SN 2006gyは2006年9月18日に発見された極めて大きなエネルギーを持つ超新星で、極超新星、対不安定型超新星爆発とも言われる。Robert QuimbyとP. Mondolによって最初に発見され、その後チャンドラ、リック天文台、W・M・ケック天文台などを用いて多くの天文学者チームによって観測された。2007年5月7日、アメリカ航空宇宙局はこの超新星の詳細な分析データを初めて公開し、この超新星を「これまで記録された中で最も明るい星の爆発である」と述べた。しかし2007年10月、QuimbyはSN 2005apがこの超新星の記録を抜いて史上最も明るい超新星になったと発表した。SN 2006gyはペルセウス座方向のおよそ2億3800万光年離れた銀河NGC 1260の中に現れた。そのため、この超新星の爆発は今からおよそ2億3800万年前に起こったことになる。爆発した星は太陽の約150倍の質量の超巨星で、対生成を伴うタイプの超新星爆発だったと考えられている。この爆発によって放出された運動エネルギーは10エルグ(10ジュール)だったと見積もられ、通常の超新星爆発より1桁も多い。異常な明るさという点が合わないものの、水素線を持っていたことから、タイプ2の超新星に分類されている。この超新星の明るさは、発見からおよそ70日間、12月の始めまで続き、その後徐々に収束していった。2007年5月始め、明るさは一般の超新星の明るさ程度にまで落ちた。対生成を伴う超新星爆発は恒星の質量が太陽の約130から250倍ととても大きい場合にのみ起こる。超巨星の核は高エネルギーのガンマ線を発しており、そのエネルギーはE=mc²の式によると電子2個分のエネルギーよりも大きい。このガンマ線は恒星の磁場と干渉し、電子と陽電子の対が生成する。これにより、ガンマ線の平均伝播距離が短くなり、恒星内部の温度の上昇がもたらされる。やがて反応が暴走し、エネルギーはどんどん核に溜め込まれ、恒星の表面は内部に落ち込み始め、核はさらに圧縮される。この圧縮と熱により核を構成する物質の急激な熱核燃焼が発生する。爆発により、恒星はブラックホールすら残さず、完全に吹き飛ばされたとされる。このような爆発は対不安定型超新星爆発と呼ばれる。SN 2006gyは本来、肉眼で観測できたSN 1987Aの100倍も明るかったにも拘らず、距離が1400倍も遠かったため、望遠鏡を使わなければ観測できなかった。カルガリー大学のDenis LeahyとRachid Ouyedは、SN 2006gyはもともとクォーク星だったと主張している。同級の超巨星、りゅうこつ座η星は地球から約7500光年というわれわれの銀河系に属する星。りゅうこつ座η星はSN 2006gyより32000倍も地球に近いため、明るさは10億倍も大きい。またSN 2006gyの元の星とサイズが大体同じだったと考えられている。SN 2006gyの発見者の一人Dave Pooleyはもしりゅうこつ座η星が同じように超新星爆発を起こせば、地球では夜でも本が読め、昼でもその明かりが見えるほどに明るくなるだろうと語っている。SN 2006gyの視等級は15であるが、りゅうこつ座η星の場合-7.5にもなるだろうと見積もられている。天体物理学者Mario Livioによると、りゅうこつ座η星の超新星爆発はいつ起こっても驚くに値しないが、地球からの距離が遠いため地球上の生命への影響は低いと言う。
出典:wikipedia
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