呼び捨て(よびすて)とは、他人の名前(人名)を呼称する際に、敬称をつけず名前のみをもちいて呼称することである。日本では古くから礼儀作法を重んじる文化背景があるため、呼び捨てする行為は特に年配者ほど悪い意味にとらえがちである。一方、欧米では特に理由がなければファーストネームや愛称で呼び合うのが当たり前(例:妻が夫を「圭一」などと呼び捨てにしている場合、当人たちにとってはごく自然のことだが圭一の親や親戚には不快感を与えるか非難されうる。これは日本特有の感覚の一つ。欧米で妻が夫を「マイケル」と呼んで非難されることはありえない)。日本では、単に呼び捨てにすることが軽蔑の目的になるという特徴もある。自分にとって好ましくない人に対して使い、目上や年上の人に対してのみならず、その意思をしめすことができる。なお、歴史上では、戦国時代など、官職名ではなくあえて実名で呼び、さらに敬称をつけずに呼び捨てにするのが、最上級の敬意を表す事例がある。かつて、マスコミでは犯罪者だけでなく、被疑者や被告人の氏名を呼び捨てにしていたが、現在では基本的に人権擁護の観点から呼び捨てにされることはない。ただし、一部のタブロイド新聞では呼び捨てしている場合もある。新聞のスポーツ記事やテレビやラジオのスポーツニュースでは文章の簡潔さをもとめるため、選手に対しては監督やコーチ、親方などを除いてほとんど呼び捨てである。また、審判(特に野球関係)や行司さえ呼び捨てする場合が多い。新聞の芸能記事やテレビの芸能ニュースなどでは芸能人に対してはほとんど敬称をつけない。これは、芸能人は商品と考えていることによる。ただし、引退などして一般人になった場合、敬称をつけるようになる。また、現役の場合でも、その人物の本来のフィールドであるスポーツや芸能ではない、社会面などで取り扱われる場合(事件事故に巻き込まれた場合など)は、敬称をつけて報道される。一方で存命人物には役職や氏をつけることがあれば、死亡して年月が経つと慣例上呼び捨てにする場合が多い。また天皇・皇族を呼び捨てにすることはなく、「陛下」、「殿下」、「様」などの敬称をつけることが通常である。歴史上の人物などは、例えば源頼朝、徳川家康のように、呼び捨てにするのが通例である。ただし天皇・皇族に関しては、後白河天皇を雅仁、以仁王を以仁などと、呼び捨てにする事は基本的にない(諱も参照)。学術論文においては、外国人名については自然に呼び捨てがなされるが、日本人名(特に存命中の人物)に関しては呼び捨てが憚られる場合がある。そのため、外国人名・日本人名が併記される文献においては、日本人名のみ敬称をつけるのは不自然になるため、カタカナ表記で呼び捨てにされる場合が見られる。例えば物理学の論文でアルベルト・アインシュタイン、ニールス・ボーアなどといった外国人名とあわせて、湯川秀樹といった日本人名が記述される場合、漢字表記を避けて「ユカワ」などと表記される例が見られる。組織の所属する一人物を身内以外の者がたずねてきた場合は、目上目下関係なく呼び捨てで回答するのが礼儀とされる(但し、高等学校以下の学校の教職員及び医療機関においては、呼び捨てせずに「〜先生は」と回答する場合が多い)。また主に上流家庭の妻が夫を対外的に呼称する際は、「うちの主人(者)は○○○でして…」と言うよりも夫婦の姓を呼び捨て(例:「中村は○○○でして…」)を使うことも多いとされている。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。