『沈まぬ太陽』(しずまぬたいよう)は、1995年から1999年に週刊新潮で連載された山崎豊子による3編に亘る長編小説である。日本航空と、実在する同社社員で同社の労働組合役員である人物の体験に基づいて脚色、再構成されたフィクション社会派作品。単行本・文庫本は700万部を売り上げ、2009年には、映画化された。さらに2016年、WOWOWにてテレビドラマ化された。日本のナショナル・フラッグ・キャリアである国民航空の社員で同社の労働組合委員長を務めた恩地元と彼を取り巻く人々の描写を通して、人の生命にかかわる航空会社の社会倫理を表現した作品である。日本航空とその元社員である小倉寛太郎、単独機の事故として史上最悪の死者を出した日本航空123便墜落事故などがモデルとされている。実在の複数の人物が登場人物のモデルとなったとの推測があるが、作者は公式には認めていない。小説内に「多数の関係者を取材したもので、登場人物、各機関・組織なども事実に基き、小説的に再構築した」という注がある。この作品の『週刊新潮』への連載・映画化に日本航空は不快感を示し、雑誌連載中は日本航空機内での『週刊新潮』の扱いを取りやめていた。 本作は、以下の3編からなる。必ずしも全ての登場人物にモデルが存在するわけではなく、モデルとして複数の意見が存在するものもある。1995年から1999年まで週刊新潮で連載し3部構成を出している。1999年に単行本での出版を経て、新潮文庫から全5巻で刊行されている。3時間22分と長時間の作品であるため、上映途中に10分間の休憩(インターミッション)が入る。2011年2月11日には日本テレビの映画放送番組・『金曜ロードショー』を枠拡大した『金曜特別ロードショー』として、約4時間にわたり本編ノーカットで地上波初放送された。視聴率は15.0%(関東地区・ビデオリサーチ社調べ)。第33回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品。上映時間が3時間を超えた作品が日本アカデミー賞を受賞したのは史上初であり、1980年の『ツィゴイネルワイゼン』の2時間24分をはるかに上回る新記録となった。小説の内容から、映像化は困難といわれていた。2000年に徳間康快・大映社長が、東映との共同制作で映画化を発表したものの、徳間社長が死去したため実現しなかった。2006年5月には、角川ヘラルド映画(現・角川書店(映像事業)。以下 “ 角川 ”)によって、2008年夏公開を目指し製作されることが発表されるなど、何度か映画化の話が持ち上がったが、実現していなかった。また、同じ著者による『白い巨塔』を二度にわたって映像化したフジテレビが2009年の開局50周年にあわせてテレビドラマ化するという企画があったが、立ち消えになっている。しかし、2008年12月、角川は、2009年秋公開として正式に映画化を発表した。角川に吸収合併された旧・大映の社員が奔走し、映画化にこぎつけたという。2009年2月にイランロケでクランクイン。アフリカなどでの撮影も行われ、日本の空港シーンはタイの空港を利用して撮影した。飛行機のシーンは、日本航空の協力が得られなかったため、CGによって再現した。『週刊朝日』によると、日本航空は映画化について、日本航空123便墜落事故に触れ「ご遺族の中には映画化を快く思っていない方もいらっしゃる。すべてのご遺族の心情をきちんと汲んで欲しい」と、映画化反対のコメントを出している。また、日本航空から角川に対し「名誉毀損の恐れがある」と警告文を2度送っているという。角川は「映画は全くのフィクション」であるとしている。また、本編の最後には、航空事故による犠牲者達への哀悼の意と共に、フィクションである旨の但し書きが表示される。しかし、日本航空は自社の社内報の中で「『フィクション』と断っているが、日航や役員・社員を連想させ、日航と個人のイメージを傷つける」「作り話で商業的利益を得ようとする行為は遺族への配慮が欠けている」と再度批判しており、法的な提訴も辞さない姿勢を見せていた。2016年5月8日から同年10月2日までに、WOWOWの「連続ドラマW」枠でテレビドラマ化され放送された。WOWOW開局25周年記念作品。原作者・山崎豊子の没後、初めて映像化された作品である。また、同著者の映像化作品で、地上波以外の放送は初でもある。同じく山崎豊子原作であり、1995年にNHK総合テレビで放送された『大地の子』と同じく、主演は上川隆也。基本的に1作品あたり全4~6回のシリーズ作品が多い「連続ドラマW」だが、本作品は同枠では史上最長となる全20話での放送となる。2部構成で、第1部(全8話)では、アフリカ篇(上下)を、第2部(全12話)では御巣鷹山篇、会長室篇(上下)を描く。
出典:wikipedia
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