て「家で結婚式があるので、賓客として来て欲しい」と言うので行ったところ、非常に大きな館で、結婚式はなく、それは、以前私を見て好きになった館の主である美しい若者と、私を会わせるために、若者の乳母の老婆がしくんだウソだった。私は若者を見て好きになり、私は「他の男には心を傾けない」と誓い結婚した。ある日、醜い老婆をつれて市場の絹織物商人の店に行き、最も高価な商品を買おうとしたところ、商人が「金は受け取れない。かわりに頬にキスをさせてくれ」と言ってきたので、断ったが、醜い老婆が「キスをさせた方が良い」と説得するので、キスをさせたところ、頬に歯で傷をつけられた。家に帰り、夫に見つけられ、誓いを破ったとして殺されそうになったが、醜い老婆のとりなしで命は助かり、裸にされ一生消えない傷がつくようムチで打たれ、館から追い出された。その後、若者も館も消えてしまった。後に、教王ハールーン・アル・ラシードが呼び出した女鬼神により、美しい若者は教王の息子アル・アミーンであることが分かった。教王(カリーファ)ハールーン・アル・ラシードがお忍びで、大臣ジャアファル・アル・バルマキーと御佩刀持ちマスルールを従えバグダードの町を歩いていると、漁師に出会ったので、金を与え網を打たせると、若い女の死体が入った箱がかかった。教王はジャアファルに3日以内に殺人犯を捕らえないと、代わりにジャアファルを死刑にすると告げた。犯人は見つからず、ジャアファルが死刑になろうとしたとき、若い男が自首し、次に老人が自首した。若い男は殺された女の夫で、老人は殺された女の父であった。ある日、病気がちの妻が「林檎が欲しい」と言ったので、若い男はバグダッドの町中を探したが、林檎はなく、遠くバスラの町の教王の果樹園まで旅して園丁から林檎を3個分けてもらって帰ったが、妻は結局林檎を食べなかった。若い男が町を歩いていると、黒人が林檎を持っていたので、聞くと「愛人からもらった」と言ったので、妻が浮気したと思い、逆上して妻を殺してしまったが、その林檎は取られたものだと分かり、後悔し、妻の父に告白するが、妻の父は男に同情し、男が自首したことを聞き、身代わりに自首したというものであった。教王は話を聞き、両者に同情して罪を赦し、ジャアファルに3日以内に黒人を見つけなければジャアファルを代わりに死刑にすると告げた。3日後、ジャアファルは自分の娘が家の黒人奴隷リハンから林檎を買ったことを知り、リハンを捕らえ教王に差し出すが、「大臣ヌーレディンとその兄大臣シャムセディンとハサン・パドレディンの物語」をするのでリハンを赦すことを願い出、願いは許可された。昔メスル(エジプトのカイロ)の国に、美男の兄弟の大臣、兄シャムセディンと弟ヌーレディンがいた。二人はある日「もし同じ日に結婚し、同じ日に子供が産まれ、シャムセディンの子が女で、ヌーレディンの子が男なら結婚させよう」と話し合ったが、その際の結資の額について喧嘩をしてしまい、ヌーレディンは町を出て放浪の旅に出た。ヌーレディンはいくつもの町を訪ねた末バスラの町に着き、その国の老大臣に気に入られ、娘と結婚し、美しい男の子ハサン・パドレディンをもうけ、老大臣の隠居とともに大臣になり、よく政治を行った。老大臣は間もなく亡くなったが、ヌーレディンは職に励み、ハサン・パドレディンの教育に努め、優れた学者に子を教育をさせ、ハサン・パドレディンが15歳になるまでに、学者の知識全てを吸収させた。また、ヌーレディンの妻は、菓子の作り方をハサン・パドレディンに教えた。ハサン・パドレディンはその美貌と知識のため、国王に気に入られた。一方、兄シャムセディンは、奇しくも、弟ヌーレディンと同じ日に豪商の娘と結婚し、ハサン・パドレディンが生まれた日と同じ日に、美しい女の子セット・エル・ホスンをもうけた。その後すぐに、ヌーレディンは病気で死亡し、ハサン・パドレディンは悲しみのあまり国王の所に行かなくなったので、国王は怒り、ハサン・パドレディンの全財産を没収し、捕まえるよう命令するが、ハサン・パドレディンは無一文で逃げ、町の外のヌーレディンの墓に着いた。そこにユダヤ商人が通りかかり「次に入港するヌーレディンの船を千ディナールで買う」ことを申し出、ハサン・パドレディンは同意し、千ディナールを受け取った。ハサン・パドレディンは父の墓で眠ってしまった。そこに、女鬼神が通りかかり、ハサン・パドレディンの美しさに感嘆するが、男鬼神が通りかかり「エジプトのセット・エル・ホスンの方が美しい」と言うので、口論になり、眠っているハサン・パドレディンを連れて行って見比べようということになった。エジプトでは、国王がセット・エル・ホスンの美しさを知り結婚を申し込むが、シャムセディンが弟ヌーレディンとの約束のため断ってしまい、国王は腹いせに、セット・エル・ホスンをせむしと結婚させることにし、ちょうどその日は結婚式の日であった。男鬼神はせむしを便所に監禁し、ハサン・パドレディンが代わりにセット・エル・ホスンと初夜を共にした。2人が眠ると、鬼神たちは眠っているハサン・パドレディンをバスラまで運ぼうとするが、喧嘩をし、途中のダマスの町の城壁の外に裸のハサン・パドレディンを置き去りにした。翌朝、眼をさました裸のハサン・パドレディンは、狂人扱いを受けるが、町の菓子屋に保護され、養子になった。セット・エル・ホスンはハサン・パドレディンの子を出産し、その美しい男の子はアジブと名づけられた。アジブが12歳の時、父親がいないことをからかわれたので、一家でハサン・パドレディンを探すことにし、ハサン・パドレディンが残していった服にあった書類から、バスラから来たことが分かったので、バスラを目指して旅に出た。一行は途中ダマスに立ち寄り、アジブはお供の黒人の宦官サイードといっしょにハサン・パドレディンの菓子屋で菓子を食べるが、互いに親子であることに気づかなかった。一行は、バスラでハサン・パドレディンの母を見つけ、いっしょにカイロまで帰ることにし、再び途中でダマスに立ち寄った。このとき、ハサン・パドレディンの母は、菓子の味から、菓子屋がハサン・パドレディンであることに気づき、いっしょにカイロに帰り、幸せに暮らした。昔、シナの国(中国)に仕立屋がいて、ある日、せむし男を夕食に招いたが、魚を無理に食べさせたところ喉に詰まらせて、せむし男は死んでしまった。仕立屋は、死体をユダヤ人医師の家に捨てたところ、ユダヤ人医師は死体につまずき階段から落としてしまい、自分が殺したと勘違いした。ユダヤ人医師はせむし男の死体を御用係の家の台所に捨てたところ、御用係は泥棒と勘違いし、死体を棒で殴り、自分が殺したと勘違いした。御用係はせむし男の死体を市場の壁に立てかけて置いたところ、通りがかったキリスト教徒の仲買人が強盗と勘違いし、死体を殴りつけ、自分が殺したと勘違いした。キリスト教徒の仲買人は捕まり死刑を言い渡されるが、御用係、ユダヤ人医師、仕立屋が次々「実は自分が殺した」と自首したので、一同は王の元に連れてこられ、「キリスト教徒の仲買人の話」「シナ王の御用係の話」「ユダヤ人医師の話」「仕立屋の話」が語られた。王は、仕立屋の話が気に入り、その話に出てきた床屋を召し出すが、床屋はせむし男の喉に詰まった魚を取り出して、せむし男を生き返らせた。一同は王の庇護のもと、幸せに暮らした。あるカイロ生まれのコプト人のキリスト教徒の仲買人の所に美しい若者が来て、50アルデブの胡麻を1アルデブ当たり100ドラクムで売る仲介を依頼した。仲介は成功し、5000ドラクムの代金のうち500ドラクムは手数料として仲買人が受け取り、4500ドラクムは若者が一ヵ月後受け取るとして、仲買人が預かることとなった。しかし1か月経っても若者は金を受け取らず、その後もいつまでも金を受け取らなかったが、ついに1年後若者が金を受け取りに来たとき、仲買人は若者を宴会に招き、左手で食事をするのを見て、若者に右手がないことを知った。仲買人が理由を尋ねると、若者は右手のないバグダードの若い商人の話を語った。若者はバグダードの大金持ちの息子であったが、父が死に遺産を相続した後、遺産で商品を買いカイロに旅立った。カイロで商品を売っていると、若者は商品を買いに来た美しい女に恋をしてしまった。若者は毎日その女の屋敷に通い、一夜を共にし、50ディナールを渡して朝帰るということを続けたが、ついに金がなくなり、困ってしまった。若者は市場を歩いているとき人にぶつかり、手が財布に触れた拍子にその財布を盗んでしまったが、その場で捕まり、罰として右手を斬られてしまった。行く当てもなく女の屋敷に行くと、女は悲しみ、右手を失った若者と結婚した。今まで渡した金は全て手付かずで残っており、若者に返してくれた。しかし、女は悲しみのあまり病になり死んでしまった。若者は女の遺産を相続したが、遺産は膨大で、1年かけてようやく処分し終えたので、仲買人の所に金を受取に来たのであった。シナ王の御用係は、ある宴会に行ったとき、ロズバジャというおいしい料理が出されたので、一同おいしく食べていたところ、一人の男だけがそれを食べなかった。一同が理由を尋ねると、男は親指のない商人の話を語った。男の父はバグダードの大商人で、ハールーン・アル・ラシードの時代の人物であった。父の死後、男はバグダードで商人をしていたが、店に高額な商品をつけで買いに来る美しい乙女に恋をしてしまった。その乙女は、ハールーン・アル・ラシードの妃ゾバイダのお気に入りの買物係の侍女であった。男は侍女の手引きで後宮に忍び込み、ゾバイダの許しを得てその買物係の侍女と結婚することとなったが、結婚式の宴会で出されたロズバジャを食べた後、手を洗わずに初夜に臨んでしまい、買物係の侍女は手に付いた匂いでそれに気づき、手も洗わない無神経さに怒り、男を捕らえて両手両足の親指を斬ってしまった。男が「灰で40回、ソーダで40回、石鹸で40回手を洗った後でなければ、ロズバジャは食べない」と誓ったところ女の怒りは収まり、二人はいっしょに暮らしたが、1年後女は死に、男は悲しみで旅に出て、シナの国まで来たのであった。ユダヤ人医師が若い頃、ダマスの市で医師をしていたとき、市の総督から病人を看るように言われて総督の宮殿に行った。病人は美しい青年で、脈を取るため腕を出すように言うと、青年は非礼にも左腕を差し出した。ユダヤ人医師は10日間看病し、青年の病気が治ったので、共に風呂(ハンマーム)に入ったが、青年の右手が斬られてなくなっているのを見て驚いた。青年は、ユダヤ人医師に「右手のないモースルの若者の話」を語り、なぜ右手がなくなったのかを教えた。若者はモースルの町の豪商の息子であったが、叔父たちと共にカイロに商売の旅に出かけ、途中ダマスに立ち寄り商売で大儲けをし、若者はダマスに留まり、叔父たちはカイロへの旅を続けることになった。若者は豪華な家を借り、叔父たちの帰りを待ったが、ある日、屋敷の前を美しい若い女が通ったので声をかけたところ、女は家に来たので、若者は豪華な食事で歓待し、そのまま夜をともにした。翌朝、女は「3日後また来る」と言い残し、名前も言わずに去っていった。謎の女は3日毎に若者の家に来て夜をともにし、翌朝帰って行った。ある日、女は「今度来るとき、私より若く美しい女を連れて来るが良いか」と若者に聞いたので、若者が「良い」と答えると、3日後、謎の女は若く美しい女を連れて来た。謎の女は「この女の方が私より美しいと思うでしょう。」と聞いたので、若者は「はい。」と答えたが、謎の女は「ならばこの女と夜をともにしなさい」と言った。若者と若い女は別の部屋に行き、夜をともにしたが、若者が朝目覚めると、若い女は斬られて死んでおり、謎の女はどこにもいなかった。若者は、若い女の死体を家の床下に穴を掘って埋め、大家に家賃を前払いして家を封印し、カイロに逃げた。カイロでは叔父たちと暮らしたが、叔父たちは商品を売りつくしたので、モースルに帰ることになったが、若者は一人カイロに残った。しかし、その後、金が少なくなったので、若者はダマスに戻った。借家に帰ると、中はそのままになっていたが、クッションの下に殺された女の首飾りを見つけたので若者はそれを市場で売ることにした。市場で仲買人に首飾りを見せたところ、どうやって首飾りを入手したかを質問されて答えることができず、奉行(ワーリー)の所に連れて行かれ、盗んだとウソの自白をしてしまい、罰として右手を切られてしまった。しかし、首飾りを見た総督が若者を呼び出し、真実を語るように命じたため、若者は真実を総督に告げた。総督は、謎の女は総督の長女であり、殺された女は総督の次女であり、長女が嫉妬のため殺したこと、長女はそれ以来閉じこもって泣いていること、若者に罪がないことを告げ、若者に総督の三女を嫁にし総督の養子になるように言ったため、若者は承諾した。それ以来、若者は総督とともに幸せに暮らした。せむし男の事件が起こった日の朝、仕立て屋は職人仲間との宴会に出ていた。そこにバグダード風の服装をした片足の悪い美青年が招かれて来たが、一座の中に床屋の姿を認めると立ち去ろうとした。人々が理由を尋ねると、青年はその床屋こそ故郷バグダードで彼が片足を悪くするに至った不幸の元凶だと答え、次のように語った。青年はバグダードの富裕な商人の一人息子だった。彼はあるとき法官(カーディー)の娘である美しい乙女を見かけ、恋患いに寝付いてしまった。すると一人の老婆が訪れてきて娘との取り持ちを買って出た。老婆から青年の話を聞いた娘は父の法官が金曜の礼拝に出かけている間に家にやって来るよう老婆にことづけた。さて金曜、青年は娘を訪れる前に床屋を呼んで身なりを整える事にした。やって来たのがくだんの床屋だった。青年は床屋をせかすが、床屋は長々とお喋りしていっこうに仕事を済ませないばかりか、青年と娘の逢瀬に付いていこうと出しゃばった。やっと頭を剃り終えた青年は娘のもとへ向かうが、床屋はこっそり後をつけた。青年が上の階の娘の部屋に通されるや否や法官が帰ってきてしまい、下の階の部屋で何か不始末をした奴隷を鞭打ちし始めた。その悲鳴を聞いた床屋は青年が捕まったのだと思い込み、青年の家の人々や群衆を引き連れて法官の家に押し入った。逃げ場のない青年は大きな箱に隠れた。床屋は中に青年がいるのを察して箱ごと外に運び出すが、野次馬が寄ってたかって箱の蓋を開けてしまう。青年はその場から逃げ出そうと箱から飛び降りる際に片脚を折ってしまった。床屋が今後決して青年から離れずその相談役になろうと言うのを聞いてぞっとした青年は、床屋から逃れるために故郷のすべてを捨ててバグダードを出奔した。しかしここ遥かシナの国で再び床屋と遭遇してしまったのだと仕立て屋達に語り終えると、青年は立ち去ってしまった。驚いた一同が青年の話は本当か問いただすと、床屋は自分がその6人の兄達と違っていかにお喋りでなく出しゃばりでもないか聞かせると言って次のように語った。わたしは教主エル・モンスタル・ビルラーのころバクダードに暮らしていたが、十人の盗賊たちと一緒にいたところをひとまとめに捕らえられた。十人の首をはねよと命ずる教主に対し、わたしは「沈黙家」の名のとおり何も言わずにいる。やがて十人の首が落ち、わたしだけが残ると、それに気づいた教主はそのわけを問う。わたしは六人の饒舌な兄の話をした。第一の兄は片足がきかず、第二の兄は片目で、第三の兄は前歯がなく、第四の兄は盲人で、第五の兄は両耳と鼻をそがれ、第六の兄は唇がない。兄は仕立屋をしていたが、家主の妻に恋をする。しかしこの女は兄を利用し、さんざんタダで仕立てをさせ、最後には罠にかけて妻を襲ったふうに装い、捕らえられた兄は引き回されている途中に駱駝から落ちて足を折ってしまった。わたしは兄を助け、以後これを庇護しているのだ。この前歯が欠けた兄が町を歩いていると、老婆が話しかけてきて、余計なことを言わないと約束するならば乙女たちと楽しく過ごせるだろう、という。ついていってみると確かに三人の美女がいて、さんざんわるふざけをしたあと兄のヒゲをそり顔におしろいを塗りたくり、陰茎をおっ立てて裸の女と追いかけっこをするように求められる。そのとおりにするといつのまにか往来の真ん中に出た。人々は兄の風体をみると狂人だとおもい、鞭打ちのうえ都を追放された。わたしは兄を助け、以後これを庇護しているのだ。盲人である兄は物乞いを生業にしていた。ある家に施しを受けにいくと、それは名うての泥棒で、ひそかに兄の後をつけ、物乞い仲間と三人で食事をしているところに入り込んで一緒に食い物を食べてしまう。それに気づいて騒ぐと、泥棒も盲人のふりをする。四人とも奉行の前にひきたてられると、泥棒は四人の財産を三人で山分けしようとしているのだと訴える。奉行は財産の四分の一を泥棒にあたえ、残りは自分のものとした。わたしは兄を助け、以後これを庇護しているのだ。この兄は肉屋をいとなんでいたが、ピカピカの銀貨で買物にくる常連の老人がいた。兄はこの銀貨を特別に貯めていたが、あるときそれを見るとすべて丸い白紙に変わっている。老人を問い詰めると、魔法に通じていたその男は、店にある羊肉を人肉にみせて告発する。兄は片目をえぐられ、全財産を没収されて追放されてしまった。次にたどり着いた町で兄は靴直しをはじめるが、その地の王は眇(すがめ)がなにより嫌いで、見かけるとかならず殺すという。そこも逃げだすが、また次の町で兄は泥棒にまちがわれさんざんなめにあった。わたしは兄を助け、以後これを庇護しているのだ。なまけものの兄は父の遺産を受け取ると、それを元手にガラス細工の露天商をしていた。店番をしながら美しい大宰相の娘を妻にめとる妄想をする。妄想はどんどんエスカレートし、地位のある娘につれなくする空想のはずみに足をふると、売り物のガラス細工を蹴倒してすべてこわしてしまう。嘆いていると大勢の従者を連れた婦人が、兄に施しを与えた。その後兄の家に老婆が訪ねてきて、あの婦人はお前に気があるために金を与えたのだという。導きにしたがって婦人を訪ね、兄は楽しい一夜を過ごすが、次の朝屈強な黒人があらわれて兄をずたずたに切り裂き、身ぐるみをはいで地下のあなぐらに放り込んでしまった。これは盗賊団の罠だったのである!奇跡的に一命をとりとめた兄は、逆に一味を罠にかけて黒人や老婆たちを殺してしまう。そして女にせまると、彼女はむりやり連れてこられ協力させられていたという。兄は女をゆるし、盗賊団がためた金を持ち出すために人足を呼びにいって戻ってみると、すでに女の姿はなく、そこへ警吏があらわれて兄は捕らえられてしまった。奉行は金をすべて着服し、兄は追放される。さらに城門をでたところで強盗におそわれ、兄が無一文であることを知るとかれらはその腹いせに兄の唇と鼻を切り取ったのである。わたしは兄を助け、以後これを庇護しているのだ。ひどい貧乏の兄は、ひとにたかってくらしていた。ある立派な家に施しを受けにいくと、そこの主人である老人はこころよく引き受け、なにもない料理をうまそうに食って見せる。持ち前の調子良さをみせ架空の宴会にのってみた兄だが、そのうち腹に据えかね、架空の酒で酔ったふりをして老人をひっぱたく。しかし老人はかえって大笑いし、以後兄は老人と親しく過ごした。しかし二十年後老人が死ぬと、兄は旅に出るのだが、ベドウィン人の盗賊に襲われて奴隷にされてしまった。頭目の妻は淫乱な女で、再三兄に関係をせまる。魔が差して女を抱いた兄を頭目がみつけ、ベドウィン人は兄の唇をそぎ、さらに陰茎を切り落としたのである。わたしは兄を助け、以後これを庇護しているのだ。
出典:wikipedia
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