孫 慮（そん りょ、213年 - 232年）は、中国三国時代の呉の人物。字は子智。父は孫権。兄は孫登。弟は孫和・孫覇・孫奮・孫休・孫亮。妻は潘濬の娘。『三国志』呉志「呉主五子伝」に記述がある。なお、孫綝の従兄に同名の人物（別名は孫憲）がいる（「孫綝伝」）。幼いころから聡明だったので孫権に可愛がられた。228年に建昌侯に封ぜられた。229年秋、孫権は武昌から建業に再び遷都したが、武昌には太子孫登や皇子達を置き、陸遜を武昌に召し寄せた上で、皇子や公子達の教育係を務めさせた。当時、孫慮は闘鴨に熱中していたため、陸遜から学問に勤しむよう諌められたこともあった。孫慮はすぐに鴨の欄を取り壊したという（「陸遜伝」）。230年、顧雍は上奏し、孫慮の位を進めて王にすべきと進言した。孫権は一度これを拒絶したが、尚書僕射からも同様の勧めがあったため、王にする代わりに軍府を開くことを認めさせ、鎮軍大将軍に任じた。231年、九江付近の半州に開府。このとき招かれた人物として薛綜がおり、長史として事務統括を任された（「薛綜伝」）。孫慮は年が若かったため、力量が危ぶまれたが、法を遵守し、師友の言葉を重んじたため、周囲の期待以上の治績を挙げた。232年春正月に死去（「呉主伝」）。享年20歳であった。孫権はその死を嘆き、食事も咽を通らないほどであった。陳寿は、孫慮を孫和と共に「優れた資質を備え、自ら修養に励んだ人物」として評しつつも、短命に終わったことを哀しむべきことであったとしている。

出典:wikipedia