セブン=フォートレスRPGは菊池たけしが製作したヒロイックファンタジーテーブルトークRPG(TRPG)。1996年にホビージャパン社よりボックス版にて発売された。セブン=フォートレスシリーズの第一弾である。この項目では1999年に発売された復刻版である『セブン=フォートレス クラシック』についても合わせて解説する。1991年にRPGマガジンで連載されたリプレイ『アルセイルの氷砦』が人気を博したことから、このリプレイで使われていた菊池たけし自作のオリジナルシステムを商品化しようという企画がホビージャパンで動き出した。こうして作られたのがこの『セブン=フォートレスRPG』である。ゲーム全体を貫いているコンセプトは「燃えるバトル」の表現であり、とにかく戦闘(バトル)に特化したゲームとなっている。それも剣の一撃が大地を削り、魔法の一発が山をも砕くような少年漫画的なパワーインフレバトルの再現を基本としている。そのためゲーム中で扱われる数値(能力値やダメージなど)の幅が異常に大きいのが特徴である。パワーインフレバトルのコンセプトはセブン=フォートレスシリーズにはどれも共通するものであるが、この『セブン=フォートレスRPG』は後発のシリーズと比べても、この部分へのこだわりが群を抜いている。また、発売までに連載された二つのリプレイ『アルセイルの氷砦』と『フォーチューンの海砦』に出てきたようなユーモア溢れるキャラクターを誰でも作れるようにすることも念頭にデザインされており、「ギャグ調のキャラクター」が作られやすくなっているのも特徴である。セブン=フォートレスシリーズに共通する基本的なゲームシステムについては、セブン=フォートレス#システムの節を参照。ここでは『セブン=フォートレスRPG』に固有の部分を解説する。属性一つとキャラクタークラスを一つ決定することで、その組み合わせでPCの能力値が決定される。以後のシリーズにある「クラスごとの特殊能力」の概念があまり強くないため、クラスごとに得手不得手はあっても「このクラスでないとできないこと」はあまりない。なお、属性はダイスでランダムに決まる。『セブン=フォートレスRPG』ではライフパスの一種として「特徴&特殊能力決定チャート」というのがあり、これによりプレイヤーキャラクターは他の仲間では真似できない「自分だけの能力」を得ることができる。この、「特徴&特殊能力」は暗視能力や浮遊能力など比較的ノーマルなものもあれば、「すっとこどっこい」や「足がクサい」などゲーム中でどう使えばいいのかわからないような奇妙な能力も多数用意されている。なお、特徴&特殊能力はダイスでランダムに決まる。『セブン=フォートレスRPG』で使われる魔法は「属性魔法」といわれる魔法である。これは「魔法を誰でも使えるように」と古代文明で作られた魔法体系であり、ファンタジーTRPGでは稀有なくらいに本当に手軽に魔法が使える。魔法の使用は得手不得手はあっても誰でも可能であり、マジックポイントもかなり手軽に回復する。そのため、『セブン=フォートレスRPG』では魔法はここぞという時の決め技のように使うのでなく、戦士が剣を振るうように戦闘で連発してもあまり困らないものとなっている。このように魔法を手軽に使えるゲームは2000年代以降はメジャーなものとなっているが、『セブン=フォートレスRPG』が発売された当時では珍しい部類であり、魔法を使いまくれるという部分は『セブン=フォートレスRPG』の強い特徴となっていた。魔法は属性ごとに分けられており、自分の属性の魔法ならばクラスに関係なく習得することができる。なお、属性魔法は「考えるだけで発動する」という設定の元、後のシリーズにある詠唱時間のルールは存在していない。剣技とは戦士のための魔法のようなものである。受け流しや攻撃のための「型」のようなものから、剣から真空波を放てるような派手なものまで、多種多様な剣技が用意されていて、魔法と同じように習得することができる。闘気法は素手格闘を行うキャラクターのための技であり、剣技と同じルール形式で多数の闘気法が用意されている。闘気法があれば素手でも武器を持つキャラクターにひけをとらない活躍が可能となる。剣技と闘気法はルール第二弾『セブン=フォートレス Advanced』では一旦撤廃され、サプリメントである『セブン=フォートレス EX』が出るまで復活されなかった。また、ルール第三弾『セブン=フォートレス V3』ではクラス別の特殊能力(特技)の概念が追加されたことから、剣技と闘気法は完全に撤廃されてしまった。バーニングポイントとはヒーローポイントの一種であり、アニメや漫画などでよくある「燃えるシチェーション」を引き起こすことができるルールである。キャラクターが「燃えるシチェーション」が起こりうるであろう状況になったときに、キャラクターごとに設定されたバーニングポイントという数値を消費することによって、通常ではありえない現象(例:死んだはずのキャラクターが「実は生きていた」ことになって仲間のピンチにかけつける)が起こすことができる。どのような「燃える現象」を起こせるかはリスト化されているが、GMがノリに応じてアドリブで作ってもよい。『セブン=フォートレスRPG』を代表する固有ルールであり、後のセブン=フォートレスシリーズにはこのエッセンスは全く受け継がれていない。『セブン=フォートレスRPG』ではユーザーが魔法や剣技を自作するためのルールがある。これを使えばプレイヤーキャラクターが「自分にしか使えないオリジナル技」を持つことも可能となっている。なお、ルールブックに収録されている魔法や剣技もこの自作ルールに基づいてデザインされたものである。この自作ルールは綿密なバランスが考慮されたものなため、TRPGの部類としてはかなり難解な計算が必要なものとなっている(小数点二桁の計算を駆使する)。『セブン=フォートレス クラシック』は1999年にゲーム・フィールド発売された『セブン=フォートレスRPG』の復刻版である。ボックス版で三分冊だったホビージャパン版とは違い、一冊の書籍にまとめられている。これはデータバランスは全面的に見直されているだけでなく『セブン=フォートレスRPG』にない固有のシステムが追加されている。これはこの時期にはすでに発売されていたセブン=フォートレスシリーズ第二段『セブン=フォートレス Advanced』からのフィードバックで生まれたルールである。舞台となる幻想世界ラース=フェリアは世界の危機が無数に転がっており、同じくらい世界を救う勇者たちがゴロゴロいる非常にパワフルなファンタジー世界である。世界観の概略は、"セブン=フォートレス#世界設定"および"主八界"を参照。ここでは『セブン=フォートレスRPG』の舞台となる時代について解説を行う。『セブン=フォートレスRPG』は十六王紀963年を基本的な舞台にする。これはリプレイ『フォーチューンの海砦』の第二部と同時代でもある。十六王紀とは、超古代文明であるプロレターリア文明が滅び、数千年の「虚無の時代」の後にやってきた現世人類の時代である。この時代、人類は十六の都市国家に分かれて繁栄している。都市国家同士の小競り合いはありながらも大きな勢力圏の変更もなく1000年近くこの体制は護られている。また、十六の都市国家は「評議会」というゆるやかな連盟を構成しており、世界の危機に対しては都市国家全てが協力体制をとる。この時代は一般的な文明レベルが「剣と魔法の中世ファンタジー世界」ではあるが、文化レベルの方はかなり高めである。一般市民たちはほとんどが読み書きが出き、どこの都市国家でもある程度の職業選択の自由がある。税金の制度もしっかりしており、選挙制度も発展している。さらには哲学や思想なども現代世界並に発達しており、服飾や建築物が「ファンタジーぽい」ことを除けば、この世界のすむ住人はほとんど現代人とあまり変わらないメンタリティを持っている。探索者とは古代プロレターリア文明の遺跡に潜り、そこから超古代文明の遺産を見つけ出すことを専門としたものたちのことである。この世界では古代文明の遺産はとても重要な「力」であり、国家や権力者はこぞって欲しがる。この探索者たちの互助会として世界的な規模を持つ組織が探索者協会(シーカ・ユニオン)である。協会は金貸しのギルドから発展した組織である。生活の不安定な探索者たちは借金をすることが多く、一攫千金をなせば返してくれるが探索が上手くいかず破産するものも多い。そこで、探索者たちから効率的に金を回収するために借金取りたちが投資して作り出したのが探索者を支援する協会なのである。そのため、探索者協会の基本的なサービスの一つに借金ができるというものがある。探索者協会は探索者に対して仕事を斡旋することも行うが、斡旋する仕事は遺跡探索だけではない。荒事のプロでもある探索者たちの力を遺跡探索以外にも使って欲しいと思っているものは世界中におり、彼らから仕事の依頼を受け希望する探索者に割り当てるのも協会の役割である。このゲームではプレイヤーキャラクターは原則的に全員がこの「探索者」の立場になる。十六都市国家は以下のようになっている。『セブン=フォートレスRPG』は発売までにかなりの期間をかけたゲームシステムである。そのため、製品版が世に出る前からリプレイやネットなどで開発中のシステムが公開されていた。括弧内は" 出版年/出版社/形態" の順番。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。