『本格科学冒険漫画 20世紀少年』(ほんかくかがくぼうけんまんが 20せいきしょうねん)は、浦沢直樹による日本の漫画。1999年から2006年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて連載された。完結編である『本格科学冒険漫画 21世紀少年』(21せいきしょうねん)は、2007年1月から7月まで連載された。単行本は『20世紀少年』が全22巻、『21世紀少年』は上・下巻の2巻が刊行されている。作品名は、T・レックスの楽曲「20センチュリー・ボーイ」に因んだものである。第48回小学館漫画賞青年一般部門をはじめ、第25回講談社漫画賞一般部門、第6回文化庁メディア芸術祭優秀賞、第37回日本漫画家協会賞大賞、第39回星雲賞コミック部門、フランスジャパンエキスポアワードグランプリ受賞、海外でも2003年にヨーロッパ最大の漫画賞と言われるアングレーム国際漫画祭の最優秀長編賞を受賞する。その他にも多数の賞を受賞している。2010年12月時点で累計発行部数は2800万部を記録。2008年から2009年にかけては、これら2作を原作とした日本映画『本格科学冒険映画 20世紀少年』が3部作として公開された。※便宜上、1章、2章、3章と区切るが、これは実写映画版の構成に従うものとする。1997年。コンビニを営む男・ケンヂは、かつてのロック歌手になるという夢をあきらめ、突然失踪した姉の娘・カンナを養いながら平凡な日々を送っていた。だがある時、お得意先の一家の失踪や幼なじみのドンキーの死をきっかけに、現在世界各地で起きている異変が、幼い頃自分たちが仲間と空想した“よげんの書”通りに起こっていることに気づき、一連のできごとの陰に暗躍する謎の人物“ともだち”の存在を知る。ケンヂは“ともだち”の正体が同級生の内の誰かだと考え、接触を試みるが、何と“ともだち”がカンナの実の父親であるという、衝撃の事実を突きつけられる。“ともだち”の信者たちの手によって自宅のコンビニを全焼させられ、ケンヂは世界を救うために戦うことを決意。このまま“よげんの書”が実行され続ければ、2000年12月31日に世界は滅亡してしまう。かつての仲間、オッチョ、ユキジ、ヨシツネ、マルオ、モンちゃん、フクベエを呼び集めてケンヂは一派を結成。そして20世紀が終わろうとしていた時、世界中で殺人ウイルスが散布され、東京には巨大ロボットが出現して町を破壊し始めた。ダイナマイトでロボットを爆発させる作戦を実行するケンヂ達だが、そのさなか、フクベエが死亡。ケンヂはどうにか単身ロボットに乗り込み、爆弾をセットし脱出しようとするが、その時彼の前に“ともだち”が現れ、正体を明かす。それを見て呆気にとられたケンヂは逃げる間もなく、大爆発に巻き込まれてしまった――。2014年。あの20世紀最後の大事件は“血の大みそか”と語り継がれ、ケンヂ一派はその全ての元凶ということにされ、“ともだち”は人類を救った英雄と称賛され、世界の頂点に君臨していた。高校生になったカンナと、散り散りになったケンヂ一派の仲間たちは、“ともだち”の化けの皮を剥ぐためにそれぞれ動く。さらに、ケンヂ達が作った“よげんの書”とは別に、続編として“しんよげんの書”が作られていたことが判明する。カンナのクラスに赴任してきた英語教師のサダキヨは、ケンヂの同級生であるとともに“ともだち”の仲間であった。彼はかつて、モンちゃんに“ともだち”につながる手がかりを告白した後、殴り殺してしまっていた。カンナにモンちゃんが残したメモを渡したサダキヨは、彼女らを“ともだち”組織の追っ手から護る形で、車に乗ったまま炎上死する。メモに書かれていた場所に向かったカンナは、そこで微生物学者だった自分の母(でありケンヂの姉である)・キリコが“ともだち”の使う殺人ウイルスの生成に加担していたことや、このままでは2015年に再び世界は滅んでしまうことを知る。一方、刑務所から脱獄したオッチョは、殺人ウイルスを作り出した張本人であるヤマネに接触しようとする。ヤマネは、“ともだち”の召すままに細菌兵器の研究を続けていたが、キリコの説得により改心し、研究所から逃げ出していた。2015年の元日の夜、オッチョとヤマネは自分らの母校である小学校の理科室で再会。“ともだち”に居場所をつきとめられたヤマネは、逃げ切れないと自ら誘いに乗り、全てを明かすためにオッチョも招いたのだ。しばらくして理科室に“ともだち”が現れ、部下に二人を殺させようとするが、ヤマネが隠し持っていた拳銃で“ともだち”に発砲、直後にヤマネも銃殺される。動かなくなった“ともだち”からお面を剥ぎとると現れたのは、“血の大みそか”で死んだはずのフクベエの顔だった。その後、“ともだち”の葬儀が大々的に行われる中、ローマ法王が“ともだち”の遺体に近づいた途端、何とその体が動きだし、謎の銃弾から法王を救った。会場からは歓声があがり、“ともだち”は完全に復活した。数日後、防毒マスクをつけたセールマンらしき男が世界中に出没。殺人ウイルスを撒き散らし、世界は滅亡した。2017年。2015年で西暦は終わり、新たに“ともだち暦”が始まった。“ともだち”は世界大統領となり、高い壁に隔離された東京には“ともだち”の少年時代の町並みそのものが再現され、“ともだち府”と呼ばれるビルがその中心に建立された。壁の中に暮らせるのは、2015年に開かれた万博に行った証に、ウイルスのワクチンを打たれた者たちだけだった。また、東京ではどういう訳かラジオから時折死んだケンヂの唄が流され、噂になっていた。そして“ともだち”は、やがて宇宙人が襲来し地球は滅びるという“よげん”を発表していた。反社会的グループを結成したカンナは、ラジオで流れるケンヂの唄がかつて聞いた同じ唄とは別のフレーズで歌われているとオッチョから聞かされ、ケンヂが生きているという可能性を知る。だがその直後、“ともだち”の率いる地球防衛軍によってグループは壊滅し、オッチョと共に“ともだち府”に連行され、“ともだち”の側近である男・万丈目と対面する。万丈目は、現在の“ともだち”が自分の知る“ともだち”(=フクベエ)とは違う人間になっていると語り、今の偽物を殺したいと考えていることを告白するが、部下の高須に裏切られ銃殺されてしまう。その後オッチョはユキジと共に、巨大ロボットの製作者である敷島教授に出会い、そこで“血の大みそか”で使われたロボットの改良型や、“ともだち”の今度の“よげん”で自作自演を成功させるために作られた空飛ぶ円盤を目にする。また、カンナは“ともだち”と対面。彼が特別なこだわりから、現在残されている万博会場にだけはウイルスを撒かないつもりだということを知る。同じ頃、壁の外から野球帽にサングラス、ギターを背負った一人の男が、外に取り残された沢山の人々を連れてやってきた。この男こそ、“血の大みそか”で奇跡的に生き延び記憶喪失になっていたが、2015年の世界滅亡で記憶を取り戻したケンヂであった。そしてケンヂが新しく曲を吹き込んだテープを偶然手にしたのが、北海道でラジオ放送局を開いていたケンヂの同級生・コンチだった。彼もまた、北海道に潜んでいた“ともだち”組織の元幹部・田村マサオと合流して東京に向かう。“ともだち”は、これまでの全ての“よげん”が嘘で、自分が人類を滅亡に陥れてきた元凶であると全世界に告白。これを発端に、“ともだち”組織から裏切り者・脱退者が出始める。カンナは生き残ったグループのメンバーに、万博会場で音楽祭を開き全都民を招いて命を救おうと発案。また、キリコは最終ウイルスのワクチンを完成させ、ケロヨンとマルオが東京にそれを運ぼうとするも壁を抜けられずにいたところ、死んだと思われていたサダキヨが現れて助けられる。音楽祭当日、多くの人が会場に集まってくるのを見たカンナは、安心しきったように倒れてしまう。ヨシツネが率いる一派とユキジによって“ともだち府”も制圧された。だが、円盤とロボットが動き出してしまう。ケンヂが母校の小学校へ向かうと、ロボットのリモコンを手にした“ともだち”がいた。“ともだち”はケンヂこそが小学校時代の自分を不幸にした悪の大王だというが、それをケンヂが謝罪しようとすると、「お前が謝れば終わってしまう」と憤慨。カンナの眠るアパートをロボットに踏みつぶさせようとする“ともだち”だったが、ロボットの足音に目を覚ましたカンナがその光景をみて叫び声をあげた瞬間、ロボットが停止してしまう。円盤もオッチョによって二機が墜落され、「万博にウイルスを撒かないのはフクベエのこだわりで自分は違う」と、“ともだち”は残った一機を万博会場に向かわせウイルスを撒こうとする。しかしサダキヨに背後から押さえつけられ、直後、田村マサオがヘリコプターで円盤に特攻。サダキヨ共々円盤の下敷きになった“ともだち”は致命傷を負い、ケンヂに“あの唄”を歌ってほしいと頼む。それを聞きながら、眠るように息を引き取る“ともだち”。ケンヂは万博会場へ行き、カンナと再会を果たす。“ともだち”の少年時代を疑似体験できるバーチャルリアクションに入ったケンヂは、そこで過去の自分に会い、彼にバッジ泥棒の罪をなすりつけられたお面の少年に謝罪させる。この少年こそがもう一人の“ともだち”の正体だった。少年がフクベエに無断で、“しんよげんの書”の最終ページに反陽子爆弾で地球が滅びると書いたのを知ったケンヂは、強引にバーチャルリアクションから脱出。同時刻、現実世界でも“ともだち”を最後まで信仰していた敷島教授の娘が、停止したままのロボットを動かして、隠された反陽子爆弾のスイッチを押そうとしていた。だがケンヂたちによって、スイッチが押される間際でロボットを転倒させることに成功。こうして全てが解決し、その後カンナはキリコと再会。ケンヂは再びバーチャルリアクションに入る。中学校の屋上から、お面をつけた男子生徒が飛び降り自殺しようとしていた。だがその刹那、学校中にロックが響き渡り、思いがけない事態に彼は踏みとどまる。しばらくして屋上にやってきた(中学時代の)ケンヂに、「友達になってほしい」と言う彼だが、「友達はなろうといってなるもんじゃない」と返される。黙ってその場を去ろうしたお面の少年に、大人のケンヂが現れて話しかける。「お前さ……、カツマタ君だろ」。ケンヂ達が小学校の頃に秘密基地のメンバーで考えた「将来やってくるだろう悪の組織の地球征服」の方法を書いたもの。しかし、それとは別に小学校時代の“ともだち”らが『しんよげんの書』を作っていた。映画版の公開に伴いスピリッツに掲載。内容と設定は下記の映画版を基盤にしている。単行本は、全て小学館より刊行された。巻数表示は、『20世紀少年』のみ「第○集」である。2008年から2009年にかけて、堤幸彦監督、唐沢寿明主演により3部作で公開された。総製作費60億円のプロジェクトで、3部作は全て週末観客動員数1位を記録し、最終興行収入は3部作総額で113.7億円。映画完結後も、未公開シーンを加え劇場版と異なるラストを収録したDVD・Blu-ray Discの発売、地上波テレビにて『20世紀少年 サーガ』と題した再編集バージョンが放送されるなどしている。
出典:wikipedia
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