禁煙タクシー（きんえんタクシー）は、車内での乗客および運転手の喫煙が禁止されているタクシーである。1987年までは全てのタクシー内での運転手や乗客の喫煙が禁止されていなかったため、非喫煙者の運転手と乗客も受動喫煙やタバコの残臭による被害を余儀なくされていた。1988年禁煙タクシー第一号の個人タクシーが東京で誕生した。当時は医師の診断書の提出や、屋根上に1m程ある大きな禁煙車表示灯も義務付けられていた。現在の表示灯は小さいものに変更。また、その地域の90%以上のタクシーが禁煙車の場合は表示灯を省略でき、ステッカーのみで禁煙タクシーにできる。以前は申請して許可されるまで期間も長かったが、現在禁煙タクシーにするには経営者（個人タクシーはその人自身）の意思で、いつでもすぐに自由に禁煙車にする事ができる。禁煙タクシーの車内で喫煙した者に対して乗車拒否もできる。この言葉はマスコミにおいてしばしば使われるが、実際は100％という意味ではない。全面禁煙とはその地域の協会に加盟している法人タクシーが全面禁煙という意味であり、協会に加盟していない少数の会社は任意で禁煙車にしない所もある。全面禁煙の実施状況を都道府県レベルで見ると、大分県で2007年6月に導入されたのを皮切りに、長野県、神奈川県、静岡県、富山県、山梨県、岐阜県、愛知県、千葉県、秋田県、茨城県、新潟県、東京都、埼玉県、福井県、群馬県、香川県、沖縄県、福島県、栃木県、岡山県、石川県、滋賀県、奈良県、福岡県、愛媛県、三重県、鹿児島県、山形県、高知県、佐賀県、京都府、熊本県、宮崎県、徳島県、宮城県、兵庫県、広島県、島根県、大阪府、青森県、岩手県、山口県、鳥取県、和歌山県　（以上、実施順）の45都府県で実施済み（2011年1月5日現在）。神奈川県は、2007年7月11日にタクシーの全車禁煙実施に加え、2010年4月1日より神奈川県受動喫煙禁止条例により全国初の罰則を伴う完全禁煙となった。長崎県は地区単位に実施され、ほぼ全域実施されていたが、五島市タクシー協会（約100台）が、2011年2月1日からタクシー車内の禁煙に踏み切り全面禁煙となった。これにより46都府県で実施済みとなった。北海道は最後まで地区単位に実施されていた。全国では北海道の一部地区で自主規制による全面禁煙をしていなかったが2011年7月1日から実施となった。これにより全都府県で実施済みとなった。喫煙率は年々下がり続けているが、タクシー運転手の喫煙率は成人男性の平均喫煙率より高いとされる。また従来は車内がタバコの臭いがするという苦情も多かった。一方、全車禁煙を実施した地域の苦情には、車内で運転手が喫煙していたといったものから、逆に喫煙者への配慮も必要と言った意見などになっている。なお旅客自動車運送事業運輸規則49条第2項に旅客のいる事業用自動車での乗務員の喫煙を禁止する条文があるため、禁煙表示タクシーでなくともタクシー車内に乗客が乗車しているときは運転手の喫煙は禁止されている。

出典:wikipedia