青菜(あおな)は、古典落語の演目の一つ。もとは上方落語で、3代目柳家小さんが東京へ移植した。以降東京では小さん一門の得意ネタとして知られる。他の主な演者に東京の6代目春風亭柳橋、上方の初代桂春輔、2代目桂春団治、3代目笑福亭仁鶴、2代目桂ざこばらがいる。夏のある日、ある隠居の家で仕事を終えた植木屋は、隠居から「精が出ますな」と労をねぎらわれ、「柳蔭(やなぎかげ=みりんと焼酎をブレンドした飲料の上方での呼び名。東京では「直し」または「本直し」と呼ぶ)をご馳走しよう」と、座敷に誘われる。隠居は、酒肴として鯉の洗いを植木屋にすすめる。植木屋はいい気分で舌鼓を打つが、ワサビの辛さに閉口する。「口直しを出そう。植木屋さん、青菜は好きか」「大好物です」隠居は手をたたいて、「奥や! 奥や!」と台所に向かって声をかける。隠居の妻は何も持たず座敷に現れ、「鞍馬から牛若丸が出でまして、名も九郎判官(くろうほうがん)」と不思議な返答をする。すると隠居は、「ああ、義経にしておこう」と言ってすませてしまう。客人が来たと勘違いした植木屋が辞去しようとすると、隠居は押しとどめ、「青菜は食べてしまってもうない、と言うのはみっともないので、妻は『菜も食らう』ほうがん、と、源義経にかけた洒落言葉で言ったのだ。私は、それなら『良し』つね、と返事をしたというわけだ」隠居夫婦の上品なやりとりに感心した植木屋は、自分も来客が来た際に活用しようと思い立って、長屋に飛んで帰り、自分の妻にこれを教える。折りしも友人が風呂に誘いにやって来るので、さっそく再現しようと、急いでありあわせのもので酒と酒肴の用意をするが、植木屋の長屋には座敷と台所を隔てるものがなく、手をたたいて妻を呼び出すところがうまく再現できない。困った植木屋は、妻を押し入れに放り込んでしまう。植木屋は、やって来た友人に「植木屋さん。精が出ますな」と声をかける。「植木屋はおまえじゃないか。俺は大工(あるいは建具屋)だ」「冷えた柳蔭をご馳走しよう」「これは生ぬるいし、濁酒だろう」「この鯉の洗いを……」「これはおから(あるいはイワシの塩焼き)じゃないか」「植木屋さん」「植木屋はおまえだ」「青菜は好きか」「俺は青菜は嫌いだ」困った植木屋が「そんなこと言わずに『食う』と言ってくれ」と泣き出すので、友人がしかたなく「食う」と言うと、植木屋は手をたたいて、「奥や! 奥や!」と叫ぶ。すると、ホコリやクモの巣を顔に引っ掛けた妻が、汗をかきながら押し入れから転げ出てきて、友人は腰を抜かす。妻は息を切らせながら「鞍馬から牛若丸が出でまして、名も九郎判官義経」と続けざまに言ってしまい、植木屋の言うことがなくなってしまう。困った植木屋は、「……弁慶にしておけ」
出典:wikipedia
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