逆差別(ぎゃくさべつ、英語:reverse discrimination)とは、差別を是正し撤廃しようとする過程において、差別されて来た集団(主に社会的弱者)を優遇することにより、優遇されて来た集団の待遇・利益・公平感が損なわれることで生じる差別である。性差別における逆差別は男性差別と混同されやすいが、別の概念である。また、被差別側が、集団となって権力を独占するという事が歴史上頻繁に起こる。元、武士階級や貴族階級が被差別側に落とされるということもあり得ることである。アメリカなどの国々においては、過去の差別政策の結果により生じた民族間、経済的階級間の格差を是正するために、伝統的に被差別グループ(少数民族、貧困層など)に属する人々を企業や官公庁の雇用や大学入学などで優遇する積極的差別是正措置が行われた。後者に近い例として、アメリカの医学部の試験で黒人を優遇したことで、医者の器ではなかった黒人が医者になり、「黒人の医者は腕が悪いので危険」という意見が増え、医者として有能な黒人までが資質を疑問視された例がある(風評被害に近い)。アフリカ系アメリカ人の立場からアメリカにおける逆差別問題を論じたシェルビー・スティールは『黒い憂鬱』の中で次のように述べている。ソビエト連邦では少数民族に対する教育の機会が十分保障されていなかった段階で民族比率による雇用を進めたため、専門職に少数民族が配置される場合があり、能力と地位のギャップが生じた。いずれの場合も、基本的人権にかかわる格差が減少することによって、同時に逆差別となる要因自体が減少すると考えられる。日本でも同和対策事業などに対して同様の主張がみられることがあり、特に京都市環境局やNHKにおける優遇政策は大きく取り上げられた。近年の日本では、公務員や民間企業の採用、大学入試などにおいて、女性を優先する事例(千葉県、大阪府、名古屋大学など)が増加しており、問題となっている(参照:堂本暁子)。また、同一職種・同一賃金で、男性により重い負担が掛かってしまうケースも多い。しかし、この問題はほとんど追及されない。その理由は、女性優遇措置は「結果平等」として「政治的に正しい」ものと肯定されてしまうことが多いためであり、これに異を唱えること自体が女性差別、バックラッシュとして、非難を浴びやすいためである。全国社会保険診療報酬支払基金労働組合(全基労)に属する職員のみが昇格人事において優遇されていたことに対し、社会保険診療報酬支払基金労働組合(基金労組)に属する職員が、これにより生じた賃金格差の是正のため経験年数に基づく「選考抜き一律昇格」を要求した。これはしかし全基労に属する職員には適用されなかったため、経験年数を満たしていながら全基労に属しているが故にこの是正の恩恵を受けられず昇格できない職員が「逆差別」を被るとされた。
出典:wikipedia
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