イェルム(英:"Yelm")は、テーブルトークRPG『ルーンクエスト』の背景世界グローランサに登場する架空の神性。太陽神にして宇宙の皇帝。長く世界を安定して治めていたが、新参の嵐の神オーランス(Orlanth)が不遜にも皇帝の座に挑み、何度挑戦しても勝てないと悟ると、兄フマクト(Humakt)のもとから新たに見つかった力『死』を盗み出してイェルムを切り殺してしまった。イェルムが地界(地獄)へと落ちてしまったことで、もともと地界の住人だった暗黒と夜の神々が地表へとあふれ出し、その混乱に乗じて不浄の三神、すなわち、狂える神ラグナグラー(Ragnaglar)とその妻セッド(Thed)、マリア(Mallia)の三柱の神々は世界に混沌の軍勢を招き入れた。後に小暗黒、大暗黒と呼ばれる地上の大混乱、壊滅が手に負えなくなったオーランスは『光持ち帰りし者たち』に数えられる七柱の神々とともに地獄のイェルムの下に赴き、謝罪して和を結んだ。かつての大敵をも許す寛容さを含め、太陽信仰の地域における統治者としての理想を体現する神であり、現在のルナー帝国へと連なるダラ・ハッパ帝国の皇祖神。かつて太陽は天空に静止し、動かない天体であった。オーランスの言い分によれば、民衆はイェルムの絶え間ない監視のもとで一息つくことさえままならず、生かさず、殺さずの支配を受けていた。民衆の暮らしを楽にするためにも、死んだように停滞しきったイェルムの治世は打破される必要があったという。大暗黒の破局を避けるために結ばれた『神々の盟約』が定めるところにより、現在ではイェルムは地表と地界の支配権を夜の女神ゼンサと二分している(フィクションによる天動説起源の好例である)。太陽の運行はギリシャ神話のアポロンの戦車にも似た御者の神ロカーノウス(Lokarnos)の駆る黄金の馬車にのって、東から西へと移動することによって行われている、とされる。草飼う民とも呼ばれる遊牧民グレイズランド人の間では、イェルム(太陽の皇帝)はユ・カルグザント(Yu-kargzant)、その后はラ・ウンガリアント(La-ungariant)として知られる。オーランスがイェルムに挑んだ支配権をかけての争いは10回に及び、これに因んで先帝の崩御後、新たに登極しようとする後継者は十種の試練に打ち勝って皇位の正当性を皇祖皇宗に示さなくてはならない伝統が生まれた。この『十の試練(The ten test)』に失敗した『偽の』候補者はかつてオーランスがイェルムをそうしたように死をもって報いられる。
出典:wikipedia
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