EMD F3は1946年から1949年にかけてGM-EMDで生産された電気式ディーゼル機関車である。最終組立はイリノイ州のラグレーンジ工場で行われ、運転席のあるAユニット1111両と運転席のないBユニットが696両生産された。F3は大いに成功したFシリーズ系列の3機種目であり、シリーズの中で2番目に多く生産された。なお、後年F3を主体に改造されたFP10(F10)についても本稿で説明する。1946〜1949年に製造されたFタイプの3機種目で出力は従来のFT・F2の1,350馬力から1,500馬力に向上し、電動機も改良されている。F3より正面に点灯式大型ナンバーボードがオプションで付けられるようになったが、この大型ナンバーボードは好評だったためかその後標準装備になった。Fシリーズ系列の3機種目であるF3は製造時期によりフェーズI - IVの種類に分けられ、下記の通りボディに変化が生じている。上記までがF3のフェーズの違いであるが、この違いはEMDにて製造時の形態であり後に作られたF7と比較し形態が異なるフェイズIやIIなどは後年所属していた鉄道会社により修繕された車両も多い。フェーズIIはchicken wireと称された金網で広く覆われた側面が特徴であるが、ウエスタンパシフィック鉄道のF3-803A号のように丸窓の間に設置された金網を撤去した車両がある。修繕によりフェイズI・II仕様の側面をフィーズIV仕様にした車両も存在するが、屋根のファン形状はフェーズII前期型までの角ばった形状を搭載やF3-9762号のように後年設置したフィルタ格子の数が本来のフィーズIII以降の車両と比較して少ない等という変わった外観の車両も存在する。その他後年、F7とともに下記のFP10と同様の改造を施し馬力をF9と同等の1,750馬力にした車両があり、F9PHと称される車両もある。元々に納車されたF3を中心とするAユニットの一部がマサチューセッツ湾交通局に譲渡され、さらに1970年代後半にエンジンを1,500馬力から1,750馬力の出力に改良し、後に作られたF9と同等の出力になった形式。FP10は1100〜1114・1150〜1153の合計19両が存在するが18両がF3からの改造で1104号のみがF7からの改造となっている。外観も特徴的な丸窓がなくなった他、フィルタ格子が大きくなり設置数が4つから5つに変更されており、機器の変更に伴い後ろ側の乗務員扉の後に膨らみが生じる等変化がみられる。また、F3はフェイズの違いにより側面の形状が異なっているがF3からの改造車は側面上部に金網が使用されているフェイズI〜II前期車からの改造のため、フェイズIV以降に採用されたステンレス鋼製のグリルに交換された。さらに屋根上に設置された4つのファンもフェイズII前期車までの角ばった形状からフェイズII後期車以降丸みを帯びた形状に変更されている。F10と称されることがあるが機関車自体はFP10と同じ。そのため、FP7及びFP9はベースとなったF7及びF9より全長が1.2m長いがF10とFP10は車体の長さが同じである。マサチューセッツ湾交通局の他、後年4両が譲渡されたメトロノース鉄道でも活躍し、非電化区間ではFL9と重連を組むこともあったが、FL9と同様にP32AC-DMやBL-20GHの投入によって引退した。(譲渡された4両はすべてF3からの改造車)Fシリーズは本来貨物列車牽引用の機関車であり、最初のFT型は旅客列車の暖房用の蒸気発生装置を持っていなかったものの、Bユニット後部にある空きスペースに蒸気発生装置を設置した事例があったことから、F3では販売時に蒸気発生装置をオプションで取り付け可能とした。そのため後継のF7とともに旅客列車で牽引する機会も多く、Fシリーズを貨客両方に使用したアッチソン・トピカ・アンド・サンタフェ鉄道 ではスーパー・チーフの牽引も行った。なお、スーパー・チーフは1948年1月25日にロサンゼルス駅構内で車止めを突破して柵をも破壊し、下の通りに転落しかけた事故があったがその際の牽引機もF3であった。1両を除きF3から改造されたFP10(F10)も写真の通り、マサチューセッツ湾交通局やメトロノースで通勤列車を牽引していた。F3はFシリーズ中2番目に多く製造されたことから、F7等と同様に一部の車両が保存されている。また、F3を改造したFP10(F10)も一部の車両が保存されている。F9再構築車の保存車両はF9を参照。
出典:wikipedia
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