Pyrococcus(ピュロコックス属、パイロコッカス属、ピロコックス属)は熱水噴出孔や油田鉱床などに生息する超好熱古細菌。ユリアーキオータの中では"Methanopyrus kandleri"に次いで好熱性が強く、全種が90℃以上に至適生育温度を持つ。最高増殖温度は"Pyrococcus yayanosii"の108である。比較的増殖速度が早いこともあって、よく研究の進んでいる超好熱菌の一つである。属名は球菌であること、非常に強い好熱性を持つことに由来し、ギリシャ語で炎(Pyr-o-)+ 球菌(-coccus)を意味する。主に海洋の熱水噴出孔から分離される。地域は問わない。大深度の油田鉱床や、海底火山山体内から発見されることもある。陸上の温泉からの分離例はない。形態は0.8-2.0μmほどの球菌。1本あるいは多極の鞭毛を持つ。細胞壁はS-レイヤーより構成される。100付近の嫌気環境で生育する。海水と同じかやや低い領域に至適pHと至適塩濃度を持つものが多い。やや好圧的ではあるが1種を除いて1気圧でも生育はできる。ある程度の放射線にも耐える。増殖速度が早く、培養も比較的容易である。"Pyrococcus"は完全な従属栄養生物で、タンパク質やデンプンなどを醗酵することで生育する。硫黄存在下では水素ではなく硫化水素を排出し、増殖も促進される。高耐久性酵素の分離源として注目されている。"Pyrococcus"に由来する酵素の多くは100℃の高温や有機溶媒、極端なpHに耐性を持つ。また、DNAポリメラーゼは広く使われているTaqポリメラーゼに比べ複製忠実性が高く、Pfu DNAポリメラーゼ("Pyrococcus furiosus"由来)として販売されている。基準種。1986年にイタリアの沿岸熱水噴出域より単離された。増殖温度は70-103℃(至適100℃)。ゲノムサイズ1908kbp、ORF2,065箇所。東太平洋海嶺付近の深海熱水噴出孔より単離(水深2650m)。増殖温度は75-104(至適95℃)。世代時間は30分で、この属では最も早い。1998年に沖縄トラフ内の熱水鉱床付近から単離された(水深1395m)。増殖温度は80-102℃(至適98℃)。ゲノムサイズ1,739k bp、 ORF1,883箇所。 主に南太平洋の深海熱水噴出孔に分布(水深2000m)。増殖温度は67-102℃(至適96℃)。ゲノムサイズ1,769kbp、ORF1,898箇所。沿岸熱水域に生息。1988年に報告。至適生育温度は102-103℃。大西洋中央海嶺アシャゼ熱水帯より単離された(水深4100m)。増殖温度は80-108℃(至適98℃)。絶対好圧性で、20MPa(約200気圧)未満では増殖できず、52MPaが最適、120MPa(約1200気圧)でも増殖できる。
出典:wikipedia
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