名古屋市交通局N1000形電車(なごやしこうつうきょくN1000がたでんしゃ)は、名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)東山線用の通勤形電車。東山線としては5050形以来15年ぶりの新形式であり、1980年に登場した5000形の置き換えのため、2007年(平成19年)から急速に順次投入されている。従来車よりコストダウンを図り、かつバリアフリーの深度化を目指して設計された。1編成当たりの購入価格は約6億3000万円である。外観デザインはこれまでの丸みを帯びたものから直線を多用したものに変え、ステンレス製の車体は上飯田線7000形まで採用されていたビードプレス工法をやめ、名古屋市営地下鉄の車両で初めての日車式ブロック工法を採用した。車両寸法は5050形とほぼ同一であるが、床面高さを従来より60mm下げレール面から900mmとし、駅ホームと車両床面の段差が約50mmになるように設計されている。先頭車前面は前照灯の上に尾灯が配置され、非常用貫通扉は運転台から見て右側にオフセット配置されている。行先表示器は名古屋市交通局の地下鉄車両で初めてのLED式とされた。客室の窓ガラスは5050形と同様に東山線の路線特性からカーテンを省略しているが、地上区間での居住性を考慮して熱線吸収着色ガラスを使用した。冷房装置は薄型集約分散式で、車端部に2基搭載する。座席はオールロングシートであるが、構造は上飯田線7000形で採用された片持式を踏襲する。N1105編成以降は座席端部の袖仕切りが大型化され、鶴舞線N3000形と同様、座席の間に二本の手すりが設置されているほか、一部のつり革が従来よりも低い位置に設置されている。客用ドア上部には車内案内表示装置が設置されており、N1104編成までは2段式LED式、N1105編成以降は17インチ液晶ディスプレイ(LCD)方式(通称「ハッチービジョン」)のものが、それぞれ千鳥配置で設置されている。N1104編成までは、全客用ドア上部にドアの開閉方向を示す表示器が設置されているが、N1105編成以降は、液晶画面の無いドア上のみに設置されている。客用ドアの室内側は化粧板仕上げである。また、客用ドア部の床材は識別を容易とするために黄色とされた。冷房装置搭載部の天井は段差を解消し、結果として室内空間の拡大が図られている。車椅子スペースは5050形の両先頭車への設置から1両に1か所への設置へと拡大された。運転台の主幹制御器は上飯田線7000形に引き続き右手操作形ワンハンドル式が採用された。さらに運転台にはモニタ装置操作用の液晶ディスプレイがコンソール内に組み込まれている。主回路システムは三菱電機製のVVVFインバータ制御であるが、制御素子は5050形のGTOサイリスタからIGBTに変更され、回生ブレーキおよび純電気ブレーキ機能を有する。1基のインバータ装置で4個のかご形三相誘導電動機を駆動する1C4M方式2群を1ユニットとして、中間電動車のN1200形およびN1500形に搭載される。センサレスベクトル制御を採用したことにより、空転時に適切なトルクと回転数を得ることが可能である。主電動機出力は75kW、MT比は4M2Tで5050形と同一である。冷房装置などサービス機器の電源である補助電源装置もIGBT素子の静止形インバータ (SIV) が採用されており、これは両先頭車に搭載されている。ブレーキシステムは遅れ込め制御を有するATC連動回生併用電気指令空気式で、両先頭車にはさらに滑走防止機能も搭載する。台車は日本車輌製造製の円錐積層ゴム式ボルスタレス台車で、ホイールベースは1,800mmである。車輪は従来車のせん断形弾性車輪とは異なり、一体圧延防音車輪が採用された。藤が丘方面先頭から4両目に当たるN1400形は平日の始発から終電まで女性専用車両となる。2007年10月30日にN1101編成が日本車輌製造豊川製作所から藤が丘工場に輸送され、同年11月11日に同工場で開催された地下鉄開業50周年記念事業のメインイベントにおいて初めて一般公開され、試運転を実施し、2008年3月26日から東山線で営業運転を開始した。2009年2月から2010年10月にかけておおよそ1年1編成のペースでN1102編成、N1103編成、N1104編成が順次落成し、営業運転を開始している。また、2012年度からは、2015年度のATO導入によるワンマン運転化・ホームドア設置に向けて増備が急速に進んでおり、2012年7月から9月にかけてN1105編成、N1106編成、N1107編成、N1108編成、11月から12月にかけてN1109編成、N1110編成が、2013年5月から7月にかけてN1111編成、N1112編成、N1113編成、10月にN1114編成、N1115編成が、2014年6月から7月にかけてN1116編成、N1117編成、N1118編成、2015年2月から4月にかけてN1119編成、N1120編成、N1121編成が順次落成し、営業運転を開始したため、同年4月の21編成目の登場をもって、予定編成数が全て出揃った。2010年7月1日より、名古屋開府400周年ラッピングがN1101編成に施された。ATOを搭載していなかったN1101HからN1104HまでのATO設置及びワンマン運転対応改造が2015年夏頃までに行われる予定で、N1104Hまでの改造が8月末に完了したため、同年9月1日からATO運転が開始した。
出典:wikipedia
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