ゴッタルド峠(ゴッタルドとうげ、独Sankt Gotthard ザンクト・ゴットハルト、伊San Gottardo サン・ゴッタルド、日本ではフランス語読みのサンゴタール峠としても知られる)(標高2108メートル)はスイスのティチーノ州アイロロとウーリ州ゲシェネンの間にある峠である。スイスのドイツ語地域とイタリア語地域を結び、ミラノへ通じる道ともなっている。古代から峠の存在は知られてきたが、13世紀前半まで一般的に交通路として用いられることはなかった。初夏には雪解けの水で溢れるシェレネン渓谷の急流を渡河し、アンデルマットまで狭く急峻な峠道を通り抜けなければならなく、遭難者も多発した。峠の名前は1236年頃にはバイエルン公国の聖人ヒルデスハイムのゴッタルドから名づけられている。近隣の村の伝承によれば、ほぼ例年で峠を越えようとして溺れたりして遭難死した者は4月から5月に掛けてピークとなっていたようである。そのような困難な環境での架橋のために悪魔の橋と呼ばれるようになった橋がこの地に存在している。同じような環境で架けられて同じく悪魔の橋と呼ばれるようになった他の橋と並んで、アンティ・アールネによる民話集1191番に架橋の伝説が収録されている。この伝説の岩は今も存在しており、1977年にゴッタルド道路トンネルの建設のためにこの220トンの岩は30万スイスフランを投じて127メートル移動させられている。この架橋によりロイス川に沿って、北海へ注ぐライン川と、ティチーノ州からミラノの方へ流れて地中海に注ぐポー川の分水嶺を越えることができるようになった。ただし1775年に馬車の通れる改良された道路が建設されるまで、徒歩と駄獣のみが通行できる道であった。1799年にはフランス革命戦争に参加していたロシアのアレクサンドル・スヴォーロフ元帥がこの峠を通過している。1888年には177人の犠牲者を出した全長15kmのゴッタルド鉄道トンネルが開通し、峠道を置き換えている。全長17kmのゴッタルド道路トンネルは1980年に53人の犠牲で開通している。峠を通過する第2鉄道トンネルであるゴッタルドベーストンネルが2016年6月1日に開通した。スイス政府は建設関連の死者を10人以下に抑えることを目標としていた。ベーストンネルの全長は57km、総延長は155㎞で、完成した時点で青函トンネルを抜いて世界最長の鉄道トンネルとなった。アルプトランジット計画の一環として建設されているチューリッヒやルガーノに近いツィンメルベルクベーストンネルとチェネリベーストンネルと合わせることで、旧トンネルを含む旧線のようなボトルネック区間なくほなりぼ水平に通り抜けられるようになるため、従来3時間40分かかっていたチューリッヒからミラノまでの所要時間を1時間短縮し、1列車あたりのトン数や列車運行本数も増強されることになった。
出典:wikipedia
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