宇宙開発における事故(うちゅうかいはつにおけるじこ)では、20世紀以降に行われるようになった、世界各国の宇宙開発で発生した事故に関して記述する。本記事では、有人宇宙飛行計画の惨事・危機的事故、宇宙飛行士訓練中の事故、宇宙船の試験・建造・準備中の事故について概説する。ICBMに関する事故や、第二次世界大戦中のソビエトやドイツのロケット兵器に関する事故は含まない。また、ソビエト連邦時代の事故をロシア連邦政府が今なお隠蔽しているという説もあるが、それは含まれていない。主流の説ではそういう事故は存在しないと考えられている。宇宙探査の歴史の中には、飛行士や地上整備員の死亡という悲劇が数多く起こっている。2007年現在、飛行中の事故により19名の宇宙飛行士が死亡、訓練中の事故により11名の宇宙飛行士が死亡、また発射台での事故により少なくとも71名の地上整備員が死亡している。宇宙船の打ち上げ/再突入の事例のおよそ2%で、乗務員が死亡している。これはソユーズとスペースシャトルでほぼ同じ割合である。ほかの発射方法については、X-15(弾道飛行を行うロケットプレーン)を除くと、妥当な安全率が算出できるほど打ち上げ回数は多くない。また、打ち上げ経験者のおよそ5%が死亡している(上記の2%との違いの理由は、宇宙飛行士は多くの場合複数回の打ち上げを経験するからである)。2004年11月現在、439名(ロシア/ソビエト連邦:96名、アメリカ:277名、その他:66名)が宇宙飛行を経験しているなかで、22名が宇宙船の中で死亡している。内訳は、アポロ1号で3名、ソユーズ1号で1名、X-15-3で1名、ソユーズ11号で3名、スペースシャトルチャレンジャーで7名、スペースシャトルコロンビアで7名である。また、宇宙計画によって、18名のNASAの宇宙飛行士(4.1%)と、4名のロシアの宇宙飛行士(打ち上げ経験者の0.9%)が宇宙船搭乗中に死亡している。アポロ1号(発射前の火災)とX-15-3が宇宙飛行に含められるのであれば、全体の5%(22/439)が、宇宙飛行中に死亡している。これにはロジャー・チャフィー(アポロ1号乗組員中の1名であるが宇宙に行った経験はない)と、マイケル・J・アダムス(宇宙の範囲についての国際的な定義であるカーマン・ラインには到達していないが、アメリカの定義によれば到達した。下記を参照)を宇宙飛行経験者に含めており、アポロ1号乗組員の3名とアダムスを死亡者に含めている。この事例を除外するならば、全体の4%(18/437)が宇宙飛行中に死亡したといえる。ソユーズの事故により4名が死亡しており、シャトルの事故により14名が死亡している(シャトルの方がソユーズに比べて最大搭乗人数が多いため、事故毎の死亡者が多い)。1971年以来、ソユーズの飛行では死亡事故は起こっておらず、ソユーズに乗る乗組員の死亡確率は現在2%より低くなっている。しかしながら、重傷事故や、死亡の危険があった事故がいくつか起きている。職務中に死亡したNASAの宇宙飛行士は、ケネディ宇宙センター見学施設(Visitor Complex)にあるSpace Mirror Memorialに名が刻まれる。職務中に死んだソビエト連邦の宇宙飛行士は通常、モスクワのクレムリン壁の墓地に埋葬される名誉を与えられる。この慣習がロシアでも続くかどうかは不明である。クレムリン壁の墓地への埋葬は主としてソビエト共産党の名誉であり、ソビエト連邦崩壊後は宇宙飛行士の死亡事故は起きていない。飛行中の死亡事故は5回ある。死亡事故が起きたどのケースでも、遭遇した全乗組員が死亡しており生存者はいない。今までに、複数の乗組員のうち特定のメンバーだけがミッション中に死亡したという事故は起きていない。ソビエトの宇宙飛行士ウラジミール・コマロフは、ソユーズ1号に搭乗中に死亡した。この機は新型の宇宙船ということもあり重大なトラブルが連続して発生していた。最終的には大気圏再突入時、再突入用カプセルのパラシュートが適切に開かなかったために、カプセルは地面にたたきつけられ、コマロフは死亡した。マイケル・J・アダムスが、ロケットプレーンで弾道飛行の試験運転中に死亡した。アダムスはアメリカ空軍のパイロットで、NASA/USAFのX-15プログラムに従事していた。その7回目の飛行であるX-15 Flight 191の飛行中、最初に電気系統に問題が起きた。それが、機体が最高点に達したときに、制御の問題を引き起こした。そのときパイロットも混乱したかもしれない。最高高度266,000フィート(81.1km)からの再突入時に、X-15はコントロールを失って横方向に進路をそれ、マッハ5のスピードでスピンを始め、回復できなくなった。およそ65,000フィート(19.8km)の高度で、過度の加速度によってX-15は分解した。アダムスは死後、宇宙飛行士バッジ(Astronaut Badge)を授与された。これは彼が、(アメリカの宇宙空間の定義である)高度50マイル(80.5km)を突破したことによるものである。ただし、この飛行は、国際的な宇宙空間の定義である高度100km(62.1マイル)に達していないため、専門的にはこの事故が「宇宙飛行事故」として数えられるかどうかについて異論がある。ソユーズ11号の乗組員ゲオルギー・ドブロボルスキー、ビクトル・パツァーエフ、ウラディスラフ・ボルコフが死亡した。宇宙ステーションサリュート1号に3週間滞在して、分離した後、逆噴射を行って再突入に備えてモジュールを分離した時に、彼らの乗った宇宙船の換気用の弁が開くという不慮の事態が発生し、空気が宇宙空間に漏れた。カプセル自体は通常通り再突入し、着地したが、回収チームがカプセルを開いたときには彼らは窒息死していた。これは専門的な意味で「宇宙空間」(高度100km以上)で起こった唯一の事故である。アメリカにおける最初の飛行中の死亡事故である。ミッションSTS-51-Lに従事するスペースシャトル・チャレンジャーは発射から73秒後に空中分解し、乗員7名が死亡した。固体燃料補助ロケットから高温のガスが漏出したことが事故原因だと判明している。スペースシャトル・コロンビアは、2週間のミッションSTS-107を終え、大気圏に再突入した際に空中分解を起こした。この事故により7名の宇宙飛行士が死亡した。打ち上げ時に外部燃料タンクから断熱フォームが落下して翼前縁の耐熱材を損傷させたことが事故の原因であった。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。