肇国奉公隊（ちょうこくほうこうたい）は、1940年に東京市が組織した官民一体の国策協力組織。民間団体を組織して「八紘一宇」の思想を直接に指導・訓練するとともに、市役所組織の軍事体制化が行われた。東京市（ほぼ現在の東京23区）は1940年（昭和15年）の「皇紀2600年」の記念事業を名目に肇国奉公隊を組織した。これはドイツの「ヒトラーユーゲント」や「歓喜力行団（Kraftdurch Freude）――喜びを通じて力へ」の運動組織にもつながっていた。帝国在郷軍人会、町内会、青少年団、愛国婦人会、国防婦人会、女子青年団、各種宗教団体（仏教・キリスト教・天理教・金光教など）、学生団体（小学校から大学まで）、官公署、会社、銀行などが組織に応じた。表面上は自主的な参加であったが、実質的には区役所・在郷軍人会を通じての強制的なものであった。作業は宮城（皇居）前の広場の芝生をはがし、新たに土を入れて整地するといった簡単なものであった。作業中は国防色（緑色）の制服を着用した。無償奉仕であり、参加者は肇国奉公隊隊員に登録され、有事には本部の招集に応じることになっていた。

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