『世界名作童話 白鳥の湖』(せかいめいさくどうわ はくちょうのみずうみ)は、日本のアニメ映画作品。キャッチコピーは「愛は魔法に勝つか」、「オデット姫を救うため 王子は駆ける、駆ける悪魔の森を 心うつ美しい旋律、胸おどる物語 いま感動の伝説が雄大なスケールでよみがえる」バレエで名高いチャイコフスキーの『白鳥の湖』を題材としたアニメ作品で、東映動画創立25周年を記念して製作された。公開は、1981年3月14日。「東映まんがまつり」内の一本として上映された。文部省(現文部科学省)推薦作品ともなった。なお上映時間は「75分」だが、「まんがまつり」新作長編アニメで「70分」を超えたのは1979年3月公開の『龍の子太郎』以来2年振りにして事実上最後。王子ジークフリードは、花嫁選びの舞踏式の前日、湖で金色の冠を被った気高い白鳥を見つけ、その白鳥の後を付け、白鳥が美しい女性に変身するところを目撃する。その娘オデットは、元はある国の王女だったが、邪悪な魔法使いのロッドバルドに結婚を迫られ、それを断ったことによって、国と肉親を滅ぼされ、昼は白鳥に変えられる呪いをかけられていた。その呪いを解くには、心からオデットを愛する人が現れることが必要なのだという。オデットに惹かれたジークフリードは、明日の舞踏会に来て欲しいと頼み、そこで愛の告白をするとし、オデットもそれを心から了承するが、そのことを娘のオディールから聞きつけたロッドバルドは、オデットを館に幽閉し、代わりにオディールを花嫁選びに差し向ける。基本的に原作と同じ恋愛作品となっているが、悲劇的な結末がハッピーエンドに改変されており、原作から改変された場面も多い。またオデットの他にロッドバルドに呪いをかけられ、白鳥に変えられた娘達は登場しない。また、主題歌はチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」のアレンジ。本作は当時としてはまだ珍しかったPCM録音で音楽を取り入れ、劇中にオリジナルのクラシックミュージックを取り入れることに成功した。挿入歌以外はほとんど、原曲が使われている。当時の人気女優である竹下景子の主役起用でも話題を呼び、『長靴をはいた猫』の矢吹公郎を監督に据えたことで、小池朝雄演じる魔法使いのロッドバルドのキャラクターを、『長靴をはいた猫』の悪役である魔王ルシファーへのオマージュという形で見る人もいる。製作にはアクシデントもあり、公開前に製作した3000枚の動画が盗まれたという事件も起こり、現在でもアニメ界を揺るがした事件の一つ(同時期、東京ムービーでも、『あしたのジョー』の原画が盗まれた)として知られている。全て劇場用新作。
出典:wikipedia