『機動旅団八福神』(きどうりょだんはちふくじん)とは、福島聡が月刊『コミックビーム』誌上で2004年8月号から2009年1月号まで連載していた近未来SF漫画。単行本は全10巻。重厚なタッチと難解なストーリー性が特徴であり、第九回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門の推薦作品に選ばれた。後日談の「ロングロングアゴー」が隔月刊『Fellows!』誌上でvolume3からvolume7まで連載されており、『機動旅団八福神』第10巻として刊行された。“中国”に侵略され属国となり“アメリカ”との戦争に邁進する近未来の日本。環東軍に入隊した名取不二雄は、第一機動旅団に配属された日、不思議な言動の白髪の少女と奇妙な容貌の人型兵器に出会う。その直後、彼らは“アメリカ”のビーム兵器に攻撃される。瀕死の重傷者を救おうと必死になる名取をよそに、少女は現場に現われた軍服姿の女性に促され、奇妙な人型兵器福神に乗り込み、敵へと向かう。舞台は近未来、極東危機と呼ばれる緊張状態の後、「神の左手」と呼ばれる中国軍のハイテク兵器による全土への攻撃、通称極東の粛清を経験した日本が、“中国”が構築した汎亜細亜共栄圏の中に組み込まれた世界である。降伏文書を読み上げるべき天皇の不在のまま迎えた敗戦の後、“中国”からの攻撃によって疲弊した日本は、政治的にも経済的にも安定し、着々と復興を遂げているが、それはかつての盟友“アメリカ”との決別を意味した。汎亜細亜共栄圏とは、“中国”が周辺諸国を飲み込む形で形成した連邦的結合であり、日本がかつて構築を目指した大東亜共栄圏的な性質(実質的には中心国である“中国”の覇権である、など)を持つ。日本の他にも、朝鮮半島やカンボジア、マラッカ海峡などの東南アジアなどが含まれており、それらの地域の防衛を担当するのが環東軍、環西軍、環南軍、環北軍である。米中対立の高まりに備えて、日本及びその周辺の防衛を担当する環東軍は旧自衛隊を中心に組織されているが、自衛隊自体は任務を災害支援と国内治安維持に限定されて防衛局内に復活している。しかし、国防の任務を環東軍に奪われたことから、自衛隊内には鬱屈した感情が溜まっている。一方、“アメリカ”は世界の覇者たる地位を失いつつあり、更に極東における盟友、日本と韓国が“中国”の支配下に置かれたことから、再び極東における覇権を取り戻そうとして戦争へ進んでいる。“アメリカ”は未だに世界の技術の最先端であり、ハワイに拠点を置くアンチ=ニュートン社を中心に最新の兵器を開発している。6巻までで、スイス、ユーロ連合、イスラエル、ロシア、インド、などの国が存在することが分かる。スイスには敗戦直前に天皇及び皇室が亡命している。福神とは、環東軍とよつば重工業が開発したスーツタイプの人型機動兵器である。赤いずんぐりとした福神スーツの中には特殊なゼリーが詰められており、スーツを着用することで、操縦者の力を十倍にまで増大することが出来、またどんな砲弾や衝撃でも耐えることが出来る。環東軍ではこれらを輸送艇『宝船』で輸送することで機動的な作戦を可能にしている。弱点は、どんなに衝撃に強くても刃物ではあっさりと切れてしまうこと、防御能力には長けている反面機動性に欠けるということ、そしてスーツ内に詰められたゼリー状の物体にはアレルギー反応があるということである。最初の問題はこれを克服する為の装甲を備えた新型福神が開発されたが、後者二つに関して言うと操縦者の先天的な能力に委ねるしかないのが現状である。一方、リカオンとは、米軍と結託した軍需企業、アンチ=ニュートン社が開発した人型機動兵器で、骸骨を思わせるような白い細身のロボットを遠隔操作によって操縦し、更には反重力マシーンによる空中戦も可能であり、高い機動性を以って福神との戦闘で常に優位に立っている。鯨に擬装可能な原子力潜水艦リッコーヴァー号によって太平洋を横断して日本に侵攻してくる。ファインマン博士らは、凶悪犯罪者など法律上人間ではなくなった人間の脳に手を加えてその体をリカオンの部品に使用し、人が死なない戦争を目指す。これを知った名取は、これを情報戦に利用して“アメリカ”の非人道性を世界中にアピールすることを思い立った。
出典:wikipedia
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