『クルーズチェイサー ブラスティー』(CRUISE CHASER BLASSTY)は、1986年4月26日(88版)にスクウェア(現・スクウェア・エニックス)より発売されたパソコン用のコンピュータRPG。PC-8800シリーズで最初に発売され、その後PC-9800シリーズ、X1で発売された。FM-7シリーズでも発売予定があったが中止になっている。後に小説がホビージャパンと朝日ソノラマの2社より展開されている。それぞれゲーム版とは別設定の独立した物語であり、メディアミックスではなくリメイクと言うべき位置づけにあたる。2013年5月2日、D4エンタープライズよりWindows向けソフト「Will -CLASSIC PC-GAME COLLECTION-(仮)」にPC-9801版およびPC-8801版が収録される事が発表され、タイトルも「CRUISE CHASER BLASSTY -CLASSIC PC-GAME COLLECTION-」に変更となった。反物質で外部から閉鎖された階層宇宙を舞台としたSFロボットRPG。クルーズチェイサーと呼ばれる登場ロボットのデザインと、戦闘シーンのアニメーション作画を、日本サンライズが担当した。キャラクターの目の部分だけを書き換えて瞬きする程度で「アニメーション」として売りになっていた当時、画面の4分の1という広いサイズを全面的に書き換えてアニメーションをした。メカニックデザインは明貴美加。設定画のブラスティーの変形説明には本編に登場しない美少女キャラが描かれていた。パッケージ内には付録としてキャラクターの設定資料集やBGMが収録されたソノシートが同梱されている。なお、アニメ制作の候補としては日本サンライズのほかに寺沢武一・安彦良和・宮崎駿が検討されていたが、3人には多忙につき断られ、残る日本サンライズがちょうどパソコン用ソフトの企画を検討していたため、お互いの利害が一致して決定した。閉鎖宇宙内に存在する宇宙ステーション「オンディーナ」はコミューンと呼ばれる中枢統括局に統治されていたが、それに反抗してゲリラ活動を行うインバースとの抗争が繰り広げられていた。オンディーナに生まれた主人公は、インバースと戦う賞金稼ぎ「インカー・マース」となり、敵を倒すことで得られる賞金を得て自分の機体を強化していく。ストーリーの中盤ではインバースに寝返ってコミューンを倒すかどうかの選択肢があり、エンディングが2種類ある。ゲームシステムは『ウィザードリィ』と同様の3DダンジョンRPGである。人工物である宇宙ステーション内だけではなく、宇宙空間も一見広大な空間に見えるがゲーム内処理は3Dダンジョンである。「閉鎖された階層宇宙」との設定はここからきている。宇宙空間では真正面に壁(反物質隕石)があるかどうかを表示するだけで左右は確認できない。そして実際はその場で左右旋回するだけなのに、画面では「旋回した後前進する」かのように表示されていたため、プレイヤーを混乱させた。さらに、自分が現在いる座標を確認する手段が発売当初は非公開だった隠しコマンドしか無かったため、目標物がまったくない宇宙空間内で自分の位置を見失ってエネルギー切れでゲームオーバーになるプレイヤーが続出した。救済措置のためか、当時のパソコン雑誌では発売早々にマップと隠しコマンドが掲載されている。後発のPC-9800シリーズ版は、ハードの性能の関係上BGMが存在しないが、座標表示機能標準装備と左右旋回時の前進表示の削除といった改善がなされている。前述のとおり、戦闘中に表示されるアニメーションシーンは当時としては非常に滑らかで画期的だったが、アニメに手をかけたため登場する敵のバリエーションが少なく、戦闘のたびに毎回同じアニメーションを見ることになるのは不評だった。なお、アニメーションはオフに設定することも可能。『ファイナルファンタジーIX』に登場する召喚獣「アーク」は、本作に登場するブラスティーをモチーフとしている。1986年から1987年にかけて「月刊ホビージャパン」に、登場メカのスクラッチモデルの作例記事と併せて連載された。著者は平野靖士、キャラクターデザインは鈴木雅久。メカニックデザインは鈴木雅久&ヴィシャルデザイン。ヴィシャルデザイン(VISCIAL DESIGN)は当時サンライズにいたアルバイト大学生5人組の企画チーム。メンバーは堀口滋(後にソノラマ版を書く)、桑原弘(イラストレーターとしても参加)、鈴木宏郁、塚田延式、柳沢達彦(「ヴィシャルの"や"("や"は○の中に"や")」名義でモデラーとしても参加)。イラストは鈴木雅久、中沢数宣など。モデラーは千葉延雄、鎌田勝、女美由寿、和三朋宏、揚田幸夫、越智信善、野本憲一、秋山徹郎、伊藤宏之、など。後に、物語中盤までの作例を収録したムック本が出版された。ゲーム版の設定である管理社会と反乱軍の戦いを引き継ぎつつ、太陽系を舞台にしアルファ・ケンタウリへの移民があったというソノラマ版の原型になる設定となっていた。後のソノラマ版も含め、登場するメカのデザインはゲーム版のイメージを残しつつもリメイクされている。たとえば、ブラスティーはゲーム版では足の裏に相当する部分が存在し自立できるデザインだが、小説版では劇中、常に飛行・浮遊しており自立する必要がなく、足首がない尖った足をしている。当時ファンサービスのギャグ番外編として「マニエルが主役で悪の組織パンドラーにさらわれたフレディをマニエルとアニタが救出に向う」というストーリーの「巡航追撃人マニエル」(主にヴィシャルデザインが文章担当)、フレディが主役の4コママンガ「おっとどっこいクリスティ」(鱗堂昇作)などが存在し、人気を集めていた。西暦2118年、地球は80年前の第三次世界大戦の戦災から復興し、独立した月面都市群・火星圏・木星圏らと共に太陽系連合国家「ソルランド」の一員となっていた。地球を統べる「監察庁」による管理社会の中で息苦しさを感じていたフレディは、謎の女クリスティとクルーズ・チェイサー「ブラスティー」との出会いにより、全太陽系の支配を目論む「監察庁」と火星の反監察庁抵抗組織「パンドラ」との戦いに巻き込まれていく…。ソノラマ文庫(朝日ソノラマ)より発売。著者は堀口滋。HJ版よりさらにフレディの成長とメカニックの活躍とが大きく描かれている。22世紀。恒星間航行を実現した人類は、他星系の惑星に居住地を求め、開拓に乗り出していた。だが五十年前に太陽系から5.9光年離れたバーナード星系へ旅立った開拓団からの通信が途絶。宇宙軍は調査のため、超光速理論に基づいて完成されたバイアス・ドライブを持つ最新鋭のクルーズチェイサー「ブラスティー」を含む調査艦隊を派遣する。しかし本隊に先行して惑星「エディプス」へ到着したブラスティーを待ち受けていたのは、開拓団の人々ではなく、異星人同士の戦闘行為だった。ブラスティーは運悪くそれに巻き込まれてしまう。基本的にHJ版と同一のデザイン・機能だが、ブラスティーは細部がやや鋭角的になっている。またバイアス・ランチャー、バイアス・フチクチャー、エリクセンの超光速機動能力は劇中で触れられず、存在するかは不明。HJ版ではクルーズチェイサーは基本的にワンオフ機という設定だが、ソノラマ版ではブラスティー以外は複数機が建造されているという設定。チグリフォーンとコレオプテールは戦闘艦として量産されている。また人型高機動戦闘形態はストライク・フォームと呼称される。「エディプス作戦」から帰還したフレディは、地球軌道上の航路管理部に配属され、民間機相手の交通整理に忙しい毎日を送っていた。そんなある日、フレディは新型クルーズチェイサー「クラ・カナール」と偶然遭遇する。クラ・カナールは次期主力チェイサーとして配備計画が推進されており、その中心人物であるシルバー大佐と彼が率いる「ガンマ40」部隊に、フレディはブラスティー共々勧誘される。しかし、フレディは「ある人物」との再会をきっかけにシルバーに強烈な反発を覚え、ガンマ40にクリスティが配属されたのを知りながら話を断ってしまう。そして新たに配属されたパートナー、スカイと共にブラスティーで宇宙軍の大規模演習「トルネード・カムズ」に参加する事となったフレディ。だが、その演習に乗じてシルバーは罠を仕掛けてくる。目的はブラスティーを叩く事。シルバーは何故ブラスティーを排除しようとするのだろうか?
出典:wikipedia
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