英雄(えいゆう、,, )は、中国の万年筆メーカー最大手である上海英雄金筆廠有限公司(,)が製造する筆記具のブランドである。1932年、パーカーの中国工場を母体に設立された。1942年、名品として有名なパーカー51のデッドコピーである「100英雄」を発売。これは安価なコピー品ではあったが、当時の同社の工場がパーカーから製造機械と職人を引き継いでいたため、オリジナルと全く同等の高品質な製品だった。その後「100英雄」の改良として、パーカー61を参考にして「英雄100」が発売され、今でも販売され続けている。1980年代には中国の国内シェア70%を占めるまでに発展し、近年では国際会議での署名用に採用されるなど、海外でも徐々にブランド力をつけている。また現在生産中の万年筆において、このタイプのペン先の万年筆を生産するメーカーがヒーローだけであるため、中国のみならず海外でも有名である。現行の万年筆のペン先は、ステンレス合金、12Kゴールド、14Kなどさまざま。漢字筆記を前提とする点において欧米諸国のメーカー比べて全体的に細字であることが日本の万年筆メーカーに同じく、ペンポイントの形が主にアメリカ製のパーカー51、61のXF先に似ていて、非常に線に抑揚がつけやすくなっている。軸の色は様々で、一般に中国の消費者の嗜好に合わせた華美な装飾の物が多い。現在、日本において一般の文具店の店頭に並ぶことはほとんどないものの、豪華なペンが比較的安価に手に入ることから、インターネット通販を行っている業者も存在している。ただし中国国内でのブランド知名度の高さから、例に洩れず粗悪な贋物が非常に多く、購入業者の選定には注意がいる。ただし注意すべき点として、2000年以降のヒーロー万年筆について、多くの種類の万年筆の生産を外部工場に任され、また腕のいい職人のほとんどが定年退職になったことにより、品質が著しく低下してしまった。従って、現在中国国内では90年代およびそれ以前の、まだ質が良かった頃のヒーロー万年筆が大人気で、インターネット通販サイトのタオバオでは多数取引されている。「英雄」は昭和41年に日本で売り出され、新聞各紙は英雄の品質の高さと価格の安さに着目して「赤いバーゲン」(毎日新聞)などと大々的に記事にし始めた。一例として、昭和41年6月6日、『日本読書新聞』のコラムは「英雄」万年筆について次のように述べている。「三百五十円の『英雄』が私たちの編集部を席巻している。一週間前に登場した『英雄』はペリカンやシェーファーやもろもろの国産品を駆逐してしまった。『英雄』は外貌はアメリカ製パーカーと百%類似しているのだ。違いといえば『HERO』の刻印だけ。そして書き味たるや、滑らかさ、たわみ、ペン先のまろやかな感触、すべて真正パーカーに優るとも劣らぬことを一人残らずとなえている。宣伝めくが、質においても三百五十円のしろものではない。私たちの半数以上は『英雄』を使い始めている」英雄万年筆と同じ品質の製品は、国産では小売り価格1000円以上つけなければならないほどコストがかった。これについて当時のセーラー万年筆の阪田正三社長は「中国製のペンは減りが早く、また中国は人件費が安いうえ外貨獲得のため採算を度外視している」と述べていた。中国製万年筆は、昭和42年度には約46万本を売り、輸入万年筆の39%を占め、国産万年筆メーカー各社に対する大きな脅威となった。これを一層煽りたてた毎日新聞はじめマスコミ報道について、昭和41年11月28日の『帝都日日新聞』は「毎日は朝日についで社内に共産党分子が多く潜入している新聞社だといわれており、これが巧妙に作りあげられた中共宣伝記事であったとしたら由由しき問題である。この点今回の毎日の報道は、なんとも不可解な報道姿勢であったといえる」とし、英雄を手放しで賞賛する報道は、政治的動機に基づく左翼メディアの宣伝ではないかとした。
出典:wikipedia
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