『マリア様がみてる』(マリアさまがみてる)は、今野緒雪による少女小説(ライトノベル)。また、続刊を含むシリーズの名称。それらを原作としたメディアミックス作品の総称(後述)。イラストはひびき玲音。略称はファンの間では「マリみて」だが、Webラジオ等では「マリア様」と呼ばれることが多い。さらにスピンオフ作品(姉弟シリーズ)として『お釈迦様もみてる』シリーズがある。本シリーズは、東京都武蔵野の丘の上にあるという「私立リリアン女学園高等部」を主な舞台とした青春学園小説。同高等部の特徴である「スール」制度と、生徒会である「山百合会」(やまゆりかい)を軸に物語が展開される。1997年(平成9年)に初の短編『マリア様がみてる』(文庫収録時、『銀杏の中の桜』に改題、再構成)が集英社発行雑誌「Cobalt」に掲載され、1998年(平成10年)に文庫第1巻である『マリア様がみてる』がコバルト文庫に書き下ろされた。以降、主要登場人物を中心とした「本編」とも言うべき物語はコバルト文庫に書き下ろし、「外伝」的な物語はCobaltに不定期掲載の後まとめて文庫化、という形で作品発表が続いている。シリーズの継続や各種のメディア展開により、コバルト文庫が本来ターゲットとする読者層である女性ばかりか、男性にも支持層が広がり、読者の8割以上は男性であると言われている。またこの作品は、百合といわれる女性の同性愛を扱った作品を愛好する男性が急増するきっかけにもなった。社会学者の熊田一雄は、リリアン学園という本作品の舞台は現代日本のジェンダー観に基づいた競争原理・管理体制とはまったく異なるものであり、そのため旧来的な意味での男性性とは異なる男性性を求める男性は魅力を感じるのだと説明している。ある朝、リリアン女学園の高等部に通う平均的な1年生・福沢祐巳(ふくざわ ゆみ)は、憧れの先輩である「紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン)」こと、2年生の小笠原祥子(おがさわら さちこ)に呼び止められ、制服の身だしなみを正される。このことをきっかけに、高等部生徒会「山百合会」の本部である「薔薇の館」を訪れることになる祐巳。本作は、彼女を中心に乙女達の学園生活を描いた作品である。山百合会幹部:小説第1巻終了時山百合会幹部:小説第19巻終了時(作中で1年が経過した時点)山百合会幹部:小説第35巻終了時(祐巳が「紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)」になった時点)幼稚舎(幼稚園)から大学までの一貫教育を行うカトリック系のミッションスクール。明治34年(1901年)に華族の令嬢を対象として創立された。現在も名家の令嬢を多数受け入れており、俗に言う「お嬢様学校」である。武蔵野の丘の上にあるという広大な敷地には、先述の各部の校舎に加え、図書館、武道館、各種食堂、シスター用の寄宿舎など数多くの施設が存在している。幼稚舎から大学まではほとんどエスカレーター式に進学できるが、その分外部入学に対するハードルは高い。「リリアン(英Lilian/仏Liliane)」は女性の名前として用いられる名詞であり、百合のような女性(花言葉から威厳・純潔・無垢な女性)という願いで名付けられる。また、白百合がマリアの花とされることもあり、純潔な女性を指す代名詞としても使われる。リリアン女学園と同じ丘の上に建つ学院。リリアン女学園とは対照的に、男子校にして仏教系の学校である。リリアン女学園とは姉妹校のような関係で、体育祭、学園祭、卒業式といった各学校行事はリリアンと同日にならないように調整している。作中には「(うちの一族は)男は花寺、女はリリアン」という台詞もあり、福沢姉弟のように兄弟姉妹でリリアン女学園と花寺学院とに通っている例も多い。長年、財界をはじめ各界に多くの実力者を輩出しており、レベルは相当高い。リリアン女学園高等部特有の慣習で、学園生活を規律正しく円滑に過ごすために、指導者役になる上級生が下級生と「姉妹」になる約束をすること、またその約束をした人物。上級生、下級生いずれも1対1で行うものであり、複数の「姉」、「妹」を持つことは出来ない。そのため、「スール関係にある」=「特別に親しい」とみなされる。通常、上級生が下級生にロザリオを授ける事でスール関係が成立する。授けるロザリオは、自身がかつて「姉」から授かった物でも、新たに用意した物でもよい。本来、ロザリオを首にかけて授受するという習慣はないが、これはスールの関係がより強い絆でつながっていることを表現するための作者の演出である。なお「スール(sœur) 」とはフランス語で「姉妹」のこと。この用語については作中「キリスト教の学校ゆえに「シスター」だと「修道女」と混同してしまうためフランス語が用いられているのであろう」と説明されている。リリアン女学園においてこのような慣習が生まれたのは、幼稚舎から中等部にかけて厳しい規則があるのに対し、高等部からは規則が比較的緩やかになることから、自分たちの行動は自主的に規律正しくするべきであるとの考えによる。この慣習が「スール」=「姉妹」と呼ばれるのは姉が妹を想う様に厳しくも優しく導くのが理想とされているためである。あくまで生徒の自主的な活動なので、姉も妹も持たない生徒も少なくない(主要人物では武嶋蔦子、細川可南子などが該当する)が、生徒会役員など要職にある者の場合は「妹を持つ」=「後継者を確保する」という意味合いも持つので、妹を持つことが半ば不文律になっている。女学生同士で「姉妹」関係を作るということは、大正・昭和初期の「女学校」では流行としてわりと行われていたことであり、「S(シスターの略)」とも呼ばれた。こうした文化は、少女小説の元祖的存在である吉屋信子の作品にも描写されている。リリアン女学園高等部生徒会の名称。当然ながら高等部の全生徒が山百合会会員であり、役員のみを指す呼称ではない。選挙で選ばれる役員は紅、白、黄の3人の薔薇さまだけだが、3人だけでは手が足りないため、手伝いとして妹である薔薇のつぼみ、さらには薔薇のつぼみの妹が常時働いている。それでも人手不足のときは、メンバーがクラスメイトや友人などに手伝いを頼むこともある。また、次期幹部候補となる優秀な生徒を薔薇のつぼみもしくは薔薇のつぼみの妹とするため意図的に手伝いをさせ、スールとなるよう画策することもある。アニメでは第1期・第2期(どちらもテレビアニメ)の製作委員会の名称にもなっており、第3期(OVA)では「山百合会2」、第4期(テレビアニメ)では「山百合会3」となっている。カッコ内の日付は発売日。2003年(平成15年)に漫画化、 2004年(平成16年)にテレビアニメ化され、2006年(平成18年)にはアニメの声優によるインターネットラジオが配信され、OVA化もされた。また、実写映画化も決定し、2010年秋(平成22年)に公開された。集英社の漫画雑誌「マーガレット」系に掲載された長沢智によるものと、「Cobalt」に掲載されたひびき玲音の手によるものがある。長沢智の手により漫画化されたもので、集英社「マーガレット」誌上にて、2003年10月(21号)より連載されていた。後に別冊の「ザ・マーガレット」に連載が移行。全9巻発売。ほぼ原作に忠実だが、4巻は「〜ロサ・カニーナ〜」より「〜長き夜の〜」が先に収録されている。「〜長き夜の〜」には二人羽織で百人一首をするオリジナルエピソードが入る。祥子(前髪が開いている)、志摩子(髪がきつく巻いている)、静などの髪型が原作挿絵と異なる。また、文庫版も全5巻発売されている。Cobaltに不定期で掲載。原作小説から一部のシーンを切り出してコミック化する場合が多い。『リリアン祭』とは、アニメ・ドラマCDの声優陣、作品のファンが参加して行われるイベントのこと。2006年8月6日、アニメ第3期シリーズの製作決定を記念して『真夏のリリアン祭〜山百合会に何かご用?〜』がサンパール荒川で開催された。2008年9月14日、新宿区の日本青年館大ホールで『マリア様がみてる 秋のリリアン祭』が二部構成で行われ、そのうち、第2部の模様はDVDに収録されて『マリア様がみてる 秋のリリアン祭〜第二部〜』として2009年2月25日に発売された。2015年3月29日、『私立リリアン女学園 卒業イベント』が、よみうりホールにて昼の部と夜の部が行われた。この卒業イベントでは声優キャストによる「卒業前小景」の朗読劇、原作者である今野緒雪が登壇して送辞の言葉として「年齢性別を問わずリリアンの門は常に開かれています」とコメントされた。またイラストを手がけたひびき玲音は客席にて黒薔薇ロザリオを持参し立ち会った。2016年2月現在で映像化の予定は無い。『実写映画 マリア様がみてる』は、2010年11月6日に公開された実写映画。監督は寺内康太郎。主演は波瑠、未来穂香など。映画の公開に合わせ2010年10月20日より期間限定で15:00-15:03まで美人時計とコラボとして映画紹介されている。また、『Cobalt』2010年11月号ではメイキングDVDが付録となった。公開記念として『秋葉原キュアメイドカフェ』で11月5日-7日限定で『マリア様がみてるカフェ』が開催された。私立リリアン女学園に通う1年生の福沢祐巳は、憧れの紅薔薇のつぼみこと2年生の小笠原祥子から突如、姉妹宣言を受ける。戸惑いつつも山百合会主催の舞台シンデレラの制作に参加することに。劇場マナーCMとしてFLASHアニメ『マリア様のたしなみ』が本作上映前に上映された。全3パターン(各上映館で1パターン上映)。担当声優はアニメと同じ。また、公式サイトでもFLASHアニメ『マリア様のおしらせ』が全3話配信された。『マリア様がみてる ARE YOU レディ?』は、サークルKサンクス限定前売特典の『シークレット・エピソード・ブック』に収録された、今野緒雪による書き下ろし短編。内容は小笠原祥子と福沢祐巳が出会う前の出来事となっている。A6文庫サイズ、16ページ。
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