ZRX(ゼットアールエックス)とは、川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニーが製造するオートバイ、およびそのシリーズ車種である。1990年代後半から2000年代にかけて排気量別にラインナップされていたが、2008年の排出ガス規制強化以後に生産されているのはZRX1200 DAEGのみである。単純表記で「ZRX」とされる場合には、厳密にはシリーズとして最初に登場した400ccクラスのビキニカウルつきモデルの車種名のみを指す。ZRXは1994年2月に発売された。その頃、すでにベストセラーとなっていたゼファーとは別に、走りに重点を置いた水冷400ccネイキッドとしてデビューし、Z1000Rローソンレプリカを彷彿とさせるビキニカウルを備えた直線基調のデザインや大柄な車体デザインと相まって人気モデルとなった。翌1995年1月には、オーソドックスなマルチリフレクター丸型1灯ヘッドライトと砲弾型メーターと砲弾型ウインカーを備えたカウルなしモデルのZRX-IIが発売された。ZRXとZRX-IIは、車体外装のカラーリングやグラフィックパターンの違いはあるものの、前述のヘッドライト周りおよびウインカーを除けば、ほぼ共通のプラットフォームを持つ車種である。ZRX-IIは一年遅れで登場した派生車種であるが、1998年モデルのE4とF4からは足並みをそろえてマイナーチェンジを受けており、基本仕様は共通している。同クラスの他車種に対して大柄なボディとなっており、2008年の生産終了に至るまで600ccモデルは最終的に発売されなかった。1998年2月にマイナーチェンジが行われ、400ccクラスで唯一の6ポッドキャリパー(TOKICO製)を装備し、タイヤがラジアル化され、マフラーはメガホンタイプからオーソドックスなスポーツタイプへと変更された。また2004年3月にはシリーズ初の特別仕様車としてライムグリーンの車体色に通常モデルとは異なるストライプを入れ、社外マフラー(BEET製NASSERT)を取り付けたARK特別仕様車が100台限定で発売された。2004年モデルからイモビライザーが標準装備され、2005年モデルからはビキニカウルをZRX1200Rと同一の物とし、デザイン上の差異が少なくなった。2008年9月の自動車排出ガス規制により、メーカーから全仕様の生産終了が発表された。ZRX1100は1996年の秋に行われたケルンショーにて発表され、1996年12月に発売された(1997年モデル)。先に発売されていた400ccモデルの人気と、市場からの水冷リッターネイキッドを望む声に応えて市販化された。エンジンはZZR1100、GPZ1100のエンジンをベースに中低速域を重視した設定とし、日本仕様の出力は100ps/8,500rpmで、輸出仕様は106ps/8,700rpmだった。リッターネイキッドとしてはコンパクトで軽量な車体により、スポーツバイクとして高評価を受けた。1998年モデルではZ1000Rローソンレプリカ風のグラフィックがはじめて採用された。カウルを装備しない仕様のZRX1100-IIも1996年12月の発売以来、各マイナーチェンジ毎に同時発売された。400ccモデル同様の手法でパッケージングされており、メッキ仕上げの砲弾型メーターカバーを装備する。細かな差異としては、400ccモデルではウインカーがZRXは角型の黒色でZRX-IIでは丸型のメッキとなっているのに対し、ZRX1100とZR1100-IIではともに角型の黒色タイプのウインカーを共用している。また、車体色に関しては、ZRX1100-IIでは単色のみが設定され、ストライプやラインなどのグラフィックの採用はなかった。ZRX1100・ZRX1100-IIともに、2001年のZRX1200へのフルモデルチェンジまで、他車種との部品統一や細かな仕様変更を経て生産終了に至った。ZRX1200Rは2001年に発売された。エンジンはZRX1100の排気量を1164ccに拡大したもので、当初の最高出力は100ps/8,000rpmであったが、2004年モデルより平成13年騒音規制に対応するため低回転域のトルクを重視して95ps/7,500rpmに抑えられた。基本的な車体構造はZRX1100のものを受け継いでいるがフレームとスイングアームを改良し剛性アップが図られ、車体の剛性バランスも見直され操縦性が大きく向上した。2004年にカワサキ正規代理店[ARK]から専用モデルが200台限定で発売された。盗難防止イモビライザーや260km/hフルスケールメーター(リミッター付き)、クロームメッキエキゾーストパイプ・チタンサイレンサー(BEET製NASSERT)が装備され、カラーリングはソリッドなライムグリーンにストライプの専用色が採用された。2006年にも専用色の限定車が発売された。当初はハーフカウルのZRX1200Sも同時に発売されたが、輸出終了を期に生産終了となり日本仕様も終了となった。その後もZRX1200Rはカラーリングが変更されながら販売されていたが、2008年9月の自動車排出ガス規制と輸出の終了により生産終了となった。ZRX1200 DAEG(ダエグ)は2009年2月1日発売された。。日本専売モデルで輸出は行われていない。ZX-10Rをベースとしたフューエルインジェクションシステムが搭載された。総排気量は従来と同じ1,164ccだが、発進と停止の繰り返しが多い道路事情や峠等でのツーリングするライダーが増えつつある日本市場の特殊性を考慮して再び出力重視の設定としたため、最高出力は110psまで引き上げられた。これに対応するためZZR1200をベースとした6速トランスミッションに変更され、燃料はハイオクガソリン仕様となった。カウルはフロントが若干大型化され、LEDテールランプはZX-6Rと同形状の物が装備された。ETC車載機に考慮したメーターが装備され、新型ダブルリフレクター式ライトが採用された。タンクの形状は日本専売ということで日本人の体型に合わせるようになだらかな形状に変更されている。ホイールはZZR1400と同形状のものが装備され、従来装備されていたFブレーキ6ポッドキャリパーは新型4ポッドキャリパーに変更され、前後ともにペタルブレーキディスクを標準装備している。DAEGとは北ヨーロッパに住んでいたインド・ヨーロッパ語族・ゲルマン語派の人々が使っていたルーン文字のひとつである。根源的に「日」、「一日」のことを意味し、英語における“DAY”の語源である。DAEGは「着実な成長」、「進歩」、「終わりと始まり」、「突破」、「新しい展開」といった前進的な意味を持つ文字であり、転じて 伝統的な概念を保ちながらさらなる飛躍をめざす という意味を込められている。なおメーカーでは公認の読み方を「ダエグ」としている。2016年に発表されたファイナルエディションをもって生産は終了となる。
出典:wikipedia
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