『ランボー/最後の戦場』(原題: ")は、2008年5月24日に公開されたアメリカ映画。主演、監督、脚本はシルヴェスター・スタローン。ベトナム帰還兵ジョン・ランボーを描いた『ランボー』シリーズの第4作目、最新作。前作の『ランボー3/怒りのアフガン』から、実に20年ぶりの続編である。ジョン・ランボーはタイ北部のジャングルで、ボートによる運搬やヘビ狩りを生業としながら、ひっそりと暮らしていた。人権弾圧が続く隣国のミャンマーでは、軍事政権が少数民族カレン族を凌虐し、土地や天然資源を略奪していた。ある日、ランボーの前にキリスト教系NGOの一団がやって来て、ミャンマーへの案内を依頼する。最初は断ったランボーだったが、NGOの1人サラ・ミラーの熱心な頼みに心動かされ、彼らをミャンマーに送ることを決意する。なんとか彼らをミャンマーまで送り届けたランボーだったが、数日後、あのNGO一団がティント率いるミャンマー軍に捕らえられたことを聞く。救出のための傭兵団を送るため、ランボーは再びミャンマーへ向かう。到着後、同行を希望するランボーだったが、リーダー格のルイスに船の見張りを命じられる。傭兵団はカレン族のビエンにNGO一団がいた村へ案内され、そこで惨殺されたカレン族を目の当りにし、継続か中止かで言い争いになる。そこにミャンマー兵が現れ、彼らの残虐な行為を目撃するものの、傭兵団は何もせず隠れてやり過ごそうとする。すると突然ランボーが現れミャンマー兵を全滅させる。それを見ていた傭兵団らは敵に気づかれる前に脱出しようするが、ランボーの言葉に動かされ、NGO一団救出の継続を決意する。ランボーと傭兵団は、敵の根拠地に潜入し、夜の闇に紛れての救出が始まる。ルイスたちがサラ以外の生存者を救助。別の場所に居たサラもランボーに救助されるが、二人は集合時間に間に合わず、ルイスらは先に撤収する。脱出しようとするランボーとサラは敵に見つかるものの彼を待っていた狙撃兵スクールボーイに救われ、彼を加えた3人で逃走する。しかし、夜が明けるとミャンマー軍が救出に気づき、山狩りを始める。その頃、先行していたルイスたちだったが彼が地雷で重症を負い逃走が困難になっていた。別ルートで逃走していた三人だったが、サラが足を負傷。さらに追跡部隊の移動速度が速いことをランボーは悟る。そこでサラをスクールボーイに託し、自らが囮となることを決意。ランボーは第2次大戦時に落とされた不発弾を使って追跡部隊を罠にかけ、その部隊を壊滅させる。その頃、サラとスクールボーイはボート付近の森に到着。だが、そこからボートの様子を伺うと、ティントを含むミャンマー軍の一団がおり、先行していたルイスたちは捕まっていた。ティントが彼らを処刑しようとし、二人は何もできず諦めかけていた時、ランボーが現れ、重機関銃を奪取しミャンマー軍に向けて乱射する。傭兵たちも敵の銃を奪うなどして反撃。一時は不利になるものの、ビエンが連れてきたカレン族(カレン反乱軍)の登場により、ミャンマー軍は潰走し、ティントは戦場から逃走するが、ランボーによって倒される。婚約者マイケルのもとに走るサラを見つめるランボー。そして彼は、オレゴンの自宅に帰るのだった。アメリカ本国での原題は ' だが、多くの国では主人公ランボーのフルネームである ' のタイトルで公開された。これは、第1作『ランボー』のアメリカ原題が原作に沿った ' だったのに対し、アメリカ以外の国では ' のタイトルで公開されたことによる。シリーズ全作品に登場したサミュエル・トラウトマン大佐役のリチャード・クレンナが2003年にすい臓癌で死去したため、この作品では過去の作品の登場場面を編集した回想シーンが使われている。本作にミャンマー人役として出演した役者たちの一部には、弾圧されているカレン族や、出演したという理由のみで親族が逮捕された役者もいる。またパ・ティー・ティント少佐を演じたマウン・マウン・キンは、元ミャンマー海軍の中将である。このほか、撮影地もミャンマーとの国境からそれほど離れていないタイ北部であり、ミャンマーから脱出したカレン族も多く住む。しかしミャンマー政府は、この映画にミャンマー人が出演した場合、たとえ10年間タイで暮らしている者であっても、ミャンマーに残された家族を牢屋に入れると脅迫したという。それにも屈せず出演してくれたミャンマー人キャストに、スタローンは多大な感謝の意を示している。本作品の舞台としてミャンマーが選ばれたのは、「現実に、残忍な暴力や虐殺が起こっている地域を舞台にしたい」というスタローン本人の強い希望による。日本や米国ではイラクの方が報道は多いが、世界の中で実際に人権が踏みにじられながら、それが注目されていないか忘れ去られていることへの警告として、スタローンの持つ本質的なメッセージ性が顕れていると言える。また、作中ではランボーをはじめとしたキャストのほとんどはミャンマーのことを「Burma(バーマ)」と呼んでいる。この呼び方は軍事政権以前の国名ビルマのことであり、日本でも多くのメディアが「ミャンマー(旧ビルマ)」との表記を行っているように、2012年現在のミャンマー軍事政権に反感を抱いている者は「バーマ」と呼ぶ傾向がある。また、作中カレン族にはキリスト教徒が多いとされているが、他のビルマ族やシャン族などと比べて多いというだけで、平地に住むカレン族の85%は仏教徒である(残りはキリスト教徒)。ただし山岳居住のカレン族にはキリスト教徒が多く、中には無宗教もいる。ちなみに、スタローン自身も敬虔なキリスト教徒である。作中の爆破シーンの撮影中のことであるが、スタローンは困難な撮影の中、怪我もなく無事に終わったと一息ついて立とうと思ったが、ちょうどそのときスタローンの眼の前に竹があり、そこに頭を打って、気絶してしまったという。スタローンはインタビューで 「アフガニスタンやロシア、ミャンマーの兵士にも殺されなかったランボーは、竹に頭をぶつけて死んだんだ」 とジョーク交じりにコメントしていた。シリーズ全作品の音楽を担当したジェリー・ゴールドスミスも2004年に同じく癌で死去したため、本作品はシリーズで唯一ゴールドスミスでない人物が音楽を担当した(ブライアン・タイラーが担当)。本作品は、「暴力や流血映像、性的暴行、卑猥な表現」があるとされ、アメリカではMPAAからR指定(17歳未満、幾つかの州では18歳未満の場合は、保護者の付き添いが必須)を受けた。なお、日本ではよく誤解されているが、ランボーシリーズは全てがR指定を受けている。スタローンはインタビューの中で、「ランボーシリーズ中で最も残忍な映像になったのは、‘現実’を描いたから」だと述べており、「極力(ランボーの)ヒーロー性を排除し、現実の悲惨さを訴えたかったから」だと述べている。元・傭兵であり、カレン民族解放軍に加わりビルマ(2012年現ミャンマー)からの独立闘争に参加し、ミャンマーでの実際の戦場を眼にしてきた高部正樹は、パンフレットや雑誌などで度々本作についてコメントしており、現地の惨状をリアルに再現したことを高く評価している。高部曰く、本作の残虐なシーンは決してオーバーではなく、むしろ現地では映画以上に残虐な行為が行われていると述べている。劇場公開版を収録したソフトが発売された後、約9分の未公開シーンを追加した「エクステンデッド・カット版」を収録したソフトが各国で発売された。未公開シーンを追加しただけではなく、スタローン自身の手により新たに再編集されており、カットの差し替えやシーンの順序の入れ替え等、作品そのものの印象がだいぶ異なるものになっている。また、劇場公開版の過激な暴力描写も、エクステンデッド・カット版ではだいぶ抑えられたものになっている。本作の続編は一時、『"』のタイトルで製作が予定されていた。
出典:wikipedia
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