ドライアイス洗浄(ドライアイスせんじょう)は、洗浄物の表面にドライアイスを吹きつけて洗浄する方法。この洗浄手法を用いた装置をドライアイス洗浄機という。ドライアイス洗浄はコンプレッサーの圧縮空気を使い、ドライアイスの粒を噴射して洗浄する。サンドブラストに比べてアルミナなどの後処理に困らないと考えられ、粉塵公害なども起こりにくいものと考えられている。ドライアイス洗浄機は機内でドライアイスペレット(3 mmφペレット)を弱い圧力で必要量にして集めた後、300 m/秒の速度で一気に放出される。粒状またはパウダー状のドライアイスを圧縮空気と一緒に洗浄対象物に吹きつけ、汚れを落とす。ドライアイス洗浄は欧米諸国では非常に実績が高く、この洗浄方法が生まれてから約25年の歴史になろうとしている。国内でも採用する企業が徐々に増えてきており、先進性の高い生産技術や保全部門などで採用されていたが、軽量コンパクトで低価格のモデルも発売されるなど、中小の工場にとっても手に届きやすくなってきた。しかし、大量の圧縮空気を利用するため、それに対応したコンプレッサーの使用が求められたり、ノズルが発する騒音と言った課題も抱えている。ドライアイスペレットは安価で流通しており、専用保冷容器に入れれば1週間ほど保管できる。洗浄機本体からガンまでのホースが2本。ドライアイス洗浄の初期に使われた方式で、構造が簡単なので現在も作られている。構造が簡単で作成コストは低いが、ホースは嵩張って取り扱いが困難で、ドライアイス消費量のコントロールも難しい。洗浄機本体からガンまでのホースが1本。現在、主流となりつつある方式。構造が複雑な反面、ドライアイス消費量を完全にコントロールでき、ノズルの設計が自由にできるので威力が強い。ノズル噴出口の口径と形状、曲がり角は数種類あり、洗浄箇所による使い分けも可能。構造が複雑で作成コストは高いが、ホースが軽く取り扱いが容易、ノズルの種類が豊富、ドライアイス消費量のコントロールが容易、と言った利点がある。直径3 mmのドライアイスペレット(米粒大)をエアーと混合してそのまま吹き付ける洗浄方法。強く付着している付着物に対して適している。ノズルによって洗浄範囲は自由に変えられる。同様のドライアイスペレットを洗浄機内、またはノズル内部で適切なサイズに粉砕し、エアーと混合して吹き付ける洗浄方法。ペレット洗浄方式の洗浄物と比べて強く無く、ペレットを砕いた分、粒子の量が多くなるため、より広範囲または密度に高い洗浄に適する。粉砕範囲も、ペレットの半分程度から砂粒程度の微粒子まで様々な大きさに出来る。液化COから取り出したままの粉末状のドライアイス粉末を、本体、またはノズル内で混合し、エアーと混合して吹き付ける洗浄方法。液化COタンクがあれば、何時でも洗浄が出来るが、ペレットやペレット粉砕式に比べて威力が落ちる。ドライアイスの入手が困難か、洗浄が突然必要になる様な場所に適する。ブロックドライアイスをかき氷の様に削ってドライアイスパウダーを作りだす。これを本体、またはノズル内で混合し、エアーと混合して吹き付ける洗浄方法。粒子がペレット洗浄方式と比べて細かく、面積当たりの粒子衝突数が多くなるので、強くは無い付着物を落とせる。ペレット洗浄に耐えられない薄いフィンのある金型、ペレットでは破損する恐れのある硝子などの洗浄に用いられる。ドライアイス洗浄の密閉空間での使用は、酸素欠乏だけでなく二酸化炭素中毒にも気をつけなければならない。コンプレッサー内の大量に圧縮した空気(1m/min以上)を必要とする洗浄方式のため、通常二酸化炭素濃度が3 %を超える可能性は低いとされているが、同じ作業エリア内に複数の同時洗浄作業、または大量のドライアイスが長期間保管されているなど、重なった要因により危険な状態に置かれることも考えられる。対策として、専門の機関やメーカーに強制換気システム、洗浄ブース、回収装置など提案を求めると良い。二酸化炭素濃度計も安価に手に入るため、携わる人は携帯して作業にあたる。また、目、耳、手の保護のために保護メガネ、耳栓、手袋を使用する。また、吹きつけ時に粉じんが発生するため、保護マスクの利用も推奨されている。ドライアイスブラストの認知度が低い為、サンドブラスト・ショットプラストの代替になると思われる事が多いが、サンドブラスト・ショットプラストは母材の表面まで削って清掃するのに対して、ドライアイス洗浄は母材を傷つける事無く洗浄が出来る。極端なケースでは、鉄道車両や自動車へのスプレー落書きを、下の塗装を傷つける事無く、スプレー落書きだけを落とす事が出来る。これにはかなりの熟練が必要である。大雑把に言うと、サンドブラスト・ショットプラストが適するか、ドライアイス洗浄が適するかの分かれ目は下地が傷ついて良いものか、どうかである。錆について、ドライアイス洗浄では、上に乗った錆びを落とせるが、研磨して母材が金属光沢が出るまでの錆び落としには適さない。非常に特殊なケースとして、ドライアイスでの金属切断技術も実用化されている。『ほこ×たて』では「どんなものでも剥がす最強の洗浄機 VS 絶対に剥がれない最強塗装」という筋立てであったが、ドライアイス洗浄機が勝利した。
出典:wikipedia
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