ファイアボール( Fireball )は、イギリスのロックバンド、ディープ・パープルが1971年に発表したアルバム。1970年に発表された『ディープ・パープル・イン・ロック』が、ヨーロッパ市場において好調なセールスを記録している最中、彼らは新たなアルバムの製作に乗り出すこととなった。しかしながら、前作のヒットにより、慌しいツアー活動の合間を縫ってレコーディングを行わなければならず、メンバー達も集中してアルバムの製作を行うことが出来なかった。レコーディングは、1970年9月から1971年5月までを要し、ロンドンにあるデ・レイン・リー・スタジオ及びオリンピック・スタジオにて行われた。録音の過程でイアン・ペイスは、スタジオの音質が気に入らず、ドラム・セットを廊下に運び出し、ドラム・パートだけ録り直した。アルバムの選曲は、日本盤とアメリカ盤、イギリス盤では異なり、前者の3曲目は「ストレンジ・ウーマン」、後者には「デイモンズ・アイ」が収められた。前作『ディープ・パープル・イン・ロック』のヒットの勢いもあり、本作の売れ行きも好調で本国イギリスでは初の1位に輝いた。アメリカでもビルボード・チャートで最高32位に食い込んだ。メンバーが、宇宙の彼方へ火の玉となって飛び出す様子を描いたユニークなジャケットは、ニュー・ミュージカル・エキスプレス紙の「ベスト・デザイン・ナンバー・ワン・アルバム賞」を獲得している。タイトル曲である1曲目の最初の部分の効果音は、エアコンのコンプレッサーを作動させた時の音である。また同曲で、イアン・ペイスは珍しく2バスドラムのセットで演奏している。レコーディング当時、たまたまスタジオで隣り合わせになったザ・フーのドラマー、キース・ムーンから借用してレコーディングしたということを後に語っている。当時のコンサート映像でも、この曲を演奏する際にローディーがバスドラムを追加する様子が捉えられているものも存在する。メンバー達のこのアルバムに対する評価は良いとは言い難く、概して辛辣な意見が多い。リッチー・ブラックモアは「主張の無いアルバムだ」、「ツアーが忙しくゆっくりと構想を練る時間が取れなかった」。ロジャー・グローヴァーは「『イン・ロック』の成功のプレッシャーがかかり考え過ぎた」、「ファイアボール(火の玉)というより線香花火のようなものだった」。ジョン・ロードも「どの曲も実験的だった」と語っている。しかし例外的に、イアン・ギランはこのアルバムを気に入っており、ディープ・パープル再結成後も幾度となく本作からの曲をコンサートのセットリストにピックアップしている。
出典:wikipedia
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