ウィリー・モレッティ(Guarino "Willie" Moretti, 1894年2月24日 - 1951年10月4日)はニューヨーク・マフィアのひとつ、ジェノヴェーゼ・ファミリーの副ボス。ニューヨーク生まれ。両親はイタリア・プッリャ州バーリ出身とされる。イースト・ハーレムで育ち、牛乳配達をやった。近所に住んでいたフランク・コステロと友達になった。1913年19歳の時に強盗歴あり。1920年代、バッファローの北に位置するナイアガラ・フォールズ市(ニューヨーク州)に移り、シチリアのカステランマレーゼ派マフィア、アンジェロ・パルメリの仲間に加わり、レストランを経営する傍ら賭場の胴元や酒の密輸をやった。1924年、渡米したばかりのジョゼフ・ボナンノをフロリダに迎えに行った。1927年までにニューヨークに戻り、コステロを通じラッキー・ルチアーノらと知り合った。その後ニュージャージーに移り、酒の密輸や賭博ビジネスに関わった。1929年、全米ギャングの大集会アトランティック会議に参加した。1931年ルチアーノが五大ファミリーを再編すると、ルチアーノ一家の幹部としてニュージャージーの縄張りを管理した。1936年、ルチアーノが逮捕され、翌年ヴィト・ジェノヴェーゼが国外脱出すると一家の副ボスとなり、コステロの右腕として屈強な武装団を率いた。1930年代から1940年代にかけ、一家の幹部ジョー・アドニスやユダヤ系ギャングのアブナー・ツヴィルマンらと共に、ニューアークやジャージーシティなど北ニュージャージーに賭博ビジネスを展開した。ナイトクラブ"リヴィエラ"が中核的なスポットで、ナンバーズ賭博やスポーツ賭博で荒稼ぎした。クリフサイドパークのレストラン「デュークス」を会議場所とし、警察署長を賄賂漬けにして保護を受けた。ニュージャージー州モンマス郡に自宅を構えた。1940年代、歌手のフランク・シナトラをバックアップする代わりにキックバックを得る間柄となり、リヴィエラほかニュージャージーのクラブによく出演させた。シナトラの最初の妻だったナンシー・バルバートはモレッティの部下のいとこであった。1940年代後半、ディーン・マーティンやジェリー・ルイスのショーを見て気に入り、シナトラ同様自前のナイトクラブに出演させた。1947年長女の結婚式に、シナトラ、マーティン、ルイスらを招き、歌やショーを披露させた。ランドリービジネスやたばこ会社、運送会社など正業も営んで、資金洗浄した。1950年、アメリカ上院議会がキーファーヴァー委員会を発足させ、犯罪組織調査を始めると、コステロ一家の他のメンバー同様、モレッティも委員会にて証言するよう召喚された。他のギャング達が憲法修正第5条を盾に証言拒否をしていたのに対し、モレッティはジョークを飛ばしながら積極的に喋り、テレビカメラが回っている時には、さらに調子良く喋ったため、記者の取り巻きを従えるようになった。熱心なカトリック信者で、毎日曜は欠かさず妻と教会に礼拝に行った。一方で好んでエスニックな売春婦たちと関係を持ったといわれ、持病の梅毒を悪化させたとされる。モレッティをこのまま放置すると、組織を壊滅させる証言をしかねないとしてコミッションで暗殺が決定された。1951年10月4日、アルバート・アナスタシア一味4人に、ニュージャージーのパリセーズのレストラン"ジョーズエルボー"に招かれ、イタリア語で談笑しながら窓際の席に着き、ウェイトレスがメニューを取りに行っている間に至近距離から5発の銃弾を正面から浴びて即死した。暗殺前にアナスタシアからモレッティに、病院に行きたいが自分の運転手が風邪を引いた為運転手を貸して欲しいと請い、モレッティが了承してその日1人でレストランに向かった。後日、アナスタシア一味のジョニー・ロビロットが逮捕されたが、証拠不十分で放免された。ギャングスタイルで行われた葬儀にはコステロ、アナスタシア、ジェノヴェーゼ、アドニスの4人連名の花束が届いた。マフィアの沈黙の掟を破ったことが暗殺の理由とされ、新聞は「しゃべり過ぎた男」と大きくクローズアップした。また存在しない馬の賭けを開帳したり、ありもしない話をするなど、持病の梅毒が進んでいたとされる症例が暴露された。キーファーヴァー委員会はマフィア組織の横のつながりも縦のつながりも全く解明できないまま終わり、モレッティの証言は何の貢献もしなかった。沈黙し続けたコステロらを脱税で追及したが、モレッティには冗談で煙に巻かれただけだった。副ボス復帰を狙うヴィト・ジェノヴェーゼがコステロの右腕であるモレッティの粛清をボスに説いて回ったと広く信じられている。モレッティの死後、ニュージャージーの賭博利権は、ジェノヴェーゼの部下ジェラルド・カテナが引き継ぎ、またジェノヴェーゼが1936年以来となる副ボスに復帰した。映画『ゴッドファーザー』のモデルの1人とされ、特にフランク・シナトラとの交流エピソードが取り入れられた。
出典:wikipedia
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