『住吉駕籠』(すみよしかご)または『蜘蛛駕籠』(くもかご)は古典落語の演目の一つ。原話は、享保12年に出版された笑話本・「軽口初賣買」の一遍である『乗手の頓作』。元々は上方落語の演目で、住吉大社が舞台である。明治時代に3代目柳家小さんが東京に持ち込んだ。主な演者として、東京では5代目柳家小さんや三遊亭小遊三、上方では6代目笑福亭松鶴や3代目桂米朝などが得意としている。かご屋を狂言回しとしたオムニバス形式となっており、江戸と上方では客の種類や行動が若干異なっている。今回は江戸落語での演出に準拠。夕暮れ時、鈴が森近くで客待ちしている雲助が二人。稼ぎ時だというのに、なぜかこの籠だけなかなかなかなかお客が捕まらない。と、いうのも、二人のうちの一人…この前入ったばかりの新米が、物凄い頓珍漢だったのだ。ついさっきも、兄貴分が用を足しに行っている間にお客を捕まえ、籠に乗せたまではよかったのだが、この『客』というのがすぐ横にある茶店の主。無理やり籠に押し込んで、「まごまごしてやがると、二度とここで商売させねえからそう思え」などと怒鳴られてしまった。このことで兄貴分が説教しているうちに、周りの雲助はみんな客を捕まえていなくなってしまっていた…。最初にやってきたのは、身なりのしっかりしたお侍。「お駕籠は二丁であるぞ」
「有難うございます!!」前の駕籠がお姫さま、後ろの駕籠がお乳母様。…。てっきり上客と思い、喜び勇んで仲間を呼びに行きかけたら「そのような駕籠が通らなかったか」「高い山から 低い山見れば 高い山のほうが 如何したって高い♪」次に来たのは酔っ払い。ほうっておけという兄貴分の忠告を無視して、新米が声を掛けると早速絡まれてしまった。「川崎の大師様におまいりに行って、帰りに船に乗ろうと六郷の渡しまで来ると、後ろから女の声で『あーら熊さん、あーら熊さん』って呼ぶじゃぁねえか。それが幼馴染の辰公んとこの女房で、彼女に誘われて幼馴染のところに遊びに行きご馳走になったんだ。で、帰りがけに船に乗ろうと六郷の渡しまで来ると、後ろから女の声で『あーら熊さん、あーら熊さん』って呼ぶじゃぁねえか。それが幼馴染の辰公んとこの女房で、彼女に誘われて幼馴染のところに遊びに行きご馳走になったんだ。で、帰りがけに…」話が堂々巡りになってなかなか進まない。おまけに、何にも言っていないのに怒り出してしまい駕籠屋は閉口。次に来たのは威勢の良いあんちゃん。粋な姿で、踊りながらやってくる。兄貴分が手本を見せてやるといい、お客のノリに合わせて「駕籠屋でござい!」「駕籠屋 駕籠屋 お駕籠を持っといで♪」しめたとばかりに運んでいくと「駕籠屋 駕籠屋 乗ってやる代わりに駕籠屋も踊れ♪」踊ればご祝儀がもらえると思い、お客の音頭にあわせて踊りだす。しばらく踊っているうちに暗くなってきたので「旦那 旦那 そろそろお駕籠に 乗ったらどうでしょ?」「ウーン こりゃ 乗りたいけど 銭がない!!」兄貴分怒って「張り倒せ! この野郎!!」『何でへんな客ばかりが来るんだよ』と文句を言っていると、置きっぱなしにしていた駕籠の中から声がする。「品川までやってくれ」一分のところを二分くれると言い、しかも天保銭一枚別にくれるという太っ腹な客に感動した駕籠屋。
早速駕籠を担ぐが…重い。持ち上がらない。それでも何とか担ぎ上げ、ヨロヨロと歩き出した。実はこの駕籠、中に二人乗っていたのだ。
江戸に帰るのに話をしながら行きたいが、歩くのは面倒と、駕籠屋をペテンに掛けたというわけ。最初は静かに乗っていたが、やがて興が乗って相撲の話になり、とうとうドタンバタンと取っ組み合いを始めたからたまらない。たちまち底が抜け、駕籠がすっと軽くなった。変だなと思い、簾をめくるとやっぱり二人。下りてくれと文句を言うと、「江戸に着いたらなんとでもしてやるから。修繕代は出すからこのままやれ」。担げませんというと「オレたちも中でかついで歩くから」。こうして、世にも不思議な珍道中が出現した。これを見ていた街道筋の子供が「おとっつぁん、へんな駕籠が来たよ! 駕籠屋の足が四本、かごの中から足が四本。あの駕籠なに!?」「うーん、あれが本当のクモ駕籠だ」『クモ駕籠』とは本来、雲助の駕籠の意味で『雲駕籠』とも書いた。そのいわれは、雲のように居所が定まらないからとも、蜘蛛のように網を張って客をつかまえるからとも言われている。この「雲」と、虫の「蜘蛛」とを引っ掛けてタイトルがついたというわけ。「導入部」~「その三」までは一緒。スピードがあまりに速いので、『宙を飛ぶようだから宙=チュンで雀駕籠』という駕籠屋の自慢を聞いた客が、無理やり駕籠屋にいろいろな鳥の鳴きまねをさせ、「今度はウグイスでやってくれ」「いえ、ウグイスはまだ籠(=駕籠)慣れしておりません」
出典:wikipedia
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